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レベル1(4)

 

「歴代最強の勇者様、なんですよね?」


「もうちょいで本当に歴代最強に戻れそうって感じかな」


今の俺が歴代最強なのかと言えば、そうともそうじゃないとも言えるだろう。


だって、レベルがダウンする前の方が確実に強かったし。


あの魔道具をアリスが使う前の俺と現時点の俺が戦えば絶対今の俺が負ける。


まぁ、過去の俺と今の俺が別人って訳じゃないし現時点の俺が歴代最強を名乗っても誰も責めはしないだろうからいいのだが。


さてと、そろそろ戻るとしますかね。


あの頃の俺に。


レベルダウンする前の俺に。


数時間前の俺に。


「うん、MPもこれだけ戻れば使えるな」


「なにを使うんですか?」


「めっちゃMP食うチートなスキルだよ」


そう、そのスキルを使うためにさっきまで頑張ってレベル上げしてMPを増やしていたのだ。


「じゃ、少し世界を改竄するとしようか。【レコード・キャンセル】」


このスキルはすでに起こったことを否定し無かったことにするスキルだ。


俺はこのスキルでアリスがあの魔道具を使用したことを『無かったこと』にした。


時間がたったことほど『無かったこと』にするMPは増える。


だから、魔道具の存在じたいは『無かったこと』にはできなかった。


だが、今回はそれで十分だ。


アリスがあの魔道具を使わなかったということは俺のレベルが強制ダウンすることは無かったということになる。


つまり、今の俺はレベルがダウンする前に戻るというわけだ。


「アリス、大丈夫か?」


「なんだか気持ち悪い感覚ですね……。あの時確かにスイッチを入れた記憶があるのにどんな形のどんな色のスイッチだったか思い出せません」


あたまを抱え、今にも吐きそうな顔になるアリス。


かなり、強引な手段なので当事者の人間にはこんな弊害がおこったりするのが難点だ。


え? 俺? ピンピンしてますが何か?


人間じゃないなんて言わせないぜ?


「しかたねぇな、宿までおんぶしてやるよ。今日だけ特別だぞ?」


「優しくしたからって誤魔化されてなんてあげませんからねっ! 元はと言えばあんな危険物を放置していた勇者様が悪いんです!」


くっ……。


その通りですすいませんでしたこれからは片付けます。


だから許して下さい……。


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