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八つ当たりで……


「歴代最強の勇者様、なんですよね?」

 

王女ちゃんがそう聞いてくるのを、アリス以外にこれ言われたの初だなぁと思いながら頷く。


「あぁ、そうだよ」


なんだか、アリス以外にこのセリフを言われてもなんかしっくりこないなぁ。


「なぜ君は召喚されたばかりなのに歴代最強の勇者だと言い張れるんだい?」


まぁ、最速の勇者の疑問はもっともだな。


こいつは、さっきの怪力の勇者よりは話が通じそうだ。


「前の世界で歴代最強の勇者って呼ばれてたんだよ、ちなみにこうやって召喚されるのは二回目だ」


一回目は新鮮だったがさすがに二回目となると飽きる。


全部無かったことにして、さっさと帰ってだらだらしたくなるくらいには。


「なるほど。つまり一月前に召喚された僕達三人のように魔物や魔王のいない世界から来たわけではないのか」


「そういうこった」


「なら、召喚されたばかりでもあの強さというのも少し納得できる。だが、先程の試合を見ていた限りあまり速くはないようだね」


まぁ、手加減に手加減を重ねその上で手加減を心がけていたからな。


せっかく観戦しにきた人達に目視できない速度で動くってのはかわいそうだなって思って。


「僕の最速と君の最強、どちらが強いか試してみないか? ちょうどここは訓練場だし僕と試合をして欲しい」


なぜそうなる?


お前もさっきの怪力の勇者みたいなバトルジャンキーだったのか……。


「勇者様、私からもお願いします……」


王女ちゃん、そんな目で見つめるなよ断りにくくなるじゃないか。


「万能さん……お願い……」

 

お前もか!


聖魔の勇者もやってくれと言ってくるとは……。


あと、俺のTシャツをつまむなっ!


可愛いじゃねぇか!


「あー、もうしかたねぇなぁ。一回だけだぞ?」


「感謝する。ルールは先程と同じで構わないな?」


「いいよ」


最速の勇者は俺と同じ片手剣か。


「始め!」


先程と同じように王女ちゃんが試合開始を宣言する。


「最速の勇者である僕には誰も追いつけないっ!」


そういって、訓練場の中を高速で動き回る最速の勇者。


ごめんなさい、自信満々に言ってるけど俺余裕で追いつけちゃうんだけどどうしよう。


「さぁ、これが君にかわせるかな!」


速度だけはそこそこだが動きは素人同然で片手剣を振りかぶる最速の勇者。


きっと、普通の人ならこれが分身して見えたりあるいは目視できなかったりするだろうなぁ、なんてゆっくり考えながらゆっくり避ける。


てか、お前寸止めする気ゼロだよね。


いくら刃びきされた剣とはいえ、その速度と勇者の腕力で首狙ったら普通の人間なら軽く死ぬぜ?


「なに、避けただと?! 君はさっきはそんなに速くなかったはずだ!」


「相手に合わせてあげてたんだよ。ほら、俺って優しいから」


「そうか……では僕も本気を出すとしよう!」


僕もって言ってるけど俺は本気なんて一割も出してないよ?


後、本気を出すっていったわりに対して速くなってない。


考え事したり、よそ見しながらでも余裕で避けられる。


「くそっ、なぜ当たらないんだ……。僕は本気を出せば光よりも速いのに!」


「いいか? たかが光を超えた速度程度でこの俺に攻撃が当たるわけがないんだよ」


「じゃあ、いったい君はどんな速度で動いているというのだ……」


「俺にもわからん。ステータスの敏捷の欄に数値が表示されなくなってしまってな」


以前はちゃんと数字で表示されてたのに、レベルを上げすぎたせいか「あなたに追いつける存在はいません」としか表示されなくなってしまった。


つまり、ステータスに数字が表示されてるようじゃ追いつけるわけがないということだな。


「さて、これで終わりだ」


俺は最速の勇者の背後に立ち片手剣を首に当てる。


「い、いつの間に……」


「残念だったな、俺がいなきゃこの世界ではお前が最速だっただろうよ」


よし、これでもう帰っていいだろ。


いや、この流れだと今度は聖魔の勇者ちゃんにも試合を挑まれそうだな。


聖魔の勇者ちゃんなら大歓迎だ。


可愛いし。


「聖魔の勇者ちゃんも俺と戦いたかったりする?」


「私はいい……自信を粉々にされたくないから……」


そっか、残念……。


聖魔の勇者ちゃんが相手なら試合とひょうして色々いたずらしよっかなーとか、思ってたのに。


「じゃ、俺は帰るね!」


ふぅ、これでやっとあの宿に帰れるのか。


今日はホント精神的に疲れたよ、帰ったら寝よ。


「あ、あのぉー魔王を倒して欲しいのですが。というか元の世界に帰す術式は知らないと説明したじゃないですか」


「世界間転移魔術なら極めてるから自力で帰れるんで心配しなくていいよ」


「え…………でっでも、勇者様には魔王をですね、その、倒していただかないと困ると言いますか、人類が滅んでしまうのですが……」


俺の突然の自力で元の世界に帰れる宣言でめっちゃ焦ってる王女ちゃん。


さっきまで凛とした感じでかっこよかったのになぁ。


「そ、その、できれば……帰るのは、魔王を倒してからにしていただけないでしょうか……?」


俺が宿に帰ってだらだらするのを邪魔するだなんて、まったくこの世界の魔王はなんて邪悪なんだ。


「倒したら帰るからな?」


あー、もうっ! この世界の魔王は今日の精神的なストレスの八つ当たりに使ってやる!


「あ、ありがとうございます!!」


【世界全域探知】発動


見つけたぞ俺の休息を邪魔する邪悪な魔王め。


【超長距離捕捉】発動


もう逃がさない、俺のだらだらたいむを邪魔した罪は重いぞ?


【超長距離魔法 神雷】発動


悪は消えた、さぁ帰ろう!


「じゃ、倒したから帰るね!」


「え……今なんと?」


「魔王とその半径1000キロはは消し炭すら残さずに消滅させたから帰るね! バイバイ!」


【世界間転移魔術】発動


やっと、帰ってこれたよ。


やっぱ、この住み慣れた宿は落ち着くな。


「ただいま、アリス」


「勇者様、どこに行ってたんですか?」


「ちょっと他の世界に勇者として召喚されてた。俺以外にも勇者が召喚されてて、絡まれたから自信を粉々にした上で返り討ちにしてきた」


「うわぁ、なんか普通なら正気を疑うような話なのに勇者様が言うと不思議な説得力がありますね。並の勇者なら片手間に返り討ちにするなんて余裕でできそうですし……」


アリスはわかってるなぁ。


「その後、八つ当たり気味にその世界の魔王を一秒で滅ぼしてきた」


ついでに大陸におっきな穴も開けちゃった☆


「ついに、勇者様が魔王を倒したんですね。一秒でってとこにはあえてつっこみません……」


「だから、褒めてくれてもいいんだよ?」


「うーん、その魔王はどんな魔王か私知らないですからねーなんとも言えないですね。ところでこの世界の魔王もついでに倒しちゃいましょうよ!」


「えー、やだ」


「いいじゃないですか。もうすでに世界が違うとはいえ一体倒したんですし」


「なんとなく、やだ」


だって、この世界の今の魔王基本的に俺に対して無害だし。


俺の生活や休息に危害を加えてないのに滅ぼすってのもなんか気が進まないんだよね。


とりあえず今日は精神的に疲れたからまだ昼だけどおやすみ。


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