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Two Rings !  作者: みみつきうさぎ
3/3

第3話「線路は続くよどこまでも」(1)

■登場人物


大空とんぼ (おおぞら とんぼ)

 高校を中退して家に引きこもっているところを隣家の八方さんに旧式のバイクヤマハ『RZ250』を預けられる


八方さん (はっぽうさん)

 とんぼの隣家の住人 とんぼにある届け物の依頼をする


八方 せせり (やかたせせり)

 十七歳の高校生、北海道の港町にあるとほ宿『やかた』の看板娘 次女 愛車はカワサキ『ニンジャ400』


八方 あげは (やかたあげは)

 長女 『やかた』の棟つながりにあるスナック『胡蝶』のママ 愛車はスズキ『刀ファイナルエディション』


八方 しじみ (やかたしじみ)

 あげはの長女 明るい小学二年生 愛車は自転車ブリヂストン『ハッチ』補助輪やっと取れたところ


八方 栗子 (やかたくりこ)

 『やかた』のふてぶてしいマスコット白猫


鈴木 マルコ (すずきまるこ) 

 旅人ネーム『マルコ』を自称するオフローダー 愛車はスズキ『ジェベル』


デイビー・キング (自称)

 『ハーレー』をこよなく愛し、『ハーレー』乗りにふさわしいライダーをとことん追究する中年男性 愛車は『FLHRC ロードキング クラシック』


美留 愛子 (みとめあいこ)

 女子大生ライダー 愛車はスズキ『隼』


大西 えま (おおにしえま)

 女子大生ライダー 愛車はヤマハ『YZFR1』


北風のシンヤ          

 ただ風と共に走ることを生きがいとするロマンあふれる伝説の中年ライダー 愛車はカワサキ『Z1000』


来鹿 弘明 (らいかひろあき)

 鉄道おたく 主に乗り鉄の青年 愛車は『国鉄キハ54形気動車』


よねやま のん

 自分の最後の場所を探し求める動画配信者 愛車はホンダ『PCX160』


四平 さんぺい (よつひらさんぺい)

 伝説の怪魚を追い求める青年釣り師 愛車はホンダ『ハンターカブ125』


月野 なるみ (つきの なるみ) 

 コスプレーヤーで男の娘 愛車はロイヤルエンフィールド『クラシック350』


「ただいまぁ」


 ここの常連客は宿の玄関に入るなり、たいていこのように言う。


 働き始めた頃、僕はせせりさんの家族がまだいるのかと思い、彼女たちとどのような関係なのか聞いてみたことがある。

 遠くに離れた地でも自分の家のようにリラックスしたいというのが、彼らの本意らしい。

 昔から行商人を相手にしてきた宿はこういうところが多いとも教えてくれた。


「ただいまぁ」


「あ、いらっしゃい……じゃなくてお帰りなさい」


 人と目を合わすことが特に嫌いな僕は、今もスリッパを出すふりをしながら、相手の顔をできるだけ避けるようにしている。


「予約してないけれど、今日、キャンプスペースだけ使えるかな?食事はいいんで」


「えーと、今晩の部屋はいっぱいですが、キャンプスペースなら、あの、えーと、余裕があると思います」


 僕はぎこちなく機械的に説明をした。


「おお、それは幸運」


 今日は自分が使っている部屋も相部屋になると聞いていたので、早々にテントで寝ることを僕は決めている。


「おやっ!アメデオくん、どうして君がここに?」


 この声には聞き覚えがある。

 僕はそっと顔を上げた。


 髪の毛がぺったりと地肌についているその頭には見覚えがあった。


「マルコさん……」


「いやぁ、これは、これは、どうしてここで働いているんだい」


 彼はそう言いながら、大きな荷物を玄関の床の上に置き、一番上に使い古されたオフロードヘルメットをのせた。


「別にたいした理由は……、北の方の山道を走りに行くって言っていたんじゃ」


「ち、ち、ち、」


 人差し指を僕の目の前に出して、大げさに左右に振った。


「山道じゃない、林道だ、安易に間違えてもらっては困るな、山道と林道はまったくの別物だよ、突然、行き止まったり、深い山の奥に人の手によって車を通すため突然開けたりする林道はまさに僕の行き詰りそうな人生そのものだよ、それをいつまでも追い求める自分はというと淋しくない方の林病患者だね」


 僕には、ここまでこだわる理由がまるで分からない。


「ところでさ、この人気宿のヘルパーになる勇者なんて初めて出会ったよ、ま、せいぜい多くのゲストに恨まれるくらいだから気にすることもないけどね」


 ちょっと待った。


 なぜ、誰から恨まれることがあるのだろう、だって、人手が少ないという話じゃないか、せせりさん?いや、あの子に恨みを買われるようなことはしていないつもりだ、あげはさんにしたって、あの日以来、はっぽうさんを会いに行ったまま本州から戻ってきていない。


「何で恨まれるんですか?」


「聞きたいの?」


 マルコさんは、にやりと笑いながら僕を横目で見た。


「え、ええ、そんな恨まれる理由がないし」


「ふふ……人生で出会う苦難を払拭するものは、希望というパッションと己の力のみ、僕が好きな言葉の一つさ」


 答えになっていないし、そんな言葉は聞いたことがない。


「僕が考えた言葉だけど、なかなか良いと思わないか?他にも君に役立ちそうな言葉がいっぱいあるから、いつか君に教えてあげたいな、じゃ、今、張られているテントの横に立てさせてもらうよ、お互いつもる話はいっぱいありそうだね、今夜は月もきれいだし、長くいい夜になりそうだ」


 マルコさんは相手にかまわず一方的に言って、荷物からペグやシート、ハンマーを手に玄関を出て行った。


 答えを見事にはぐらかされた。



 午後四時を過ぎても北の太陽はまだ高い位置にある。


 けれど、その時間になると多くの旅人と自称する旅行者が宿に続々と到着しはじめる。


 僕は、彼らを部屋に案内したあと、リスのようにちょこちょこと忙しそうに働くせせりさんを手伝うため厨房に入る。


「大皿、二枚用意して」


「えっと、ホタテのウロを取って、ミミは別にしておいてね」


「そこの大根の皮をむいて、いちょう切りに切ってなべに入れておいて」


 母が亡くなった頃から炊事には慣れていたつもりだったが、この宿ではろくな力になっていないことだけは確証できた。


「でも、とんぼくんがいて助かった、今年は特にお客さんが多いから」


 彼女の見せる笑顔はそう考えている僕の心にウニのとげのように刺さる。


 「これを今年も楽しみにしていたんだよなぁ、あげはちゃんのラーメンサラダ、いいやぁ、今年はせせりちゃん、このお手製の胡麻だれが最高だな」


 食事の乗った皿を彼の前に置くと常連さんと呼ばれる連中は大喜びだ。


「そう言えば君、誰?」


「ちょっと前からこの宿で手伝いをしています」


 僕がそう答えるとたいていの男性客は不機嫌になる。


 初めのうちは、僕も不機嫌になったが、せせりさんが申し訳なさそうに謝るので、最近は適当に作り笑いをして、厨房に下がる。


「あっ、焼酎がもう切れそうだ、今日、買っておけば良かった、しじみ、酒屋さんにお使い行ってくれる?」


 お客さんに出す飲み物を確認していたせせりさんが困っていた。


「うん、いいよ、テレビの『魔女っ子ののちゃん』が終わってからでも良い?」


「それだと間に合わないかな」


「えー」


「せせりさん、僕が行くよ、もう暗くなるし、しじみちゃんは今日、掃除いっぱい手伝ってくれたから」


 絡んでくる客の相手をしているより、僕はその方が好きだ。


「とんぼが行くんだったら、私も行く」


「しじみちゃんはテレビ見ていていいよ」


「えー」


 その時、せせりさんのスマホが鳴った。電話の相手は、姉のあげはさんからだった。


 僕が持って来た手紙を初めて見た次の日には、あげはさんは八方さんとすぐに会うことができた。けれど、八方さんの身体の調子があまりよくなくすぐに入院したと聞いている。


「そう、心配ないのね、うん、良かった、安心した」


 会話しながら、せせりさんは目からあふれる涙を右手の人差し指で拭いていた。


「とんぼくん、本当に知らせてくれてありがとう、お父さんの病気、手術しなくても大丈夫みたい、早く分かったからだって」


僕はただ、八方さんから手紙を預かってただせせりさんに渡しただけで何もしていない。電話を切った彼女はその柔らかく温かい手で僕の手を強く握った。


「う……うん、良かったね」


 八方さんが僕に何で、その手紙を渡したのか、今でも考えてしまうことがある。


 直接、身体の調子が悪いからと手紙を出して、自分が捨てた(と思われる)せせりさんたちが何の返事もしなかったら……。

 僕のためと言うより、自分の娘とのつながりを戻したい思惑に利用したんじゃないか?どのような理由にしてもあの適当でマイペースの八方さんでさえ、悩み続け……その不安の続く日常に耐えられなかったのかもしれない。


 やっぱり人間って分からない……。


「えぇと、焼酎を買いに行かなきゃ」


「あ、ごめんなさい」


 顔を赤くしながら、せせりさんは厨房に戻っていった。


「とんぼくん、もしかして、せせりちゃんのこと好きなの?」


 せせりさんに握られた手を僕がもう一度見直した時、横にいたしじみちゃんがぼそりとつぶやいた。


「でもね、せせりちゃんには昔から好きな人がいるんだよ」


「ははは……それはそうでしょ」


 僕の作り笑いはひきつっていたと思う。僕は人に好きになってもらったり、好きになったり、何かそういうのは面倒くさい。

 でも、まだそこまで割り切れていないのかもしれない。


 僕が頼まれていた焼酎やジュースを手に食堂に戻ると、常連客たちはわいわいと賑やかに騒いでいた。


 いつもであれば、あげはさんが上手くさばき、酔った客を体よく隣にある自分の店『胡蝶』に連れて行くのだが、今は留守なのでずるずると時間が延びている。


「おーい、せせりちゃん、こっち来て一緒に話そうよ」


 せせりさんは、客の誘いを上手くかわしながら食器を片付け、僕がその食器を洗う。しじみちゃんが最後にその食器を拭いて棚に片付けてくれるのだが、今夜はもう時間が遅いので夢の中。


 ため息をつきながら、僕は一枚一枚丁寧に拭いて、同じ種類に重ね、棚に戻していく。そして生ゴミを大きな紙袋に入れ、外のポリバケツに運ぶ。


 今日は、この作業が何回もくり返し続いた。


 やっと一段落付いた僕は再びため息をつき、きれいになった食堂の椅子に腰掛けた。


「とんぼくん、本当にきれいに片付けてくれるのね、はい、どうぞ」


 せせりさんはいつの間にか僕の後ろに立っていて、そっと目の前に氷入りのオレンジジュースを出した。


「あ、ありがとう」


「ううん、ありがとうは私が言う言葉だよ」


 本当は一番疲れているのは彼女のはずなのに、エプロンを外しながら優しく微笑んでいる。


「今日、テントで寝るってしじみが言っていたけど、本当なの?」


「うん、一つの部屋に他人が寝ているの、何か苦手なんだ」


「ここの常連さんが聞いたら驚くね」


「せせりさんには……」


「え、?なあに?」


(好きな人がいるって聞いたけど本当なの?)


 そんなことは言える訳がない。

 というか本当に決まっているじゃないか、馬鹿なのか僕は。


「なんでもない、他に何か足りない物はなかったかなぁと思って」


「あ、そうだ、食材の在庫調べるのを忘れてた、でも、明日でも間に合いそう、ちょうど夏休み中だからよかったよ、とんぼくん、もしいやじゃなかったら、お姉ちゃんの部屋使っても大丈夫、しじみは私の部屋で寝ているし」


 留守中の女性の部屋で寝るなんて、それを犯罪行為と言わずして何と言う。


「と、とんでもない、もうテントも立てたし……テント……?」


「あ……」


 マルコさんの存在をすっかり忘れていた。僕は会話をそこそこにテントサイトに慌てて向かった。



「やぁ、遅かったね、君と話すのを首を長くしながら待っていたよ、こう、お客さんが多かったらしょうがないよね」


 マルコさんは小さなたき火台の前の椅子に座り、年季の入ったアルミ製のコップを掲げ、僕の顔を見た。


「なんで僕がこの宿を選んだか聞きたいかい?」


 僕は特に聞きたくない。だけど、マルコさんは自分から切り出した話を止めないことは理解しているつもりだ。


「君の昼の疑問の回答もそこに含まれているはずさ」


(何で恨まれるかということの?)


「仙人、言い響きだろ?人数のことじゃない、仙台の仙と書いて、人、この宿は、伝説のライダー『やかた仙人』が開いた聖地さ」


(『やかた仙人』の整地?)


「バイク雑誌では、八方か、馬曽利か風田っていうくらい話題になったライダーさ、十代でアメリカ大陸横断、二十代でアジア、アフリカ大陸横断、今でさえインフラが整っていないところや政治が不安定なところ、そう、どんなところでも彼は少しも臆さず、たった一台のバイクで冒険をやり遂げたんだ、偉人とは彼のような人をいうのさ、彼の記事はすべてのライダーに『旅』の面白さと『冒険』の素晴らしさを布教してくれた、その偉業を讃え、少しでもご利益にあやかろうとする多くの人々がここを訪れるんだ、平均年齢はだいぶ上がってきたけれどね」


 八方さんは僕にそんな話をしたことは一度も無かった。


「でも、そんな偉人でもバイクによるエベレスト登頂は断念したらしい、八方もついに挫折か、今みたいにSNSもない頃だ、記事もそれから急に載らなくなり、僕らは誰もが命を自ら絶ったに違いないと噂した、ここのかわいい娘さんや孫をおいて行方不明、今ではその姿を見る者は誰もいなくなった」


「ユー、エベレストミッションについてそれはギブアップしたんじゃない、ラブリーなドーターが誕生したためだ、そのハッピーなタイムがなかったら、ミスターやかたは、そのミッションはコンプリートできただろう」


 この野太い声にも聞き覚えがある。


「ラブリーなドーター、オーソーリー、マドンナがリブしているサンクチュアリにいるのが、ビリーバーの知らないボーンオブホースだったら、当然、ユーはキルターゲットだ」


 ボーンオブホース?馬の骨?この英語のような変な日本語を話すバーボンとグラスを手にした大きな男は……。


「ミーもビリーバーだが、ミーはユーのようなデスを覚悟したガイをラブしている」


この例えようのない圧迫感は……間違いない……彼だ……ロードキング……。それに何だ、信者に殺されるような恨みなんて筋違いだろ?

で、待てよ?


仙人--壁--あげは・せせり・しじみ>常連-----越えられない壁>馬の骨


そ、そうか……せせりちゃんやあげはさんの信者ってことか。しじみちゃんも含めた貴婦人の館に常連の知らない馬の骨が突然同居している!


(殺される……)


「マイネームイズ『デイビー』、また、ユーとミーツできてハッピーだ」


「何だい、その顔は?デイビーさんがいたのを君は知らなかったのかい」


「い、いえ、僕は」


「ミーがインした時、ユーはショッピングに行っていたからな、ノープレブレム、ここのファイヤーにあたれ、メイドインテキサスのビーフジャーキーをバーボンのフレンドにドリンクしよう」


(ジャーキーじゃなくてフェリーターミナルで買ったするめじゃないか……)


「ほら、ご覧よ、天の川も僕たちの再会を喜んでいる」


 マルコさんの指した方向は僕から見たらたき火の煙で隠れている。まして、ここには彦星しかいない。


 フェリーの中なら、すぐにこの次元の異なる空間から逃げられたかもしれないが、僕のテントは、この場所のすぐ横に張ってある。

 そ、それも二人のテントからのびるロープに僕のテントはがんじがらめになっている。


(僕のテントが蜘蛛の糸に巻かれたような昆虫状態……囲まれている……信長の包囲網よりも強靭な網だ)


「あ、あの……厨房に忘れ物をしたようなんで……」


「ノープレブレム!」


「僕も過ぎ去った時間の中に、いっぱい『思い出』という名の忘れ物をしてきたから大丈夫さ」


 そういう問題じゃない。


「アイ ウォンナ ラーヴュー オールナイトォロォング!」


 ロードキングの歌声は、彼の愛車のマフラーから出るベチベチという太い排気音にとても似ていた。



 朝が来た。


 いつもより明らかに全身が重い……。


 このけだるさは、学校に行けなかった頃を思い出す。


「どうしたの、その顔?すごいクマ、どこか具合悪いんじゃないの」


 僕の顔を見たせせりさんは目を丸くして驚いた。


 当然だろう、僕自身が鏡の中の自分の顔を見て自分ではないと思ったくらいだ。


「大丈夫です……今、朝食の準備をします……」


「とんぼ、おはよー!あっ……パンダがいる……」


 しじみちゃんは、僕の顔を見てそう言ったまま固まっていた。

 常連客たちは、出発が早い。ほとんどは八時前には次の目的地へと向かっていく。昨日の晩、あんなにからんできた連中も酔いがさめたら、普通のどこにでもいそうなおじさんの顔に戻っている。

 ロードキングもマルコさんもいない。


(酒気帯び運転じゃないのか)


 バーボンの瓶ではなく未開封や飲みかけの麦茶のペットボトルがロードキングとマルコさんのテントの横にきれいに並んでいる。


(飲まないであのテンションをずっと維持していたのか、やっぱり化け物だ)


「また来年も来るよ、あげはちゃんによろしく!」


「ここは俺の第二の実家だよ、帰りにまた寄るよ」


「今日はどちらまで?」


「宗谷岬からエサヌカ抜けて紋別泊まりかな、じゃあ」


 見送るせせりさんに片手を上げ、ライダーが一人、また一人と排気音を残し駐車場から出て行く。僕はいい年をした大人たちが二十歳前の青年のように一瞬見えた。


「とんぼくんも走りに行きたくなったんじゃないの?今日はお客さんが遅く到着する人ばかりだから、たまにはゆっくり走ってきていいよ」


「え?ゆっくり走る?」


「そうRZで、せっかく、この街まで来たんだから、いろいろもっと知ってもらいたいなと思って」


「ど、どうも……」


 僕は断るのが何か悪いような気がして簡単に片づけを済ませると、裏庭の車庫に回った。そして、ここに着いてから久しぶりにバイクに掛けてあったカバーを外した。


(よぉ、ちょっと退屈していたんじゃねぇか)


 はっぽうさんの声がまたどこかで聞こえてきたような気がする。

 朝日にシートやマフラーを黒く輝かせたバイクはまるで生きているように見えた。




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