料理
「歴代最強の勇者様、なんですよね」
「そう言われてるね」
「勇者様って料理とかするんですか? 勇者様が料理してるとこってまだ見たことないんですよね。いつも宿のご飯ですませてますし」
料理、か。
「そこそこするよ。アリスはするの?」
「私ですか? まったくですね」
まぁ、らしいっちゃらしいか。
アリスはあんまできそうな感じしないし。
「あれ? 今、勇者様失礼なこと考えてませんでした?」
ムッとした顔をつくるアリス。
「いや、そんなことないよ? うん、まったく」
「なんか信じられませんねー。で、勇者様はどんな料理作るんですか?」
あんま教えたくないんだよなぁ。
これ言うとみんなおんなじ反応するし。
「オークの丸焼きとかオークと野菜の炒めものとかオークのステーキとかだね」
「全分オークじゃないですか……。勇者様そんなに貧乏だったんですか?」
可哀想な目で俺を見るアリス。
ほらね、これ話すとみんなこんな感じになるんだよ。
「しょうがないじゃん。召喚されたばっかの頃は金なかったんだからさ」
「勇者なのにですか? 国とかからお金もらえなかったんですか?」
「勇者にも使える勇者と使えない弱い勇者がいるからね。だから召喚されたばっかの頃は全然貰えないんだよ」
国も使えない勇者に払う金はないってことだね。
もし、使えない勇者ならまた召喚すればいいだけだし。
勇者ってわりと消耗品みたいな考え方されてるからね……。
ホントあの頃はキツかったよ。
「勇者もけっこう大変なんですね……」




