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ステファンは閉じ込められているのね。だから、姿を見ないのか。
私は今回の件でステファンに婚約破棄と慰謝料を求めた。
ステファンの女性関係の不始末で、婚約者に怪我を負わせたからステファンの有責での婚約破棄と慰謝料。
本当はもっと直接的な罰を与えたかったけど、法律的な罰はここまでが限界だった。
まぁ、女性関係のだらし無さが露呈したせいで、ステファンの一生のキズになるだろう。
「あぁ……。だからステファンの姿を見ないのですね」
「白々しい反応をしないでください。あなたのせいでステファンは閉じ込められているんですよ」
「??私のせい??」
「そうです!あなたが婚約破棄と慰謝料を求めたせいでステファンはーー」
私のせい??
正確に言うと、婚約者がいる男性に想いを寄せて、嫉妬に狂って婚約者を階段から突き落としたエミリー様のせいでは??
他人に責任転嫁して、責める姿は見るに堪えない。
長々と、いかにステファンが可哀想か私に言うエミリーの言葉が、右から左に流れていく。
まだまだ終わりそうにないエミリーの話を手を上げて止める。
「こんな怪我を負わされたので、婚約を破棄するのは仕方のないことです。それに、慰謝料を求めるのはステファンの有責で婚約破棄するのですから、当たり前のことです」
「ステファンのお父様は良い判断をされましたね」と怪我をしている腕を上げて、にっこりと笑うと、エミリーは怒りを抑えるようにワナワナと震えている。
いつもはステファンの後を追って、にこにこと可愛らしく笑ったり、私にチクチクと嫌味を言ってくる姿を見ていたから、怒りで震える姿は新鮮だ。
怒りで顔を真っ赤にしている姿を見て、私は少し意地悪をしたくなった。
「そう言えば。エミリー様のお家にも今回の件で、慰謝料と傷害の罪で訴える旨の手紙を出したのですが、届きましたか?」
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