新たなる出会いともやし
近くに薬草が生えてた気がする。でも、薬草は熱さましになるかなあ…? 薬草だったり、漢方薬だった理に詳しくないからわからない。
「もやし」のことだったらパーフェクトなんだけどねぇ~。
すると、薬草だと思っていたものが動き出し、地面から「ピュッ」っと飛び出した!
そしてそのまま薬草みたいなモンスターの体当たりが私を襲う‼
「わぁっ」
間一髪で避け、追撃でもう一回体当たりをしてくるのを、地面からもやしの壁「壁菜」を生やし、避けた! このモンスターは動きが早い…。
ここは私の必殺魔法「スプラウトスピアー‼」の出番だ!
「はっ!」
ピタっと、薬草モンスターの動きが止まる。この攻撃は範囲に入ってしまっていた相手を動けなくする、そして……
まばゆい光とともに、地面、空からもやしの槍で攻撃する!
薬草モンスターは串刺し。粒子のようになって消滅した。経験値ゲット‼ Lv.6にup! この調子で上げていこう‼
あまりよさそうなものはなかったため、一回帰ることにした。
魔法使いのことが気になるから急いで帰ろう‼ 体調、大丈夫だといいけど…。まあ、大丈夫だよね~。
そうして、走って帰ってきた。中に入ると魔法使いは寝ていたが、目を開けてこっちを見ていた。
ひとまず容体は安定しているみたい。さっきハウスを出る前よりもかなり楽そうだ。よかった~…。
「あなたが、助けて、くれたの?」
話しかけてくれた。まだ傷はあまり回復していないようだが、命に別状はなさそうだ‼
「命に別状はない」小説以外にドクター系のドラマも好きだったから、安心する言葉。
あの緊迫した手術のシーンを見ているときはハラハラだけど、無事に終わったときは安心。
そんな感じの何とも言えない安心感がそこにはあった。
「うん。大丈夫? まだしんどい?」
「えと、体は痛いですけど、辛いのはかなり治まりました」
よかった~。あとは傷を治せればいいけど。どうしようか…。
やっぱり私の「もやしパワー」をもっと向上させないとだめかな…?
また、特訓してもやしを自由に使えるようにしないと。
あとあと、この魔法使いとは仲良くなりたい。この世界で見つけた一人目。
バラエティー番組だったら「第一村人、発見‼」っと大盛り上がりしていたシーン。
「全然、そんな敬語じゃなくていいよ~」
「いや、でも… 助けてくれましたし…」
うーん…。こうなったら最終手段!
卑怯な「もやし人間」になってやる‼ こういうときの激熱展開と言えば…。
「じゃあ、私が助けた恩を返してもらう‼」
「え? あ、はい、何をすればいいですか?」
そんなの決まってる。漫画、小説、アニメ。
たくさんの創作物やSF物、異世界転生物などを制覇してきた私。ここでいう言葉は…!
「私の友達になって‼」
「え、? 友達に…? それで、いいの?」
「うん!」
そう、ここはこのアタックをして仲良くなる! 定番もの。
私はできるだけ「ベタ」を避けてきたけどここは…
----------こうでなくっちゃ!
「わ、わかりまし…、じゃなくて分かった‼ よろしくね」
「うん、よろしくね‼」