ねむい、つまりねむい
「歴代最強の勇者様、なんですよね?」
「おうよ」
あぁ、まぶたがおちそうだ……。
ねむい。
とてもねむい。
「今日はいつにもまして眠そうですね」
「うん。きりのいいところまでゲームを進めたら寝ようって思ってたら、いつのまにかこの時間になっちゃってね」
ちなみに今は午後の3時。
確か最後に寝たのは二日前の夜だっけな?
もう、眠すぎて記憶が曖昧だ。
よく、思い出せない。
ねむい。
ねたい。
ねむい。
「もう限界。ねる」
そう言って俺は横五センチ縦十センチ程の闇を作り、目の上に設置する。
「またなんか、変なことやってますね。それはなんですか?」
若干、呆れのまじった声でアリスが聞いてくる。
「暗黒魔法。光、遮るため。ねたいから」
眠すぎて、丁寧に説明する気力がわいてこないので簡潔に言う。
「まったく、暗黒魔法なんて高等魔法をそんなことに使うなんて……。まぁ、勇者様らしいといえばらしいですけどね」
アリスがなにか言っているが、もう眠気が限界で聞き取れない。
「おやすみ……」
なんとか、それだけ言って俺の意識は完全にシャットダウンした。
「おやすみなさい。あっ、勇者様またあの光る板しゃっとだうんてのをするの忘れてますね。ま、起きた時にじゅうでんがなくってたら私と話す時間も多くなるでしょうし、そのままにしておきますか」
さて、私も昼寝しますかねーと呟きアリスもベッドへと入る。
いつのまにか、すっかり勇者に毒されているアリスであった。




