鳥瞰視点の身に着け方
車を運転している時、あなたはどこを見てらっしゃいますか?
私は空の上から全体を見ています。
私は毎日車を運転していますが、見ていると目の前しか見えていないとしか思えないような運転をされているドライバーさんをよく見かけます。
前の車が減速してるのに、その後ろに突っ込んで行って、寸前でびっくりしたようなブレーキを踏み、弾かれたように前の車よりもやたらと遅くなる人……
前の車列が加速してる時に減速し、減速してる時に加速する、挙動が全体と逆の人……
左から合流して来た車にびっくりしたように急ハンドルを切る人……
安全も円滑も乱してる。
思うに鳥瞰視点が身に着いてないんじゃないんだろうか。
鳥瞰視点といっても、本当に空の上から見渡しているわけではありません。
そんなことが出来たら超能力者です。
空の上から見渡すイメージで、広く周囲を見るんです。
これが出来れば色々と便利です。
ブラインドカーブで故障車が停まっていても、見えます。
実際、私は過去に3回ほど、これで危険回避をしたことがあります。
先行車の挙動、赤い光、ガードレールに映る影、わずかな風景の動きなど、ささいな情報を見逃さないことで見えないところのものも見えるようになります。
渋滞の始まりがわかります。
慌てて気づいてからハザードで後続に知らせる(もう遅い)ような車をよく見ますが、私なら余裕でまずハザードを出しながら緩やかに減速できます。ブレーキは単にインフォメーションのために踏み、エンジンブレーキのみで減速します。
距離だけではなく、速度が目に見えるようになります。
速度は比較対象があって初めて見えるものですから、その車ばかり注視していたのでは決して見えません。その車と、周囲のものとを比較して観察することで、初めて見えて来るんです。
つまり広くを見ることで初めて見えるものなんです。
動物が飛び出して来ても大丈夫。
私は昔、犬と猫を一匹ずつ、轢いたことがあります。悲しくて、悔しくて、車の運転をやめようかと思いました。
しかし田舎なのでどうしても必要で、乗るからには轢かないようにどうにか出来ないかとあれこれ考えて、
鳥瞰視点を身に着けてからは、飛び出して来ようとしているワンニャンポン太が見えるようになり、それからは一匹も轢いていません。
犬が一匹、猫が3匹、たぬきが数えられないほど飛び出して来ましたし、車道のど真ん中で遊んでるウリ坊の群れとの遭遇が一度ありましたが、すべて轢かずに反応できました。
子鹿が崖の斜面を駆け下りて来た時は轢きそうになってびびったのと、上からやって来る鳥さんだけはどうにもなりませんが……。゜(゜´Д`゜)゜。
左車線を余裕で走れるようになる。
左車線は合流車があるからとか路駐車があるからとか嫌う方が多いように思いますが、
鳥瞰視点さえ身に着ければ余裕で走れます。
むしろ走っている車が少ないぶん、1番楽な車線になります。
右車線をギッチギチにして車線変更不可能にしてくれてる迷惑な行列さえいなければ、ですが。
さて、こんなに便利な鳥瞰視点ですが、身に着けるのは簡単なんです。少なくとも私はいつの間にか、自然に身に着いていました。
『とにかくリラックスする』
『リラックスしながら、同時に運転に集中しているような状態を作り出す』
『一点を見ずに周辺視する』
『とにかく予測する癖をつける』
要点はこれだけです。
具体的には、私はとにかく『基本的に左車線しか走らない』ことを心がけました。
その上で路駐や障害物があっても最低微減速程度でかわす、合流車はかわさずに見て、加速していないようであれば初めてかわす。
あと、狭いところを積極的に通る。
タイヤ幅がギリギリぐらいで左から木の枝がにょっきり飛び出してるような道をいつも選んで通っていたら、同時に3箇所ぐらいを見る癖がつきました。しかも鼻歌を歌えるぐらい、リラックスして。
とにかく安全かつスムーズに、事故を起こさずに運転するためには、鳥瞰視点が出来ることは絶対不可欠だと私は思っています。
もちろん既に出来てるよという方も多くいらっしゃると思いますが、なるべく多くの方に意識して頂きたいなと思い、こんなものを書かせて頂きました。