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アリスにとっては異世界


「歴代最強の勇者様、なんですよね?」


「そうだとも」


「あの、転移魔法って失敗したりとかしないですよね……」


不安そうな顔で聞いてくるアリス。


「失敗することもあるんじゃないか? 昔のちょっと強い程度の勇者が転移魔法で失敗して、バラバラになって死んだらしいじゃないか」


まぁ、俺は失敗しないけど。


「怖いこと言わないでくださいよ」


「大丈夫、アリスがバラバラになってもくっつけてあげるから」


「もう! そうやって怖がらせようとしないでください!」


仕方ないじゃない、楽しいんだもの。


「怖かったら、行くのやめてもいいんだよ?」


無駄だとは思うが一応そう提案してみる。


「いえ、行きます。勇者様を信じてますから!」


嬉しいことをいってくれるじゃないか。


「じゃあ、行こうか」


「はい!」


転移魔法、発動!


そして、一瞬にして景色が変わる。


俺にとっては見慣れたアリスにとっては見慣れない、日本の街並みに。


「はい、到着」


「随分あっさりこれるんですね。なんか、もっとこう長ったるい詠唱とかするものだと思ってました」


「まぁ、俺だからね。さて、どこに行こうか」


「いつも勇者様はどこに行ってるんですか?」


「スーパーだね。いつもそこで買い物しに行ってるかな」


「じゃあ、そこがいいです!」


そして歩くこと数分、いつも俺が来てるスーパーについた。


なんというかね、ものすごく周りの視線がいたいです。


ほら、アリスって髪が水色だからさ、こっちの世界だとかなり目立つんだよ。


しかも、かなり可愛いもんだから余計ね。


「これが、すーぱーですか! 夜なのに中はこんなに明るいんですね! それに見たことのない食べものがいっぱいあります!!」


アリスは目をキラキラさせながら、はしゃいでる。


俺も、あの世界に召喚された直後はこんな感じだったのかなぁ。


そう思うと微笑ましい。


「勇者様、なにニヤニヤしてるんですか?」


「いや、ちょっと昔を思い出してね。アリスはなにか食べたい物とかある?」


「いいんですかっ! では、勇者様おすすめの甘いものをお願いします!」


甘いもの、か。


じゃあ、俺も好きなアレにするか。


「これなんかどう? ドーナツっていってね、俺も結構好きなんだよ」


そう言って、アリスにドーナツを見せる。


「どーなつ、ですか。とっても美味しそうですね! これでお願いします!」



「俺も、今日はドーナツしよっかな」


何を買うかが決まったので、レジをすませて外に出る。


あぁ、やっぱり空気はあっちの世界の方がうまいな。


「じゃあ、帰ろっか」


「まだ、少しいたいですけどね」


「じゃ、行くよ」


また一瞬で世界を移動し宿へ戻る。


そして、アリスと一緒にドーナツを食べながら幸せな時間を過ごす。


その後、アリスは今日ずっとハイテンションだったせいか疲れてしまったようで、いつもより早く寝てしまった。


そんなアリスに掛け布団をかけてあげてから、俺もベッドに潜った。


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