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不運な召喚の顛末  作者:
第三章
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休暇編16

それからミレニアと面談についても話し合う。

選ぶ目的を明確にすることや必要な人材か、向上心と能力のバランスなど目に見えない要素をどれだけ見抜くかなど書類以外から感じとる必要がある。

「チカさんに頼り過ぎないこと。いいわね?」

「はい。ありがとうございました」

今日はひとまず書類を読み込み明日の面談に備えることにした。部屋に戻ると、千加が書類を持って現れた。

「リオ様。不動産の資料です。あと保護支援に携わりたい方が三名いました。明日面談可能です。」

色々見えていたようだ。根回しが早い。いつから準備をしていたのか。

「ありがとうございます。貴族の方達の面談も明日行います。チカも同席して下さい。それと転移者の方達の面談はどこで行う予定ですか?」

「領主邸の会議室です。私が連れてきます」

「そう、わかった。ではこちらの面談が終わり次第転移者の面談をしましょう。」

ニーナがお茶を準備する。

その姿を見て言わなくてはいけないことを思い出した。

「そういえば、ニーナ。この前はごめんなさい。急に特許申請の手続きの仕事を振ってしまって」

ニーナの仕事の範囲ではなかった。

「いえ、リオ様。わたくしからノヴァに侍従の仕事内容を伺おうと、思っていたところでしたのでよい機会でした」

「え。ニーナは侍従の仕事に興味があったのですか?」

「上手く連携を図るには必要かと思いまして」

「ニーナ。ありがとうございます。そっか侍女だけじゃなくて侍従も考えないといけないのか……」

やることがいっぱいで焦る。

「リオ様。焦っても仕方ないっすよ。今はノヴァが侍従長の下で教育を受けているんですから、ある程度育ってからでも問題ないっすよ。休暇は短いんです。」

千加はそういうとお茶を飲む。

私の部屋では温度微調整のお茶がでる。侍女にお任せしている。

二人でどんな質問をしたらいいか書き出していく。

面談面接なるものの記憶が殆どない。高校入学試験の時くらいだ。

千加もそうだったらしく、早速行き詰まる。

「でもさ、今回の面談で志望動機はないじゃん。こっちから指名してるわけだし。仕事内容に対してどう思っているかとかの方がいいよ。」

「転移者について変な偏見があれば気づきたいよね」

「あー、やっぱいるもんね。偏見。一種の特性みたいなものだけど改善可能な場合もあるから、全部排除は駄目っすよ?」

「言葉を尽くします。」

「なら、よし」

質問と意図を互いに書いて、見せ合いながら質問を考える。

ついついいつもの感じで話していた。

その様子をニーナは驚きを隠しながら見ていた。

「次は、求める答えを考えるか。」

「そうだね。チカのこの質問なら」

答えを質問の下に書き込む。しばらくそれを続けて、完成した質問をニーナにしてみる。

「リオ様。わたくし、おふたりの話を聞いていましたので参考にはならないかと」

「しまった」

千加がそりゃそうっすよねと笑いだす。

「イザベラを呼んできましょうか?」

今日は確かミランダがふった仕事をしているはずだ。ミランダは休みだし、ノヴァは侍従長のもとで侍従の仕事を習っている。

「ニーナ、お願いしてもいいかしら。」

「はい。それではしばらく失礼致します」

ニーナに頼んで呼んできてもらう。

部屋に千加と二人きりになる。

「千加。仕事はもう慣れた?」

「大分慣れました。ノヴァとニーナにはお世話になっています。イザベラは休みの日に一緒に遊ぶ仲です」

大分慣れましたどころではない。もう馴染んでいる。

「冒険者登録はしたみたいだけど、魔力の使い方や術式はどう?」

「若干苦戦してる。術式、あれ難しいっす。ミゲルにちょっと教えてもらったんすけど、なんすかあれ。理系と文系の全部乗せみたいな、数式っぽいと思いきや表現力求めてくるやつ。」

千加の言葉に共感しかない。頷く。

「うん、言ってることわかるわぁ」

魔法の想像力を言語化しないといけないし、魔力の効率性を考えたら式化も必要だし。

「慣れだってミゲルも言ってたけど、」

「数こなさないとね、」

まずは基本の魔力操作系の術式、その次は攻撃防御などの特化系、属性特化系、と勉強したほうがいいとクラリスの記憶にもある。どれもこれも数をこなして慣れることが重要だった。

だからクラリスは苦手で基礎しか勉強しなかった。

「理央は刀でしょ?どう使い易い?」

千加は私の腰に下がっている武器を指差す。

「重量はまぁまぁあるから千加は振り回されそう。私はちょっと重量あるほうがしっくりきたから刀にしたけど。って千加、今ギルドランク何?」

「え?三級にあがったばっかり。」

「う、一緒だぁ。私が先輩だったのにぃ」

悔しいと言うと千加が手を横に振る。

「いやいや。理央と私じゃ時間の余裕に差があるでしょうよ。実力が伴ってるかは別だよ?私まだ報酬の最高額でたことないし」

私は初っ端から最高額で依頼をこなしているから驚いた。

「え。そうなの?じゃあさ誰に教えてもらってるの?」

「独学。ノヴァにちょっと聞いたりしたくらい。ギルドの講座も参加したけど、それよりかは資料館行けばいいかって思ってて最近は暇さえあれば資料館に行ってる。魔力操作の方法とかも本になってて面白いし、魔力纏うのが意外と大変だって分かったし。あ、教えなくていいからね。先輩は黙っててよ!あえて読んでないんだから!」

「まだ何も言ってないよ」

資料館を最大限に活用している人間がミランダ以外にもこんなに近くにいた。

「今度は調合に挑戦するのさ」

と楽しんでいるのがわかる。

「でも武器はよくわかんないんだよなぁ。今まで変質者にはユル様けしかけてたし、虫は理央が追い払ってくれるし、自分でどうこうしたことないから。ミゲルは投擲、理央は刀、ミランダ先輩は何で闘うの?」

「ナイフで近接戦闘」

「へ、へぇ」

引き気味の千加に「グラッドは投擲で、私は鞭も使うよ」と言うと

「女王様?」

想定内の発言をした。

「違います。魔力弾での射撃が下手すぎて距離を稼げないから」

「射撃かぁ、クロスボウとかにすればいいのに。結構補正かかるよ?」

「考えたことなかった。最初は銃火器考えたんだけど魔力消費と威力の釣り合いが悪くて諦めて鞭一択にしてたから」

「まぁ理央は運動神経あるからそれでいいと思う。私はあんましだから遠距離でなんとかするか罠張ってなんとかするかぁ」

「ミランダに相談してみたら?」

「先輩『スパルタ』じゃん?それはちょっと私は求めてないから大丈夫」

二人きりでしか話せないことを話している間にニーナがイザベラを連れてきた。


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