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公爵と王女  作者: くま
6/12

王女

 叶わないものだと、最初から諦めていた。

 ならばせめて小さな蕾が満開の花へと開く様をこの目で見られるのなら、それだけでいい。

 そう思っていた。



 

 その日は、王城の2階、大広間で盛大な祝宴が催された。

 約1か月前に他国へと赴いていた王の娘たる王女が帰国したからだ。

 今回初めて使節団の正使を務めた王女は、見事役目を果たしたという。

 出席を許された者たちはさすがは名君たる王の娘だと惜しみない称賛を王女へと送った。

 同時に18歳になる王女も年頃だ、そろそろ結婚をと望む声も少なくなかった。

 祝宴の間に己の顔を売ろうと若い独身の貴族たちは王女の近くへと侍ったが、今日は誰一人として王女の心を射止めた者はいなかったようだ。

 時が過ぎ、深夜近くともなれば少しずつ帰宅の様相を見せ始めていた。

 フレイヴィアスは、祝宴が終わりかけた時間、大広間から離れて後宮近くの庭を歩いていた。

 当然グランティール公爵として今回の祝宴の招待を受けていたが、それよりも近衛としての仕事を選び、王の警護に当たった。

 その王も既に王妃とともに祝宴の席から外れ、後宮へと入った。

 以後は通常通り近衛として周囲の警戒に当たっていた。

 異常がないことを確認し、庭園から離れようとしたフレイヴィアスの耳が小さな足音を拾った。

 足を止め、警戒しながら音の方向へと振り返ると、ゆっくりとした足取りで現れたのは一人の若い女性だった。


「フレイヴィアス」


 小さく呼び掛けられ、微かに目を見開く。

 月明かりの下でもはっきりと分かる、燃えるような赤い髪と瞳。

 彼女は―――――この国唯一の王女だった。

 今回の祝宴の主役であるはずの彼女がなぜここに居るのか。

 疑問に思うよりも何よりもまず長年の習慣で片膝をつこうとしたが、やめて、という王女の制止で動きを止めた。

「膝などつかないで」

 必要ない、とどこかきつい言葉に戸惑ったが、引かない様子に諦めてフレイヴィアスは軽く頭を下げるだけに留めた。

 同時に周囲に視線を走らせ、王女が共として連れてきているのが王女と同い年の乳兄弟でもある侍女だけだと知る。

 王女付きの近衛の姿が近くにはない。

 真っ直ぐに顔を上げ、傍近くへと近寄ってくる王女を今度はフレイヴィアスが制止した。

「殿下、すぐに大広間へ……いえ、後宮内へとお入りください。ここは警護が手薄です」

 御身に何かあればとフレイヴィアスは近衛を一人も連れていない王女の身を案じる。

 しかし、王女はフレイヴィアスのその言葉に機嫌を損ねたらしい。

 歩みを止めず、フレイヴィアスの目の前まで来て立ち止まると、きりきりと眉を吊り上げ、大きな赤い瞳でフレイヴィアスを睨み付ける。

「他に言うことはないの?」

 紅が刷かれた唇から洩れる声も当然ながら鋭い。

 王女の態度に困惑するフレイヴィアスが、口を開こうとすると遮るように王女は言葉を紡いだ。

 自分よりもずっと高いところにあるフレイヴィアスの顔を見上げ、

「――――あなたに分かるかしら? あなたが結婚したと聞かされたときの私の気持ちが」

 絞り出すような声で言い放つ。

 ぎゅっと身体の横で握られた手は怒りのためか震えているようだった。

 瞬きをほとんどしない赤い瞳はフレイヴィアスから決して逸らされない。

「王女としての役目だからと国を1か月も空けて、ようやく帰ってきてみればあなたはイーデンの王女と結婚したというじゃない。最初は耳を疑ったわ、あなたに限ってと……けれど冗談だと思っていたそれが本当で、なのにあなたは私のところに言い訳をしに顔を出すどころか今日の祝宴にも顔を出さなかったわ!」

 激しくフレイヴィアスを責めるうちに感情が高ぶってきたのだろう。

 王女は赤い瞳に薄らと涙を浮かべていた。

 白い頬は怒りのために紅潮し、唇が微かに震えていた。

 フレイヴィアスはかつてないほどの怒りを露にする王女に困惑と――――微かな優越感を感じずにはいられなかった。

 だがすぐにそんな感情を抱く自分を嫌悪し、自制する。

 まずはどうにかして王女を落ち着かせなければ、と口を開いた。

「落ち着いてください、レイナ姫。ここでは誰が聞いているかも分かりません」

 いくら人気がないとはいえ、王女の声を聞いて誰かやってくるかもしれない。

 こんなところを見られれば、王女の不名誉となることは疑いようもない。

 それだけは避けねばならないだろう。

 しかし静かになだめるような声も効果はない。

「誰に聞かれようとどんな噂が立とうと構わないわ!」

「殿下」

 フレイヴィアスの呼びかけを無視し、王女はきっと赤い瞳でフレイヴィアスを睨み上げた。

 その拍子に瞳からとうとう涙が一粒だけこぼれる。

 白い頬を伝う涙の美しさに思わず見惚れる。

 言葉を失ったフレイヴィアスを相変わらず強い眼差しで見つめたまま、はっきりと言い切った。


「私はそれぐらいあなたのことが好きなのに」

 

 迷いない言葉にフレイヴィアスは息を呑んだ。 

 それは紛れもない、一国の王女の愛の告白だった。

 誰が聞いているかもわからない場所での言葉。

 だが王女はあくまでも強くフレイヴィアスを見据え、己の言葉を後悔する様子など微塵もない。

 清々しいまでに王女は真っ直ぐだった。

 制止のためだったのか、それとも――――受け入れるためか。

 思わず王女へと手を伸ばしかけ、けれどはっと我に返って引っ込めようとした手をそれよりも先に王女が掴んだ。

「フレイヴィアス」

 剣を持つ者特有の武骨な手に、小さくて白い滑らかな手が重なる。

 幼い頃ならばまだ許されたそれは、成人した今では決して許されない。

 ましてやフレイヴィアスは既に妻がある身だ。

 こんなところを見られれば自分はもちろん王女にも悪い噂が立ち、適齢期である王女の縁談にも影響が出る。

 すぐにでも離さなければならないと分かっているのに、ぎゅっと握られた手は無下にふり払うには華奢すぎた。


「私は、あなたが好き」

  

 フレイヴィアスの葛藤など気にもかけないで、王女は再び言葉を重ねた。

 子どものころから変わらない嘘偽りない真っ直ぐな言葉だった。

 ―――――父もまた王の近衛を務めたフレイヴィアスは、幼い頃から王宮に上がることが少なくはなかった。

 王女と初めて会ったのもこの王宮で、フレイヴィアス自身は幼すぎてそのときのことをよく覚えていない。

 けれど王宮に上がるたびに遊び相手を務めた小さな王女は、どこまでも無邪気で可愛らしかった。

 王と王妃、兄である王太子に甘やかされたためか、少しわがままなところはあったが、それすらも笑って許せた。

 無邪気に3歳年上のフレイヴィアスに纏わりつき、慕ってくる王女はかけがえのない存在だった。

 幼い感情がいつしか大人のそれと変わらないものへと変わったのはいつだったか。

 最早よく覚えてはいない。

 気が付けば彼女のことが何よりも大切になっていたのだ。

 だが王女よりも3歳年上であるフレイヴィアスは、王女に対する想いがどういったものか自覚したときには、それを口にできる身分ではないと悟る分別がすでにあった。

 自然と王女から身を引くことを決意し、苦しさを押し殺して距離を置き始める。

 けれどそれに気付いた王女が許さず、再び距離を詰めた。

 それを幾度か繰り返したとき、皮肉にもフレイヴィアスの母の死が決定的となり、二人を隔てた。

 フレイヴィアスは以降完全に王女から距離を置き、王女もまたフレイヴィアスを構うことを止めた。

 それを寂しく思うのは傲慢だと己に言い聞かせ、決して自分から王女へと近づくことはなかった。

 もう傍らにあることはできないが、それでも王女が光の当たる場所で幸せに笑ってくれればいいと願う。

 自分のような者が懸想しているなどと噂が立てば、王女にとって不名誉にしかならないだろう。

 そう考えて遠くから眺めることもやめ、完全に己の気持ちを隠した。

 それから年を経て大人になった王女は、大輪の花が咲くかのようにますます美しくなり、諸国からの求婚が絶えないという。

 だがそのどれも王女が難色を示しているとは聞いていた。

 その理由が、

「子供のころからずっと、あなたの花嫁になることを夢見てきたの。私はあなたの傍にいたい」

 自分にあるなどと。

 考えたことはなかった、といえば――――やはり嘘になるだろう。

 公の場で顔を合わせるたびに王の近衛として仕えるフレイヴィアスへと向けられる、王女の視線に気づかないことはなかった。

 焦がれるような熱を含んだ、強い眼差し。

 だがそれを敢えて無視し、貫いてきたのは何のためか。

 手を取ってはいけないと強く課したのは、なぜか。

 フレイヴィアスは王女の視線から逸らすように、一度目を伏せた。

 ―――――ずっと成長を見守り、愛した少女からの告白。

 焦がれ、欲して已まなかった存在が今、目の前でフレイヴィアスへと差し出されようとしている。

 手に入れることは叶わないと、諦めた恋が目の前にある。

「フレイヴィアス?」

 手を伸ばし、受け止めることができればどれだけよかっただろうか。

 けれど――――一時の感情で受け入れてしまうほど最早フレイヴィアスは幼くも、分別もないわけではなかった。

 この手を取ることがどれほど王女のためにならないか、よく分かっている。

 公爵の地位にあるとはいえフレイヴィアスには王女を娶れるほどの力はないし、祖父が当時の王女を娶ったときと違い、王女を国内の貴族に嫁がせても利益がない。

 それに何よりも――――フレイヴィアスには既に妻がいる。

 国を失い、自分へと降嫁した妻の姿がふっと脳裏に浮かんだ。

 それだけでフレイヴィアスは、知らず知らずのうちに動揺していた自分の気持ちがすっと落ち着いていくのを感じた。

 伏せていた目を上げると、そっと己の手を握る王女の手をもう一方の手で外した。

 フレイヴィアスの仕草に傷ついた色を浮かべる王女が口を開く前にフレイヴィアスは跪き、頭を垂れた。

「レイナ姫。傍に、とおっしゃっていただけることは身に余る光栄ではありますが、お許しください……私には既に妻がおります。ただ一人妻を愛すると神に立てた誓いを違えることはできません」

 臣として深々と頭を下げる。

 その態度に王女は信じられないとばかりに大きく目を見開いたあと、顔を歪めた。

 いや、と小さく悲鳴のような声を上げたあと、

「やめて、そんな言葉は聞きたくないわ! どうしてなの、あなただって私を愛してくれていたのではないの!」

 言葉に出さずとも想いが通じていたではないかと王女は嘆いた。

 そうだと頷ければ、どれだけよかっただろう。

 悲しむ彼女を何物からも守るように慰めることができれば。

 けれど、それはフレイヴィアスの役目ではない。

 不実を詰る王女へと深々と頭を下げ続けた。

「なのに、それなのにあなたは私よりもあの王女を選ぶと、私よりもあの王女を!」

「……お許しください、王女殿下」

 王女は即座に許さないと叫んだ。

 その声の強さに思わず顔を上げたフレイヴィアスの目に映るのは、赤い瞳に強い怒りを浮かべた王女だった。

 先ほどの非ではないほど握られた手が震えている。

「許さないわ、フレイヴィアス」

「………」

「絶対に私はあなたを諦めない。エリーザ王女が居ようとも関係ないわ。陛下に縋ってでもあなたの傍に居られるようにするから」

 言い放つ王女の目はどこまでも本気だった。

 言葉を失したフレイヴィアスの目の前で、ぐい、と手の甲で浮かんだ涙を拭うと王女は、

「私は諦めない」

 ともう一度宣言し、しばらく跪くフレイヴィアスを見下ろしたあと、踵を返した。

 揺らぐことのない真っ直ぐな足取り。

 すぐさま控えていた王女の侍女が後を追っていく。

 フレイヴィアスは静かに去っていく王女の背中を見つめることしかできなかった。

 その背中が見えなくなると、フレイヴィアスは跪いたまま一度目を閉じた後、振り切るように立ち上がる。

『あなただって私を愛していてくれていたのではないの』

 ―――――愛していた。

 何よりも大事な一人の女性として焦がれ、求めた。

 娶ることができないならば、連れて逃げることすらも。

 けれど抑えきれない衝動の時期は、疾うに過ぎ去った。

 最早手に入れることを諦めてから久しい。

 そんな今、王女の強い想いを嬉しいと思うよりも、困惑のほうが強かった。

 これからどうなるか、考えるだけで気が重い。

 それをふり払うように首を軽く振ると、フレイヴィアスもまた踵を返して後宮の庭を後にした。



 夜半、王の警護を終え、帰宅したフレイヴィアスはいつも通り湯を使ったあと、妻の私室を訪ねた。

 相変わらずドアを叩いても応えはない。

 扉を開けて室内に足を踏み入れるが、中に妻の姿がないことにすぐに気付く。

 いつもは中央にある長椅子に腰かけていることが多いのだが、そこに姿がない。

 室内を見回し、もう時間が遅いためさすがに待たずに寝室に行っているのかとも思ったが、テラスへと続く窓が開いていることに気付いた。

 もしやと思い足を進めると、案の定テラスに華奢な背中があるのが見えた。

 長い金の髪と白い寝衣が風でゆらゆらと揺れている。

 妻はテラスの手すりに片腕を預け、下に広がる庭を眺めているようだった。

 フレイヴィアスもまたテラスへと出て隣に並ぶと、ようやく妻は気付いたようだった。

 ゆっくりと妻が振り返る。

「お帰りなさいませ、フレイヴィアスさま」

 囁くような静かな声に頷きを返しながら、いつもの習慣で顔色に変わりないことを確かめた。

 それから妻の顔を見下ろしながら、問いかける。

 一日何をしていたか、と。

 婚姻した当初は『何か不自由はありませんか』と決まって尋ねていたのだが、答えがいつも『ございません』というものだったので、最近は問いかけを変えた。

 そうすると妻は決まって、まずぱちぱちと瞬きをした後、ゆっくりと唇を開く。

「今日は、冬に備えて編み物を始めました。もうすぐ寒くなりますし、フェイアンの冬は厳しいとお聞きしておりますから」

「……ああ、フェイアンの冬はイーデンで育ったあなたには厳しいかもしれませんね」

 フェイアンは夏は過ごしやすいが、冬は雪に覆われて身動きが難しくなる。

 妻は極端に体が弱いわけではないようだが、やはりあの暗い部屋で何年も過ごしていたため体力がほとんどない。

 気を付けなければあっという間に寝込むことになるだろう。

 気を配るよう侍女たちに指示しておかなければ、と思っていると妻が、ですが、と口を開いた。

 見下ろす妻は、眼差しをフレイヴィアスから庭へと移していた。 

「雪が積もるのは、見てみたいと思います」

 妻が希望を口にするのは、非常に珍しい。

 希望など国が滅んだときに捨てた、と言わんばかりに淡々と日々を暮しているような妻だ。

 よほど楽しみなのだろうとフレイヴィアスは思った。

 確かにイーデンでは雪は積もらない。

 恐らく今まで見たことがないに違いない。

「ならば、雪が積もれば雪遊びなどされるといいでしょう」

「雪遊び?」

 妻が幼い仕草で小首を傾げる。

「ええ、子どもの頃よく雪だるまを作ったり雪合戦をして遊んだりしました」

 さすがに大人になってからはしていないが。

 妻にどういう遊びか教えながら、幼い頃を思い出す。

 広い王宮の庭で同じ貴族の子どもや世継ぎたる王太子、それから――――王女と遊んだことを。

 無邪気で何も気にすることなかったあの頃。

 もうあの頃は戻ってこない。

「雪だるまを作ることなら、私にもできそうですね……」

 フレイヴィアスの話に耳を傾けていた妻は一度考えたあと、そう呟いてフレイヴィアスを見上げた。

 ――――その白い面に微かな笑みを浮かべて。

「冬が来るのが楽しみになりました」

 僅かな笑みではあったが、思わず言葉を失い見惚れてしまうほど美しかった。

 普段ほとんど表情が変わらないからこそ、浮かんだ笑みが一層美しく思える。

 婚姻を交わしてから初めて、ではないだろうか。

 彼女がフレイヴィアスに微笑んだのは。

 それは少しずつでもフレイヴィアスに心を許してくれている証のようだった。

 憎まれて当然の妻が、歩み寄ってくれようとしていることがフレイヴィアスには確かに嬉しかった。

 自分の中に沸く喜びの感情に戸惑っていると、妻が不思議そうに見上げてくる。

「フレイヴィアスさま?」

 その声に我に返り、フレイヴィアスは取り繕うように口を開いた。

「……長時間ここへいては身体を冷やしてしまいますから。中へ入りましょう」

 素直に頷いた妻の華奢な背中をゆっくりと室内へと押しながら、フレイヴィアスは思う。

 妻を娶ったのは、最初は命じられたものだった。

 しかし一緒に暮らしていればその人を知っていく。

 その人を知れば、様々な感情が湧き上がる。

 ましてや身体を重ねる、という深い繋がりを得れば湧く情も小さくはない。

 今はまだ妻を哀れだと思う気持ちのほうが強い。

 だがゆっくりとでも大事に愛する感情が強くなっていければいいと思っている。

 自分へと歩み寄ってくれようと妻がしてくれる限り、それは遠い日ではないようにも思えた。

 だから自分には妻以外の妻妾はいらない。

「もう休みましょう」 

 妻を寝室へと誘い、抱きながら脳裏に思い浮かぶのは王女の強い瞳。


『私は諦めない』


 王が王女をわざわざ結婚させたばかりのフレイヴィアスへと嫁がせるとは到底考えられない。

 それならば次に考えられるのは、自棄になった王女が実力行使に出てくる可能性だ。

 どういう手に出てくるかは、今のところ見当もつかない。

 だがどういう手に出てくるにせよ、フレイヴィアスが取る道はただ一つ。 

 ―――――妻を守ること。

「フレイヴィアスさま……ぁ、あっ」

 華奢で強く抱くだけで壊れそうなこの妻を。

 すべての悪意から。

 傷一つ付けぬように。

「エリーザ」

 脳裏に浮かぶ王女の残像をふり払うようにフレイヴィアスは、美しい金の髪に顔を埋めたのだった。


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