第3話 影の組織イレギュラー!
爆発音がした方に走る二人
キャー ダレカー
黒いコートに黒い制帽を被った一人の男と暴れまわる獣
???「…」
黒い獣「グアルルルルッ」
大和「なッ!?これは!?」
菜々美「辺り一面…燃えてる…」
大和「あいつの仕業かッ!!!」
「許せない…よくも…」
「よくもオオオオオッ」
菜々美「駄目!!危ない!!」
大和「うおあああああ」
黒い獣「グウウ?」
バキィ!
獣を殴る大和
黒い獣「グアア…」
???「フン…ん?あれは…」
菜々美 (ドキッ)
(あれが…もしかして影の組織…どうしよう…)
??? (あいつが世界の歯車を直す力を持った少女か…)
黒い獣「グアアアアアッ!」
???「後は好きにしろ…この世界はお前に任せる…」シュウウ…
菜々美 (消えた!…まさか別世界に!…急がないと!)
黒い獣「ガシュゥゥゥッ!」
獣の爪が大和を切る
大和「いッ!」
菜々美「未来君!!」
大和「大丈夫…傷は浅い…」
黒い獣「ガルルルル」
菜々美「未来君!気を付けて!そいつは…普通じゃない!」
大和「ふ…普通じゃない?」
菜々美「えっと…なんていうか…」
(どうしよ…説明のしようが無いじゃんこんなの…承知之助さんの気持ちが今分かった…)
黒い獣「ガアァァァッ!」
大和「!?」
口から火を吹く獣、その火が大和を襲う
大和「あ…あぁ…」
大和の体に火がつき、燃え上がる
菜々美「未来君!!」
(私が…未来君に声をかけたから…)
大和「菜々美…俺は大丈夫だよ」
菜々美「でも!!」
大和「さっきこいつの事「普通じゃない」って言ったよな?実は俺も普通じゃないんだ」
「俺さ、最近変わった力を手にしてさ」
「耐性って言うのかな?火がついても平気なんだ!」
全身が燃え上がりながら平然と立つ
奈々美 (歯車のずれによる影響…!)
大和「見てろよ、奈々美!!」
火がついた拳で獣を殴る
黒い獣「ガアァッ!」
大和「はああっ!」
綺麗な半円をえがいた蹴りを放つ
黒い獣「ギャギャアアァァ」
火が燃え移りその場で暴れまわる獣
そして体力を使いきり動きが止まる
黒い獣「ガアァァァ……」
大和「はぁ…はぁ…」
菜々美「やった!獣を倒した!」
「やったよ!未来君!」
大和「ああ…」
周りの火と共に徐々に消えていく獣
大和「なんなんだ…こいつは…」
菜々美「えっと…それはね」
大和「ちょっと待って」
菜々美「え?」
大和「悪いんだけどバケツに水を汲んで来てくれないかな?俺の火…まず消したいんだけど…」
大和の全身はまだ火で燃えていた
菜々美「あ!そうだよね!待ってて今持ってくる!」
バケツたくさんに水を入れる菜々美
菜々美「じゃあかけるよ?」
大和「ああ、悪いな頼む」
菜々美 (そういえば服ってどうなってるんだろ、もしかして燃えちゃってて今素っ裸なんじゃ…)
急に顔を赤くする菜々美
菜々美「キャアッ!」
バシャァァァン
思わず投げたバケツが大和に当たる
大和「いって!」
菜々美「あ!ご、ごめん!」
大和「もうちょっとやさしくかけてくれると嬉しかったなあ」
菜々美「本当にごめん!」
(あれ?服が燃えてない…)
大和「もしかして服が燃えてて裸になってると思ってた?」
菜々美 (ギクッ!)
またも顔を赤くする菜々美
大和「あはは!図星か!」
菜々美「未来君ってデリカシーないんだね!」
大和「…それ」
菜々美「?」
大和「大和でいいよ、俺の事」
菜々美「え?で、でも」
大和「じゃあ逆に聞くけど菜々美って呼ばれるのと相原ちゃんって呼ばれるのどっちがいい?」
菜々美「それは絶対菜々美!」
大和「だろ?だから俺の事も大和って呼んでくれよ」
菜々美「…わかったよ…大和…」
大和「あれ?また顔赤くなってる?」
菜々美「もう!」
ツヅク




