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「ステファンを説得してください」

　ジルベルト様が私の両親に、学園でステファンの幼馴染エミリーに階段から突き落とされたことを話すと、父は激怒して母は泣きながら私を抱きしめた。

　私の身体を心配した両親は医者を呼び、大事をとってしばらく学園を休むことになった。

　そして、数日ぶりに学園に来るとなぜかエミリーに絡まれていた。

「無視しないください」

　階段から突き落としておいて、第一声が謝罪ではなくステファンについてなんて。エミリー様は罪悪感というものを感じていないらしい。

　呆れて何も言えないでいると、無視されたと思ったのかエミリーは怒った顔で不満を口にした。

「聞いていますよ。ただ、理解するのに時間がかかっているだけです。……何を説得しろと？」　　　　

「私と会うように説得してください」

「どうして私が？」

　「あなた達二人の問題でしょう？」と言えば。

「あなたが婚約破棄と慰謝料をステファンに求めたせいで、ステファンはおじ様に部屋に閉じ込められて、私と会ってもくれないんです！！」