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ヘイト・ヒーローズ  作者: タマナシ・カユウ
第1章 世界と向き合う日
8/37

裏エピローグ 『悪の生き方』

 1


「この施設の死体を全部持ち帰るのかよ。面倒くせぇな」

「まぁまぁ、あのデカブツは連れて帰りましたから、あとは人海戦術で持ち帰るだけですよ。それにしても凄い血の量ですね」


 確かに当たり一面血が飛び散っている。


「ここで戦闘もできましたし、中々楽しめましたよ。あなたも来れば良かったのに」

「俺の仕事は死体の回収だけだ。それ以外のことはするつもりも無い」


「それにしてもこんなに持ち帰って意味があるのか?」

「ストックが多いに越したことはありませんから。死体は保存し『ヌル』に加工。そして能力は取り出し、誰かに詰め込む。ボスの仕事が増える一方ですね」


 働いていないように見えて、一番働いているのがボスだ。

 このままいくと過労死してしまいそうで心配だ。


 ボスは俺の恩人だ。

 生きる目的を与えてくれた。

 だから従い続ける。

 この体はボスのために使う。


「そういえば仲間になりそうな奴はいたのか?」

「いいえ。というかあのデカブツを送り込んだのが間違いだったのでは? あいつはすぐに殺してしまうので。同胞集めには向いていないかと……」

「仕方が無いだろ。能力に目覚めていない奴なら大勢いるが、能力保持者で鎧化できるのはあいつしかいなかったんだから」

「私も途中まで能力の使いすぎで動けなかったので責任はありますが……この施設には鎧化できる者が三人もいたことですし、部下を送っていただけでは返り討ちにあっていましたね」

「とりあえずは目的は果たせたということか……」


 2


「なぁ俺たちは悪か?」

「突然どうしたんですか?」

「いや少し気になってね」


 俺は自分たちの行いに疑問を持った。


「施設の襲撃、これは事件として扱われる」

「そうですねぇ」

「俺たちはたくさん殺した。これを世間は悪として捉えるだろう」

「目的があっての殺しは単なる悪では無いのでは? まぁ私は楽しんでやっていますから私は悪かもしれません。あなたはどうですか?」

「どうだろうな?」

「組織を抜けるとか言わないでくださいよ。あなたと話をしていると血を見たい衝動が抑えられるのでねぇ」

「そんなつもりはない。まぁお前の性癖には付き合うつもりはないが……」


 俺には目的がある。

 だが世間が悪と捉えるなら俺は悪になろう。

 この生き方は変えられない。

 俺にはこれしか無いのだから。

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