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23/43

23 side ??

 物が倒され荒れた部屋で、灯りもつけずに誰かがベッドの上に座っている。


 膝を抱えるように座っている人物は、爪を咬みながらブツブツと呟いている。



「どうにか……どうにかしないと………」



 このままでは……奪われたままでは終われない……。

 あの人と離れ離れになるなんて考えられない。



 何かしないと変わらないと分かっているのに、何が出来る?



 見飽きたこの部屋から出ることも出来ず、何も出来ないのがもどかしい。



キィッ



「ヒッ!!」



 ドアを開けて入ってきたメイドは、ベッドを見て部屋の主人が目覚めていることに驚いて、小さな悲鳴を上げた。



 部屋の主人が廃人のように、荒れたのは久しい。



 ブツブツと何かを呟く部屋の主人は、ギロっと視線をメイドに向けた。



「申し訳ございません!」



 ノックもせずに入ったメイドは、何を言われるのかと身体を震わせながら謝った。



 そうだわ……。自分でやるんじゃなくて、誰かに頼めばいい。



 部屋の主人はメイドの顔を見ると、不気味に口角を上げて笑った。



「あなた……何歳になるの?」


「…‥今年で23歳になります」


「へぇ……。童顔なのね」



 「若く見えるというのは良いことよ」と言って笑う主人に、メイドはホッと胸をなでおろす。



「恋人はいるの?結婚は??」



 そんなメイドの心中も知らずに、主人はさっきまでの表情が嘘かのように、優しく問いかける。


 主人がどういう理由で部屋に閉じ込められているのか知っているメイドは、答え辛そうにしながら「結婚が……」と小さく呟いた。



「そう……。あなたも私の側からいなくなるのね……」



 悲しそうに言ったかと思うと、狂ったように笑いだした主人に、メイドは恐怖で身体を震わせた。



 ひとしきり笑った後、メイドの手を握って言った。



「あなたに頼みたいことがあるの。あなたにしか出来ないことよ」



 戸惑った顔をするメイドを無視して言葉を続ける。



「大丈夫。簡単なことだから」



 そう言ってメイドに宝石を握らせると、ある頼みを口にした。

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