第6話 いざ、合戦!
菜々美達は別世界にたどり着き早速「と」から始まる人物を見つけたのだが
時光「悪いが君達と共に行く事は出来ない」
菜々美「何故ですか!?」
時光「明日、赤間 篳鳥との合戦がある」
「絶対に生きて帰れるという保証は無い…」
大和「じゃあ、もし無事に生きて帰れたならその時は一緒に来てくれますか?」
時光「……」
黙りこむ時光
時光「悪いが、他の者に頼んでくれ」
菜々美「そうですか…」
武「殿!この辺りには殿以外に「と」から始まる名の者はおりませんぞ!」
「これは殿にしか頼めない事なのです!」
「私からもどうかお願い致します!」
時光「武…」
武「明日の合戦は私、武が必ず殿をお守りいたします!」
大和「その合戦…俺も加勢します」
時光「何!?それは…」
大和「俺は戦えます」
「だから菜々美の世界の為に力を貸して下さい」
菜々美「大和…」
時光「分かった…そこまで言うのなら君達の期待に応えよう」
菜々美「ありがとうございます!」
大和「よかったな」
菜々美「うん!ありがとう!大和!武!」
武「お礼を言われる程の事はしてないでござるよ」
時光「……」
~次の日~
時光「……」
武「中々敵が見えてきませんね」
時光「あぁ…」
菜々美「や~まと!」
大和「なっ!お前!!」
「ここで何してる!!」
菜々美「私も戦うよ」
大和「馬鹿言うな!!下がってろ!!死ぬかもしれないんだぞ!!」
菜々美「分かってるよ!!私は覚悟してここにいるの!!」
「皆が必死になって頑張ってるのに自分だけ何もしないなんておかしいよ!!」
「私はそんなの絶対に嫌だ!!」
大和「菜々美…」
侍「赤間軍が見えてきました!」
時光「うむ」
大和「あれは…!?」
赤間軍に黒い煙のようなものが漂っている
まるで黒い獣が現れたときのよう
菜々美「あれって…もしかして!?」
武「何やら様子がおかしいですね」
時光「ああ、だがそれを探る余裕はこちらには無い」
「皆の衆!相手の軍が見えてきた!いつもと様子は違うが気にすることは無い!我々はただ直進あるのみ!」
「さあ!我が軍の勝利を期して旗を掲げよ!」
うおおおおぉぉぉぉぉッッッッッ!!!!!
時光「行くぞおおおおぉぉぉぉぉッッッッッ!!!!!」
一斉に突っ込んで行く時光軍
菜々美「待って!みんな!」
大和「駄目だ、菜々美!このまま俺達も突っ込んで行くしかない!立ち止まってたら突き飛ばされるぞ!」
武「はあぁッ!」
カキン カキン
刀と刀が激しくぶつかる
赤間軍「ふっふっふ…」
武「なんだ…こいつら…!?」
赤間軍「ふんッ!」
バゴン
刀を振り下ろし地面にひびが入る
武「なんてパワー…」
大和「このままじゃまずい…」
ポケットからマッチをとりだし自分に火をつける
大和「しゃあッ!」
全身が火に包まれた状態で敵の軍に突っ込んで行く
赤間軍「ぎゃあああッ!」
「なんだあのガキは!」
武「おお!なんと不思議な手品でござる!」
菜々美「よし!私も頑張らなきゃ!」
別世界へのゲートを開く菜々美
菜々美「なんかでてこい!」
赤間軍「うおおおおッ!」
襲いかかってくる敵軍
グオオオオオオオオオオン
ゲートから巨大なレーザーが放出する
赤間軍「ぐあああッ…!」
菜々美「嘘……」
時光「やるな!菜々美!大和!」
「さあ、他の者達も一気に押し込めえええええ!!」
篳鳥「クックック…馬鹿め…」
「はッ!」
ドッコーン
赤間軍もろとも黒い波動で吹き飛ばす
時光「篳鳥…これはいったい!?」
篳鳥「あるお方に私に秘められていた特別な力を引き出してもらいましてねえ」
時光「あるお方…?」
篳鳥「そう、このお方こそ我らが救世主ミスト様!」
ミスト「…」
菜々美「あいつは!?」
大和「俺の世界で黒い獣と一緒にいたコートの男!?」
菜々美「そうか!歯車のずれた影響で篳鳥が隠された力を手にしたんだ!」
大和「それを奴が引き出してって訳か…」
ミスト「おい、時間はかけたくないんだ…さっさと片付けろ…」
篳鳥「はいはい、分かりましたよ」
赤間軍に漂っていた黒い煙のようなものが集まりまるで龍のように辺りを駆けめぐる
赤間軍「うわあああッ!」
時光軍「ぎゃあああッ!」
篳鳥「ふはは!私は最強だ!」
時光「あいつ!!」
篳鳥に向かっていく時光
時光が槍で篳鳥の心臓を狙う
黒い龍「ゲエアアアァァァッッ!」
黒い龍が時光に襲いかかる
大和「龍は俺が!!!」
大和の鋭く豪快なパンチが龍を吹き飛ばす
黒い龍「グルル…」
篳鳥「くっ…こい!時光!」
篳鳥が刀で迎え撃つ
時光「はああッ!」
篳鳥「ふあッ!」
カキン
時光の槍を交わし刀で払う
篳鳥「ふはは!そら!そら!」
強引に攻める篳鳥
動きが素早く、強力な力で押され、守ることしか出来ない時光
時光「くッ!」
武「殿!」
時光のところへ走る武
篳鳥「ぬ!?」
武「はあッ!」
刀を篳鳥に振りおろす
しかし篳鳥は素早い
篳鳥「ふんッ!」
篳鳥が後ろに下がる
だがそれよりも速く武の刀が振り下ろされる
武「せいやあッ!!」
篳鳥「何だと!」
またもギリギリの所でかわされる
篳鳥「残念だったな!…もう少しその刀が長ければ当たっていたかもしれんがなあ!?」
武「これは刀ではござらん…」
「伸縮自在の薙刀でござる!」
篳鳥「!?うがあああッ!!!」
刀は篳鳥に当たっていた
倒れる篳鳥
篳鳥「ミスト様…どうかお助けを…」
ミスト「その程度か…失望した…後は自分でどうにかしろ…じゃあな…」シュウウ…
姿を消すミスト
篳鳥「ミ…ミスト様!?そんな!?…ならば…私の龍で…」
大和「龍なら…」
菜々美「もう倒しちゃったよ?」
時光「大和!菜々美!」
篳鳥「な、何だと!?…この…ガキ共が!!」
「お前達!こいつらを殺せ!」
刀を向ける赤間軍
だが向けられた先にいるのは篳鳥だった
篳鳥「!?お前達!!」
赤間軍「もう俺達はあんたの兵じゃない…」
時光「残念だったな…篳鳥…!」
篳鳥「…まだだ…」
時光「ん?」
篳鳥「まだ終わりじゃねえ!!!」
「うおおおおおおおおおッッッッッ!」
篳鳥の身体が黒い物に包まれていく
どんどん不気味な姿に変貌する篳鳥が時光を狙う!
ザシュッ
篳鳥「…」
時光の槍が篳鳥の胸を貫く
時光「哀れな奴よ…」
ドサッ
静かに時光軍と赤間軍の合戦は幕を閉じた
ツヅク




