レベル2
「歴代最強の勇者様、なんですよね?」
「うん」
「ちょっと、返事が適当じゃないですか?」
「たまにはいいじゃないか」
「勇者様はなんでこんな時間にこんな場所に来てるんですか……」
俺は、酒場に来ていた。
昼間から。
「なんだよ、アリスがたまには外に出ましょうって言うから外に出たんじゃないか」
まぁ、この酒場は宿から徒歩2分のところにあるので、外に出たのは実質2分だけだが。
「だからってなんで行き先が酒場なんですか! もっとこう、昼間にいくような場所に行きましょうよ!」
昼間に、ねぇ。
「例えば?」
「んー、魔物を狩りにとか? ですかね。お金も稼げますし、レベルもあげられるじゃないですか」
「えー、それはもう飽きた」
「そんなこと言わずに行きましょうよ!」
「いやーレベルなら十分にあるしさー」
それに一生遊んで暮らしても余裕があるくらい金もあるしね。
「そういや、アリスってレベルいくつなの?」
魔王倒しに行きましょうとか言ってたくらいだから、結構あるのかな?
「私、ですか? 私はレベル2……です……」
ま、まじか……。
「あぁ、その、まぁ、なんだ、ごめんな。聞かなかったことにしとくよ、うん」
アリスが予想以上に弱かった……。