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不運な召喚の顛末  作者:
第二章
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魔法省編再び17

「わぁ、大きいねぇ」

冒険者ギルドの建物を見上げクリスが驚きの声をあげる。

アランとレイカも同じように吃驚した表情だ。三人は仲良く手を繋いでいる。

「入ってみますか?」

「うん!」

ミランダが先導してギルドのドアを開けた。

人の多さにレイカは怯んだが、クリスが

「レイカ。僕が守るよ!」

かっこつけると笑顔が戻ってきた。

「あら。可愛いこと言うじゃない」

「カッコいい、だよ」

依頼ボードを眺めたり、二階の窓口で冒険者ギルドの説明を聞いたりする。終始三人は楽しそうだった。

ミランダが昨日ギルドに連絡を入れてくれた。若干悪い顔をしていたのが気にかかったが、ギルド観光ができたのはミランダのおかげだ。

それから屋台で買い物して、職人工房へ。レイカとは以前きたことがある。

「あの工房がウォルター工房よ」

レイカが指をさす。それにクリスが唇を尖らせた。

「ぶぅ。」

「何よ」

「内緒にしててほしいのにぃ」

その様子をオスカーは楽しそうにみている。

「いいじゃない。近づいてきたドキドキが味わえるんだから」

「そういうことにしとくぅ」

「可愛い」

「ぶぅ」

ウォルター工房の扉を開け、カランと鐘の音が響く。

「いらっしゃい、おぉ?今日は大人数だな」

親方の反応にミランダを見る。ギルドには連絡を入れたのに親方には黙っていたらしい。

「親方。今日は見習いの練習武器を見繕いたいのですが。」

「えーっと、」

「クリスさん。こちらへ」

「はい!」

元気にミランダの横にクリスが立つと親方がなんともいえない表情で二人を見比べる。

「見習いはこの坊やで間違いないのかい?」

色々言葉を飲み込んだ親方に同情の念を禁じ得ない。

ミランダとクリス以外の全員が同じ気持ちだっただろう。

「そ、そうか。カウツ。練習用の細身の小型剣を全部持ってきてくれ」

奥で作業しているカウツに声をかけた。

すぐにカウツが武器を手に店舗へ出てきた。親方と同じく店舗内の人の多さに驚き、ミランダとクリスを見比べて再度驚く。申し訳ない気持ちでいっぱいになる。

「と、取り敢えず握って構えてみて」

「はぁい」

楽しそうに剣を握るクリスに親方もカウツも表情が和らいだ。カウツが対応する。

「手に馴染むのはどれだった?」

「えっと、これとこれ」

「じゃあ。もう一度握って。今度は振ってみて」

「うん!」

「振りやすさは?」

「こっち!」

「ではこれと、柄の部分が同じナイフと道具一式それからベルトも購入します」

ミランダがお代をカウンターに置く。

「うん。全く君達兄妹は揃いも揃って」

親方の小言を無視してミランダはベルトをクリスにつける。

「こちらのナイフは、本物です。扱い方はオスカーに、聞いてください。間違えば怪我ではすみません。いいですね?」

「はい!」

「そしてこの中には新人用の道具が入っています。使い方はこれもオスカーに聞いてちゃんと扱えるようになること。」

扱い方の説明をまるっとオスカーに押し付けたミランダの言葉にオスカーが苦笑する。

「最後にこちらの剣は見習いのための剣です。練習用で刃を潰しています。切れませんが、刺すことは可能です。おもちゃではありません。使いようによっては人を害することも出来ます。そのことを意識して誤った使い方をしないように」

真剣なミランダの言葉を、クリスも真面目に聞いている。

「はい!」

「よろしい。では、行きましょうか」

「うん!」

ミランダとクリスはさっさと工房を出て行く。

「親方、ありがとうございました。それとミランダがすみませんでした」

「いや、いいよ。あの兄妹はいつもこんなんだから。」

呆れ顔で言う親方に再度お礼を告げ、工房を出る。

次はアクセサリー店に行くようだ。こころなしかレイカもそわそわしている。

「レイカさんはアクセサリー好きなんですか?」

「あまりつけないけど、見るのは好きよ」

たどり着いた店を見て、クリス達は固まった。口々に本当にここで当たっているのか疑問が尽きないようだ。

営業中の札がかかったドアを開け、中へ入る。

中に入ってしまえば、疑問は払拭されるのだ。

「いらっしゃいませ。ミランダ様お待ちしておりました」

カウンターの女性が、笑顔で声をかけてきた。

「こちらが今日指輪を探しているオスカーです」

とオスカーをカウンターまで連れて行く。

「結婚指輪と伺っています。とのような物をお探しですか?」

店員とオスカーが話しているのを、見ながらレイカが

「さっきと全然違うわよ。」

工房での反応を持ち出す。

「親方相手にはいつもあんな感じです」

「こっちには連絡いれてるのに」

「アラン、抱っこ。ぼくみえない」

「あぁ、すまん」

「キラキラだね」

「そうだな」

「お高いんでしょ?」

「どこで覚えたんだ、それ」

「あのね、商人さんの所!お姉さん達が買い物してて、新商品が出た時に言ってたのぉ」

アランとクリスのやりとりが微笑ましい。

クリスの変な言い回しの元が見えてきた。ニコルの親戚の子供でオスカーの義息となってからは、魔法省内を比較的自由に散歩していると言っていたのを思い出した。

レイカもガラスケースを覗きこみながら、店内を見て回る。

そして無事オスカーは指輪を、購入できたようだ。

ミランダにお礼を言っていた。

その後も気になる場所を観光しながら王都の街を堪能した。

「ただいま」

召喚課へ戻ってきた。

「おかえり。どうだった?」

クリスは興奮した様子で身振り手振りを加えながらニコルに説明している。そして、格好いいでしょ?とくるくる回って見せていた。

「はい!お土産!」

クリスは手にした袋をニコルに渡す。

「僕に?」

「うん。あ、こっちはブレンダンになの」

袋から一つ取り出すとクリスはブレンダンのところまで走っていく。

「はい。ブレンダン!お土産!」

「クリスくん。ありがとう」

「えへへ」

「楽しかった?」

「うん!とても楽しかったよ!でもね、ブレンダンとニコルも一緒が良かった」

「そうか。じゃあ次は一緒に、行こうね」

「うん!」

大興奮のクリスをみて、レイカがボソリと言う。

「あれ、お風呂入ったら速攻で寝るわね」

「確実だな」

アランも賛同する。

結果二人の言った通りになった。

この日はベッドをくっつけて川の字で寝たそうだ。

次の日クリスが教えてくれた。


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