桜
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桜は、好き?
嫌いだ。
そっか。
お前と見る桜は、好きだ
ふふっ
甘い香りが俺の鼻をかすめる、そんな季節
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ゴーンゴーン
「はい、今日はここまで」
12時20分を時計が回る。授業を終わる鐘が大きく鳴り、先生の言葉と同時に皆が席を立ったり伸びたり騒がしくなる。
この学園は中等部と高等部に別れていて館内がかなり広い。だだっ広いとはこのことを言うのだろう。生徒はそれなりにいる、と思う。先生はあんまり仲良くしてくれない。授業をして終わったらすぐ職員室に行く。しかしオレは今日鈴木先生に用があるので呼び止めた。
「鈴木先生」
「なんだ瀬渡」
先生はシャツもスーツもヨレヨレでメガネも度数があってないようで目付きが悪く何故か赤いリボンを髪に括りつけている。とてもじゃないが似合っていない。猫背でも背は高い方だ。
「瀬渡?」
「っあ!すみません、今日の悪霊憑依についてなんですが…
ガッシャーン
「ッ!?」
突然の大音にみんなの目が窓の方に向かう。窓は割れていた。近くに野球ボールが落ちていた。先生はそれを見て窓を開けて大声で叫んだ
「だれだこのボール打ったやつァ!!!!」
スミマセーンとグラウンドから聞こえた。これは後で職員室行きだろうな……
「すまん、悪霊憑依についてはまだ授業があるから次でもう少し詳しくしておく、すまんな瀬渡!」
「あ…」
物凄い血相で先生は廊下を走っていった。
「悪霊憑依の事じゃなくて他にもあったんだけどな…」
オレは今朝、学園の物置部屋で変な記述を見つけた。おそらく女性のもの、綺麗で丁寧な文字だったからだ。しかし文字的に誰のものでもなく見たことの無い文字だった。一番謎だったのがその内容、不思議も不思議だった。俺はもう一度その記述、おそらく手紙を開いた
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拝啓、__様、_日はお天気_かった_す。そちらの生_は元気ですか?私も行けたらいいのですが、、、。いえ、わかっています。
人間と妖怪_交わってはいけないのはこの世の掟ですもの、仕方がないことです。私の生徒は順調に霊媒師の_を究_ております。
妖怪は世に未練があ_と狂暴化すると習いましたが、しっかりカウンセリングは行っていま_か?あなたのことです、
さぼっていませんか?ダメですよ!しっかりしなければ!__に心を支配されてしま_ます!
それよりも_つ、こちらへいらっしゃい_か?私素敵な_茶店を見_けたんです!一緒にいかがですか?
たしか××様は甘いのが_きでしたよね、_ンケーキがおい_いお店らしいのです_をとって二人_お出かけをしましょう。
いっぱい楽しいお話をご_意してあの_前で待っています。び_くりしたことに紙がも_ありません、、
ではこれで終わりにい_し__
××より
紙は酷くボロボロで微妙に焼けたあとがある。内容からするにここの先生であった人のものだろうか?それに妖怪と出てきている。
オレ達は中等部から除霊師して育てられてきた。多分霊媒師とも言う、と思う。何故か、というと大昔妖怪達が世界を壊滅しようと企んでいて今もその昔話が受け継がれているからだと思う。妖怪は悪いものだし人間に害をなされては困る。人魂だろうが幽霊だろうがとりあえず世の中にいる邪を祓うために俺達は勉強して訓練を受けて卒業する。そのあとの道は普通に会社員になる人もいるが殆どは除霊師になるらしい。はたまた結界に入り込み妖怪を退治しに行く人もいるそうだ。その結界は頑丈で普通の人は通れないらしい。見つけることも難しいらしい。オレは行きたいとは思わないけど……
考えに考えを巡らせたが結局はよく分からないので考えるのをやめた。遠くから弁当を持って俺を呼ぶ声が聞こえた。
春は桜が綺麗でヒラヒラと地面に舞い落ちる。少し暖かい春風に誘われ、オレはその手紙をくしゃっとカバンに詰め込み弁当を持って声のあるほうに向かった____
序章・結
これにて序章を結びます。
お疲れ様でした。我らは敬意を持ちこれから運営に努めさせていただきます。
この物語は皆さんの手によって紡がれていきます。注意書きはTwitterにて全て詳しく書いております。
ストーリー開始:4月1日
締めくくり:未定(ストーリーの進み方次第)
よろしくお願い致します。
モノクローム一同