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不運な召喚の顛末  作者:
第一章
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ミラとセシル2

夕食の準備まで手伝って貰った。

「リオさん、ミラは今起きているので食事を持っていって大丈夫です。片付け代わります」

ミラの様子を見に行ったセシルが戻ってきた。

「分かりました。ありがとうございます」

ミラに夕食を持って行くとドアが開いている。こういう所凄いなと思う。私なら普通に閉めてるわぁと笑った。

「ミラ、夕食です。具合はどうですか?」

「まだ少し怠いですが、眠気は大分無くなりました」

「今日はセシルさんを貸してくれてありがとうございます。助かりました」

「そうですか、よかった。セシルも楽しかったようでした。さっきまで買い物の様子を話していましたし」

テーブルも準備されていて、トレイを乗せる。

ドアを閉めて、ベッドの横に置かれた椅子に座った。

「あはは、凄く時間がかかってしまいました。」

「チカ様からの依頼なのですよね。どういった物かお聞きしても?」

「チカの神様については以前説明しましたよね。チカとその神様がこの世界へ来ることになったのですが、神様がこの世界で存在を維持する為に余分に力を使うらしく。それを防ぐために神様の入れ物が必要で、ぬいぐるみを希望されました。」

「入れ物ですか」

「私もきっちり理解している訳ではないんですけどね。明日からぬいぐるみ作りを始めます。あ、術式を仕込んだ時みたいには籠ったりはしませんから」

「本当ですか?依頼も途中なので籠ったら連れ出しますよ」

「はい」

ミラは食事を終えるとお風呂に入りたいと呟きベッドから降りた。

歩くのはまだフラフラして危ないなと笑っていた。壁や家具につかまりながら歩き、一階へ降りる。

その様子をハラハラしながら見守っていた。

「ミラ、大丈夫ですか?」

セシルもこちらに気づき、心配そうな声で近づいてきた。それをミラは手で制し、一瞥するとお風呂場に消えていった。

「セシルさん、夕食ご一緒しませんか?」

「ありがとうございます、ですがグラッド様にそろそろ怒られますので」

「分かりました、お土産包みます」

「あ、リオ様。大丈夫です、既に用意しましたので。食器は明日お返します。」

「は、早い。セシルさん、今日は本当にありがとうございました。グラッドにも宜しくお伝え下さい」

お礼を言うと、はにかんだ笑みを浮かべセシルはお土産を持ち帰っていった。

ミラが出て来るのを気にしながら、食事を済ませる。

「リオ様、水を貰えませんか?」

大分時間をかけてお風呂から上がったミラが居間に顔を出す。水をいれ、コップを渡す。ゆっくり水を飲む、ミラの頬が赤くてなんだか可愛い。

つい笑っていたのか、どうしました?と尋ねられる。

「なんでもないです。」

ミラは微笑むとゆっくり階段を上がり、部屋へ戻る。私の内心のハラハラを見透かす様な笑みに敵わないなぁと思う。

リオはいずれ帰るから色々見過ごされていただけなのだろうと最近思うようになった。

それから私もお風呂に入る。ゆっくりとくつろぎながら明日の予定を決めていく。


翌日も朝からセシルがやってきた。

「リオ様、昨日はお料理ありがとうございました」

「いえ、あの、どうでしたか?」

「美味しかったです。グラッド様が特に喜んでました。私に分けるのを渋るんですよ、酷いです。」

「喜んでもらえて嬉しいです。あ、食器いただきますね。あ、そうだ。セシルさん聞いてもいいですか?」

診察内容を尋ねてみたら、よく分からなかった。

脈拍、体温、筋肉の凝りを解す、この辺りは分かった。

魔力の流れの確認と正常化、バランス感覚の調整等と説明されたが、理解は出来なかった。

「リオ様は解毒の方法は知っていますか?」

「確か、ミラが水属性特化魔法でって言ってました。でも、詳しくは分かりません」

「一般的に解毒には2種類方法があります。解毒薬を飲むか、水属性特化魔法で治療するか、です。解毒薬は効き目がゆっくりで、毒によっては解毒が間に合わなくて死にますが一週間程安静にしていれば体への負担はありません。水属性特化魔法での治療は属性を帯びた魔力を傷口から流したり、経口摂取して浄化します。即効性があり、完全無毒化が可能ですが、体への負担が大きく、第三者の支援がなければ後遺症が残ることもあります。」

「後遺症ですか、ミラはそんなこと言って」

「言わないでしょう。それに私がついていますので後遺症なんて残しませんよ。」

具体的に後遺症になるのは魔力の流れに不調をきたすことで、それが回り回って三半規管に影響を及ぼすのだと追加で説明される。リハビリに近いのだろうか。

「昨日だけでも大分状態は良くなりましたから、夕方までかからないと思います。それに私に信用がなかったらミラが大人しく治療させませんよ」

安心して下さいとほんわかとした笑顔で拳を握る。

朝食後、家事を済ませ居間のテーブルで型紙を作る。

メモした寸法をみながら型紙を描き、布の裁断まで一気に終わらせる。

絵心のない私だが、何故か模写は出来る。不思議だ。何も見ないで描いたら猫は恐竜だし、犬は馬なのに。

お昼を過ぎた頃、セシルが2階から降りてきた。

「休憩ですか?」

「いえ、もう終わりました。明日からは普通に動けますよ。あの、リオ様、」

セシルがなんだかそわそわしている。

「?なんでしょう」

「台所をお借りしてもよろしいでしょうか?」

「はい、どうぞ。でも、どうしたんですか?」

「ミラから私の料理が食べたいと言われたので」

照れに照れまくっているセシルに若干引きつつ、ぬいぐるみ作りに戻る。鼻歌が聞こえてきた。浮かれている。

「ちょっと買い物してきます」と聞こえた気がした。

反射で「はい、わかりました」と返したけど、すぐに忘れていた。

チクチクと手元に集中する。全体を確認してバランスを整える。腕と脚は動かす事も取り外しも可能の作りだ。予備のパーツも作成する。

綿を詰め、ぬいぐるみ自体は出来た。後は、洋服だ。

「ふぅ、」

伸びをして、一旦針を置く。

「お疲れ様です、リオ様」

斜め向かいの席にミラが座っている。頬杖をついて私を見ていた。


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