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妖怪見聞録  作者: 非常口
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「私も妖怪だったら一緒にいれたのかな?」

伊織は遠くを見つめ、ポツリと呟いた。

「私と一緒にいるなんて、大切な人生を棒に振るのと同じよ」

大きな目から大粒の涙を流した。そして、声を出さずに静かに泣いた。

「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい。泣くつもりは無かったの。…私はあなたと一緒になれません。もう私のことは忘れて下さい」

浴衣姿で伊織は駆けた。こちらを振り向くことなく、丘を下った。




「夜神さん、どうしました?」

化け猫が不思議そうに顔を覗き込む。

そういえば、ここは何処だ?

「聖さんが縁側に案内してくれました。妖怪ならここからでも人里全体が見えるかもって。忘れたんですか?」

「ちょっと考え事してたもんで」

化け猫は笑いながら何か言ったが、忘れた。




伊織…。あれからどのくらい経つのか分からない。江戸時代初期あたりに俺は生まれ、伊織に会ったのは幕末。それから、昔から変わらぬ容姿を俺は保っている。妖怪特有だが。



「夜神さん、化け猫さん、お茶です」

盆に湯呑みと急須、お茶菓子を載せ、カラクリ人形のように聖が縁側に来た。

伊織のことを考えていたからなのか、不覚にも聖を伊織と間違えた。

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