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「少し大袈裟過ではなくって?」


「階段から落ちただけで訴えるだなんて」


「学園に通うことも出来ないなんて、御可哀想なエミリー様……」


 

 エラの研究室に行こうとしたところ、エミリー様の友人らしい三人の令嬢に絡まれていた。



 三人は私の目の前に立ち塞がって、私が歩くのを邪魔している。



「そこを退いてくれますか」


「ギャレット様という婚約者がいたのに、ミラー様とカルニセル様とも親しいなんて」


「分別というものがないのかしら」


「本当ですわ」



 私の言葉を無視して、三人は私を見てクスクスと笑って話している。



「殿方を一人で独占するなんて、自分が好かれていると勘違いなさっているのかしら?」



 扇子で口元を隠して、私の全身を見て目を細めて、馬鹿にしたかのように笑っている。



 私はハァとため息を吐いた。



 こんな風に絡まれるのは久しぶりね。



 制服を着ているにも関わらず、豪華な装飾品。自分を着飾るのに必死な女狐。


 学園には学びに来たのではなく、結婚相手を見つけに来たような令嬢達。



 エミリー様と同じようなことを言うなんて、類は友を呼ぶとはこのことね。



 私は他人に何を言われても気にしない。親しくもない人に、私を理解して欲しいなんて思わないから。



 今までは何を言われようと、相手をするのも馬鹿らしくて無視していた。だけど、エミリー様の件があって、放置するのは良くないと学んだ。



 だから、私を馬鹿にしたような目で見てくる令嬢達に言い返すことにした。



「あなた達の言いたいことは分かりました」



 私の言葉に彼女達は満足そうな顔をする。 



「ローズ・ブルレック」



 私がいきなり名前を呼ぶと、彼女達はある令嬢に視線を送った。



 彼女がローズ・ブルレックね。


 いきなり名前を呼ばれたことに困惑している彼女と目を合わせる。



「あなたはエミリー様の減刑嘆願書に署名されましたね?」


「それが……何か?私は友人として、エミリー様を助けるためにしたまでです」


「素晴らしい友情ですね。美し過ぎて涙が出そうです」



 そう言ってアハハと馬鹿にしたように笑うと、「なんなんですの?」と不愉快そうな顔をした。



「冗談はさておき……。あなたは私に言いましたよね?「訴えを取り下げろ」と」


「言い…ましたわ……」



 彼女の言葉に笑みを深める。


 あなた達の美しい友情が、どこまで続くのか楽しみだわ。


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