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恐怖の殺戮機械

私事でバタバタして、更新ができませんでした。申し訳ないです。またぼちぼち書いていきます。

 1.


「―私の好みのクリーチャー?」


「―シルフ(風妖精)達はお気に入りだな」


「―知っているか、キーパー」


「―あいつらちょっとえっちなんだ」


 2.


 しばらくして、クリーチャー共が戻ってきた。

(みっしょんくりあ)(しんしつかんせい)(らくしょうね)

「「ギギッー」」「グルゥゥ」

 よし、いよいよ部隊を編成して遺物のある南へと坑道を開拓して行こう。


「お前らは今から二匹で一組のチームを組んでもらうぞ」

「インプ共は坑道の崩れていたり塞がっている部分をどんどん掘り進めていくんだ」


「ゴブリン達と、()()()はそれぞれが戦闘力に劣るインプを護衛する様にピッタリとついてくれ」


(りょうかいです)(おおきくまえならえー)(どいつもぶさいくねえ)


 ふむ、自然とペアになったか。

 リーダーと()()()のペア、スナオとネイルはそれぞれゴブリンAとゴブリンBだな。


「全員武器としてツルハシを持っていけよ!破損した場合給料から天引きだから気をつけろ!」


(しゅっぱつします)(ごあんぜんに!)(きゅうりょうなんてないじゃないの…)


「それぞれの状況はダンジョンハートで把握できるから、トラブルがあった場合はこちらから指示を出す」


「各自、深追いはせず危険を感じた場合は引き返せ」



 3.



「よし、とりあえずリーダーチーム、方角はそのまま真っ直ぐで合ってるぞ」


「食料になりそうなものが有れば持ち帰って欲しいのだが…」


(めぼしいものはなさそう?)「グルゥ?」


 そう、この坑道には生物の気配が全くと言って良い程感じられないのだ。

 普通の坑道で有ればコウモリやネズミなどの小動物ぐらいは居ても良さそうな物なのだが…


「虫の一匹やキノコすら生えていないというのは異常にも思えるな…」


(おなかすいたー)「ギギー」


(むしなんていやよ!?)「ギギッ?」


 聞いてんじゃないよ。それに別に食えとはいってない。

 それぞれ違う方角を探索させている別チームから思念が伝わって来る。


 しかし実際の所、食料問題は重要である。インプ共はダンジョンハートから直接マナを供給されているので最悪絶食でも問題は無いが、ゴブリン共は普通に二、三日くらいで餓死してしまうだろう。


「とにかく探索範囲を広げてみるしかないな」






「―ダンジョンに、侵入されている」





 同時に、スナオから強い念が届いた。


(てきはっけん!?)「ギギギッー!」


 なんだこれは…


 スナオの視界を通して初めて見たそれは、明らかに既存の生物では無い事だけが判る異質な存在だった。


 大きさはそこまででも無く、中型犬程だろうか?しかし、その皮膚は錆びた銀色であり、顔に相当するであろう場所には大きな目玉の様なものが付いており両腕にあたる場所は鋭く尖っている。


 低い音が断続的に聞こえるが、これはコイツの鳴き声なのだろうか?


「なんなんだ??こんな奴、何の文献でも見たことも無いぞ」


「―異界のカラクリ、殺戮機械(マキナ)と、言うやつだ」


「―奴らは、睡眠を必要とせず、食事を必要とせず、排泄を必要としない」


「―奴らは、理性を必要とせず、理解を必要とせず、理由を必要としない」


「―気をつけろ、キーパー」


 先輩の声が脳裏に響く。


 カラクリ?マキナ?何のことかさっぱりわからないが、確実な事はあいつが危険であり、敵対的な存在であるということだけだ。


「気をつけろ!一匹だけとは限らない!」


「周りにも注意を向けつつ後退しろ!」


「リーダーチームはそこから西側に援護に向かえ!」


「ネイルチームはすぐにダンジョンハートに戻って防衛に回れ!」


 未知の相手と少数で当たるのは愚策である。まずは、現在の戦力だけでも問題の無い相手かどうか見極めねばなるまい。

「そのまま、引きつけて挟撃を仕掛けろ!」


(たすけてえええ)「ギギッ、、、」


 どうやらこちらを敵と判断したらしい、マキナとやらは、スナオに向かって一目散に接近してきた。


(いまいく!)「グルゥ!!」


(なにごとなの!?)「ギギーッ」


 ネイルが混乱する思念が伝わって来るが、細かく説明する時間が惜しいのでただ急がせる。



「早くしろ!敵襲だ!」



4.


 …スナオ達は今のところ逃げられているが、いつまでも逃げ切れるとは思えない。なにせ、マキナとやらは先程から全くスピードが変わらないのだ。


「どうなってんだ、体力…」


「―マキナの一番恐ろしい点はまさにそこだ。疲れを感じる事無く、休みも必要とせず、ただ殺戮の為に壊れる直前まで動き続ける事が出来る」


「何か弱点は無いのか?」


「―やつらも、所詮はカラクリ。水や雷の属性には脆いが…」


「水も雷もこんな地下に無いっての!」


「―だろうな」


「―では、ボディの真ん中にあるコアモーターを潰せ」


「―どんなカラクリだろうがそれで必ず停止する」


(―またせたな)「ガルルゥ!!」


 よし、ちょうどリーダーチームが追いついたみたいだな。


「よし、挟み撃ちにしてしまえ!」


「お前ら、ボディの真ん中にあるコアを狙うんだ!」


(りょうかいした)「グルゥ!」


(りーだーいけめん!!)「ギギー!」


「深追いはするなよ!いのちだいじに、でヒットアンドアウェイを基本にしろ!」


 四対一では流石に分が悪いらしく、少しは粘ったものの()()()のツルハシによる一撃を胴体に食らったマキナはそのまま完全に沈黙するのだった。


「ふう…何とかなったか…」


(やりました!)「グルゥゥ♪」


(やったぁ!!)「ギギッ!ギギッ!」


 マキナの死体にゴブリンAがかじり付こうとしているが恐らく食えないだろう。

 しかし、召喚の触媒になる可能性は大いにあるので、ダンジョンハートに持ち帰る様に指示を出す。


「油断するな!一匹だけとは限らないぞ!周囲を警戒しつつ、ダンジョンハートに死体を持ち帰れ」


((りょうかいしました))


(かえるまでが)(たんさくです!)






tips


 殺戮機械(マキナ)…魔界にも地上にも存在しない文明が作り上げた異界の兵器。

 そもそも、この世界では魔術の存在により機械文明が発達しておらず機械というものが理解されていない。

 マキナにもそれぞれタイプがあり軍曹(サージェント)准尉(オフィサー)大佐(カーネル)元帥(ジェネラル)と、階級が上がっていくにつれ強力になっていく。

 元帥(ジェネラル)ともなるとその力は単騎で国家を滅ぼし得る。即ち、最強種のドラゴンと同等である。


読んで頂きありがとうございました。

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