公園にて①
「まゆみさん、公園行こう。」
「いいよ。」
義妹は出産間近、義母は疲れるからいいと断り、夫は昼寝していた。二人だけで行くことになった。
「たる山公園とイカ公園、どっちにする?」
両者とも正式名称らしいが、東京都内住みたい街トップ10の常連である街の公園であるわりには、ネーミングが頂けない。しかしながら、地元住民には長年愛されているようである。
「近い方にしよ。」
「じゃあ、たる山ね。」
私達は、途中で、ペットボトルと、花ちゃんの大好きなさきいかを買い、早速向かった。
公園は広々していて、花ちゃんは雄叫びを発しながら、走って中に入っていった。
私は、近くのベンチに座り、花ちゃんが山に登るのを見て、しばしボンヤリしてようかと思ったが、すぐに
「まゆみさあん、来てー。」
「まゆみさあん、ちゃんと一緒に遊んでー。」
と、鬼のような指名コールが入ったため、
「はいはい、お代官様。」
と公園の真ん中のたる山に向かった。
このたる山、横にウンテイがついていて、高さ3㍍程度の中々立派な山である。
花ちゃんはまだテッペンまで昇れず、ふもとで昇っては滑り落ちていた。よし、私がテッペンまで昇り、花ちゃんを引っ張りあげるかと思っていたところ、
「はなちゃあん」
と可愛らしい声が聞こえた。
二人で振り向くと、そこには、友達のゆうかちゃんとパパがニコニコ立っていた。
つづく。