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不運な召喚の顛末  作者:
第四章
337/605

婚約者編 夏75

予想した変なことは起こらず無事婚姻式は終了した。

二日後休んでいたミランダが出勤すると、早速ノヴァとニーナに絡まれていた。

「リオ様、何を吹き込んだのですか」

「とても美人でカッコよかったと感想を伝えただけです」

「全く」

夏もそろそろ終わる。

収穫祭まで約一か月と迫り準備状況の確認に忙しくなる頃だ。

「以前手配していた商品が届きました」

「新作菓子の状況はどうかしら」

「リオ様が登録した冷却の魔道具のお陰でゼリーの固まる時間が短縮でき試作も繰り返せているようです」

「結局ゼリーで落ち着いたのですか?」

色々揉めていたと聞いたが。

「はい。冷たい紅茶に冷たいゼリーにすると報告がありました。新しい魔道具を使ったレシピを公開する予定です。領主邸でのゼリーは蔦粉を使用しますが、代用品としてジャモ粉やゼラチンを紹介予定です」

私が作らせた魔道具をレシピと併せて発表する予定らしい。

今のところ私と食堂とフレッドのところに一つずつ。

「わかりました。ありがとうございます」

ノヴァからはヒジリの為の接待準備の報告があった。

自由人の為のスケジュールが組まれていた。

神殿見学の申請の他に各ギルド見学も一応申請しておいた。

「ジュディとイザベラの両名が当日ヒジリ様の接待役を担当します。宿泊施設の予約も済んでいます。二人には当日ヒジリ様と行動を共にして臨機応変に対応するように教育しております」

「ありがとうございます。そのまま続けてください」

特に問題ないようだ。

「ミランダ、ロラン様の情報は集まりましたか?」

「はい。」

ジュリエットの婚約者、ロラン・カルセドニーについて調べてもらっていた。ジュリエットの相談内容はわからないが基本的な情報を入れて置いたほうがいいと思い情報収集を依頼していた。

「ロラン様はジュリエット様を溺愛しているようです。」

「???」

「以前は一日中仕事をしていると言われているロラン様でしたが、今は仕事を早めに切り上げて帰るようになったとか。婚約後から人が変わったようだと噂されています」

「それは、良いことなのですよね?」

「はい」

「ジュリエットさんの相談ってなんでしょうか」

「それではないかと」

「溺愛されてるけどどうしたらいいかですか?」

可愛い相談だな。

「はい。実際婚約後ジュリエット様はあまり外出を許されていないようです。」

?!?!

「束縛が激しいってことですか」

「その可能性があります」

マジかぁ、ロラン様そんな方だった?そんな風には見えなかったし。いや外見では内面までは判断出来ないか。

でもなんか引っかかるんだよなぁ。クリスには会いに行ってるはずだし。サイス領の収穫祭にだって行けるし。

次代のカルセドニー子爵を支える方だ。

「……そう思わせたいとか?」

「それも否めないです。入手できた情報はロラン様がジュリエット様を溺愛しているといった類のみでしたから」

ミランダも難しい顔をする。

溺愛しているという情報しか手に入らない。

印象、情報操作がされている?

もし溺愛がカモフラージュだとしたら、何故そうする必要があるのだろうか。

「…召喚事件関係でしょうか」

ジュリエットはリリアナの部下だった。

召喚事件の際コランダムではウォード伯爵領所属の貴族から逮捕者がでた。事件の首謀者であるリリアナの部下だったジュリエットに悪い感情を持つ者もいるだろう。

一応防音の魔力壁を張る。

「コランダムはウォードを制する口実にしていたと思うのですが、やはり危険なのでしょうか」

グラッドに謝罪をしたのはウォードではなくコランダムだったはず。

「ウォード所属の逮捕者は、確か罰金刑だけだったと記憶しております。一般貴族で騎士志望でしたが、それが叶わなくなったと報告書を読みました。実力があったかどうかまではわかりませんが実力があればコランダム領では放っておかれないので、実力もなかったのだと思います」

それを飲み込めるかはその人次第か。

「でも子爵家の婚約者にその鬱憤を向けるかというと危険過ぎます」

と言ってから、通り魔的な理由で騒ぎを起こした人物が脳裏をよぎった。

「だからこそ手を出す危険をわかりやすく示してるのではないでしょうか」

「ロラン様が溺愛している婚約者、たしかに敢えて手を出そうとは思いませんよね」

外出を制限することでジュリエットを守っている可能性がある。

防音の魔力壁を解除する。

「取り敢えず引き続き情報収集をお願いします」

「かしこまりました」

「ミランダ、ノヴァ。セラとマオカの様子はどうですか?上手くやれてますか?」

ミランダとノヴァは顔を見合わせた。

ノヴァが

「セラは記憶力がとても良くて侍従の中でも一目置かれています。数字に弱いので、そこは要訓練だと思いますが問題はございません。」

報告する。

「マオカは侍女としても日が浅いので日々全てが勉強の状況ですがよくやれていると思います。数字に強いのと、覚え方にムラはあるものの、物の位置に関しての記憶力は抜群に良いです。」

空間把握能力もいいようで目測が実際の距離とほぼ同じだと聞くと驚く。

「地図も書けそう」

「休日はイザベラと写生に行っているみたいですよ」

ニーナが私の呟きに補足する。

「絵心があるなんて羨ましいです。」

「あれだけの刺繍が出来て絵心がないほうが驚きます」

「うぐ」

千加にも同じことを言われた覚えがある。

「模写は出来ます」

一応言ってみる。

「それだけ出来れば十分だと思いますけど」

「出来ているか確認してもよろしいでしょうか」

ノヴァとミランダの声が被った。内容は全然違うけど。

「確かに今後のお茶会や夜会での話題選びの為にも苦手の度合いは把握しておいたほうがいいと思います」

ミランダの発言にニーナも賛成する。

「う。」

「能力の把握は必要ですし」

テーブルに紙とペンが用意される。

「みんなも描いてください。私だけだと下手さがわからないじゃないですか」

全員で描くことを条件に渋々了承する。

「お題は好きな花にしましょうか」

ニーナの提案で各々花を描く。

出揃った絵を見て

「ミランダが意外に上手くて驚いています」

ノヴァが項垂れる。

「ノヴァとリオ様は、同じくらい、……個性的ですね」

ニーナの慰めが苦しい。ノヴァが両手で顔を隠す。

「これほどとは。なら隠したくなりますか。」

ミランダがまじまじと私とノヴァの絵の細部を見比べる。

うぅ、もうやめてぇ。

「模写もしましょう」

慌ててニーナが話をすすめる。

茶器を模写した結果は、ミランダがとても上手だということと

「本当に模写はできるのですね」

私の能力格差に皆が衝撃を受けることになった。



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