第2話 最初の仲間!
謎のゲートに吸い込まれた菜々美
菜々美「うわ~!?」
「う~ん…ってここは?」
承知之助「お~い、無事か~?」
菜々美「この声は承知之助さん?」
承知之助「どうやら無事に行けたみたいだね」
そこは少し古びた商店街のようだった
菜々美「ここが…別世界?あんまり変わって無いような」
承知之助「確かにそんなに変わりは無いが別世界だ、ちなみに別世界に行くゲートを開く力も君の隠された力の一つだ」
菜々美「私にこんな力が…ところで承知之助さんはどこ?」
承知之助「私は元の世界にいる、君に色々説明するためにこうやって心に直接話かけてる」
「とりあえず君はこの世界で名前が「み」から始まる仲間を見つける」
菜々美「どうやって?もしかして一人一人に聞いてこいとか言わないよね?」
承知之助「もしも仲間を見つけたら何かしら君に反応があるはずだ、それで見つけるんだ」
「仲間が見つかったら次はその人の名前の最後の文字が最初に来る人を別世界に行って見つけるんだ」
菜々美「なるほど、だからしりとりか…でもわざわざ別世界に行く必要あるの?この世界で全員見つければ良くない?」
承知之助「いいや、一つの世界で見つけるより別世界で見つけて行く方が早い」
菜々美「どうして?」
承知之助「それは知らない」
菜々美「…」
承知之助「まあ、その辺は良いんだよ、それと最後に言って置くことがある」
「世界の歯車がずれて影響を受けているのは君の世界だけじゃない、ほとんどの世界が影響を受けている、もちろんその世界も何かしら影響がでているはずだ」
「君のように力が解放された者が現れるかもしれない」
菜々美「私のように…」
承知之助「ああ、そしてそういった歯車のずれの影響で力を手に入れた者をスカウトしている影の組織がある」
「その名も「イレギュラー」」
菜々美「イレギュラー…?」
承知之助「彼らの事は実は良く分かってない、だが裏で良からぬことをしているようだ」
「一つ君に言える事があるとすれば…気を付けろという事、それだけだ」
菜々美「…分かった」
承知之助「これ以上会話するのは無理みたいだ…では頼むぞ」
菜々美「はい!」
「…とは言ったけどどうしよう」
「まず仲間を見つけなきゃ」
ワイワイ ガヤガヤ
菜々美「それにしても賑やかだなあ、ちょっと古い感じはするけど」 (別世界っていうからてっきりモンスターとか侍とかが出ると思ってた)
商人「おい!誰かそのガキを捕まえてくれ!泥棒だ!」
少年「やべっ!」
商人「おい!逃げるな!待て!」
少年「クソっ!」
逃げる少年とそれを追いかける商人が菜々美の前を通りすぎる
そのとき深く帽子を被っていた少年の顔が一瞬だけ見えた
菜々美 (ドキンッ)
「え!?今凄く心がドキッとした…」
胸に手を当てる
「は!?」
ふと承知之助が言っていたことを思い出す
承知之助「もしも仲間を見つけたら何かしら君に反応があるはずだ」
菜々美「もしかしてこれが…じゃああの男の子…」
「追いかけてみよう!」
少年「ハァ…ハァ…ハァ…」
商人「コラー!待てえ!」
少年「まだ追ってくるのかよ、ちくしょう…」
菜々美「こっち!」
建物と建物の狭い隙間から少年を誘う
少年「…え?」
菜々美「早く!」
少年「…分かった」
クソー アノガキ ミウシナッタ
少年「ハァ…ハァ…」
菜々美「大丈夫?」
少年「あ、ああ」
菜々美「ふぅ~」
少年「なんで、助けてくれたんだ?」
菜々美「え?…いやぁなんとなく…かな?」
少年「?…まあでもありがとう」
菜々美 (ドキンッ)
(この人…やっぱり)
「ねえ?突然なんだけどさあ、名前聞いても良い?」
少年「え?ああ、そうだな、俺は未来 大和 (みらい やまと)」
菜々美 (つ…)
「繋がった!」
大和「?繋がった…?」
菜々美「い…いやなんでもないよ!」
(流石にいきなり「ん」で終わりって訳にはいかなかったけど…この子が…最初の仲間…!)
(私と同い年ぐらいかな…)
大和「君は…?」
菜々美「あっ!私は相原 菜々美!よろしくね!」
大和「ああ、よろしく」
菜々美「ねぇ?あと一つ聞いても良いかな…?」
大和「ん?」
菜々美「なんで泥棒なんてしたの?」
無意識に聞いてしまう
大和「…」
菜々美 (って!私何聞いてるの!)
「えっと!答えたくないなら無理に答えなくて良いんだよ!」
大和「…実は俺の家、貧乏なんだ」
「父さんは俺が生まれて間もない頃に事故で亡くなった」
「そして母さんが一人で俺の面倒見てくれてたんだけど…病気にかかっちまったんだ」
菜々美「…」
大和「重い病気って訳じゃないんだけど仕事が出来るような状態じゃないから俺が頑張って働こうと思ったんだ」
「色々な所に頼んでみたけどまだガキだからって雇ってくれる所なんて無かった」
「だから、こうやって薬とか食い物とか母さんに内緒で盗んでたんだ」
「でも…俺必ず大人になったら頑張って働いて母さんや今まで迷惑かけた人達に恩返しするんだ!」
「俺の事追っかけてたあのおっちゃんにも大分迷惑かけたからさ」
「ってなんでこんなつまらない話しちまったんだ…悪いなべらべら喋って…」
菜々美「ううん、聞いたの私だし…でも未来君は大変だね…」
大和「ああ…それでも俺は必ず…」ドカーン
突然の爆発音
菜々美「な…何!?」
ウワー キャー
大和「商店街の方だ…」
菜々美 (まさか…歯車のずれの影響…それとも影の組織…?)
「行こう!」
大和「ああ!」
ツヅク




