そこどいてください
「歴代最強の勇者様、なんですよね?」
「そーだよ」
「あ、勇者様そこどいてください。ゴミ捨てるんで」
ちょっと扱い酷くない……?
「なんか、最近さ俺が勇者としてアリスに扱われてない気がする……」
「仕方ないじゃないですか。
勇者様、ずっとごろごろしてるしゴミも捨てないし、今の勇者様に尊敬する要素なんて皆無じゃないですか」
だろうね。
一応アリスが俺を呼ぶときに様付けにしてくれてるけど、声にまったく尊敬がこもってないもんな。
昔の活躍があったからこそ、まだかろうじて勇者様と呼んでくれてるんじゃないだろうか。
「いや、ゴミなら貯まってきたら捨てるって」
「嘘はダメですよ。私が勇者様が住んでるこの宿に来てからもう結構たちますけど、一回も勇者様がゴミ捨ててるとこ見たことないですもん」
嘘ではないんだけどなぁ。
まぁ、俺は普段がアレだからそう思われてもしょうがないだろう。
「そこまでいうなら俺流のゴミの処理の方法を見せてあげよう」
俺流のやり方を見せるためまず、散らばっているゴミを集める。
ついでに、さっきアリスが集めていたゴミも。
「そして、こうする。『消滅しなさい』」
そう俺が言うとそこにあったゴミは消え、床のみが残った。
「あれっ? ゴミはどこにいったんですか? もしかして勇者様が昔使ってた装備みたいに空間魔法でしまったんですか?」
「いや、文字通りあのゴミは消滅したのさ。さっき使ったのは消滅魔法という、ゴミを処理するために俺が以前創った魔法だよ。これなら外まで行かなくてすむじゃん?」
「とても凄い魔法なのに、理由かなりがショボいですね……」
ゴミ捨てで外に行くのが面倒だからって、新しい魔法を創ってしまうなんてある意味尊敬します……、とアリスは苦笑した。
これで一ミリくらいは尊敬を取り戻せたかな?




