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第百九十二章 菊子、鶴岡さんを助ける

菊子は鶴岡さんにお礼を言った時に、鶴岡さんが肺癌である事に気付きました。テレジア星人ほど透視力が強くない為に、今まで気付きませんでした。

菊子は鶴岡さんに、「最近咳が良くでませんか?私は地球人と違い、体の中まで見る事ができます。右肺の下半分の所にスキルス性の肺癌らしきものが見えます。直ぐに病院で検査して貰って下さい。もし、医者が助からないと家族に告げたら、私の所に来て下さい。私なら、何とかできるかもしれませんので。」と何とか助けようとしていました。

菊子がはっきり助けると言わなかったのは、菊子の持っているのはタイムマシンで、怪我などでしたら、その部分だけ時間を戻せますが、肺癌ともなれば、何年も時間を戻さなければならなくなる可能性があり、現在と肺の大きさが異なって来ると、上手く治らない可能性があったからでした。しかし、その前に、母のアヤメが名医の梅沢陽子さんと知合いらしいので、母を通じて、名医の梅沢陽子さんに相談してみようと思っていました。

翌日、鶴岡さんは、総合病院で検査を受けると、精密検査が必要だと診断されて、検査入院しました。

その頃アヤメは、菊子の隕石の対応をフジコに報告して、「私でも、このくらいの事は解るのよ!もう今度からドジで間抜けだなんて言わないで!」と自信を持っていました。

フジコは、「女神ちゃんのそんな所がドジで間抜けなのよ。地球に近付く前に、何故、宇宙空間で対処しなかったのよ。解らなければ教えてあげると言ったでしょう!おかげで、菊子ちゃんが宇宙人だってばれたじゃないの。」と指摘されました。

アヤメは驚いて、「えっ!?あっ、そうか。そうだよね。」と返答しました。

“宇宙空間で対処しなければ、こうなる事は解っていたわ。態と菊子が宇宙人だとばれるようにしたかっただけなのよ。こうすれば菊子もいつまでもその住宅街に住めるだろうしね。”と思っていました。

アヤメは菊子に、「あなたも馬鹿ね。何故宇宙空間で対処しないのよ。先日助けてあげようかって言ったのに。」と菊子がどう考えているのか確認しました。

菊子は、「そうね。母ちゃんに頼めば良かったわね。」と後悔していました。

アヤメは、「宇宙人だとばれたのだったら、今後その住宅に何百年も住めるように、機会をみて寿命の説明をする事を勧めるわ。」と提案しました。

菊子は、「そうね有難う。そうなるように考えてみるわ。」と返答しました。

数日後鶴岡さんの検査結果が出て、家族は医者から余命六ケ月と告げられ、それを聞いた鶴岡さんは菊子に助けを求めました。

鶴岡さんから説明を聞いた菊子は、母を通じて陽子に同行を依頼して、鶴岡さんとその家族を皆が見守る中、UFOで火星に着陸させている戦闘艦に連れて行きました。

発進する前に陽介が、「あれっ?タイムマシンは小型UFOにもあったような気がするけれども、何故戦闘艦まで行くの?」と不思議そうでした。

菊子は、「戦闘艦のタイムマシンの方が大型で性能が良いからよ。」と説明して火星に向かいました。

菊子は、鶴岡さんの内臓を立体映像で表示させて、「梅沢先生、何故これが余命六ケ月なの?癌はそんなに大きくないじゃないの。」と確認しました。

陽子は、「肺は複雑に血管が絡んでいます。問題は、転移していて左右両方の肺に癌細胞が見られる事です。片方だけで転移していなければ、片方の肺を摘出すれば助かります。体全体を数年前まで戻した方が安全です。」と説明しました。

菊子は、「立体映像で見る限り、転移は肺だけのようですが?何故、体全体を戻すのですか?」とその理由が理解できない様子でした。

陽子は、「転移は、血液やリンパなどの循環に乗って転移します。既に転移しているという事は、血液やリンパの中に癌細胞が潜んでいる可能性が高いです。今、肺のみを正常に戻しても、血液やリンパの中に癌細胞があれば再発します。アヤメさんやコスモスさんに確認すると、脳は繊細で、タイムマシンは使用不可能らしいです。顎から下にしましょう。」と提案しました。

菊子は顎から上に癌細胞があれば、どうなりますか?」と確認しました。

陽子は、「それは再発します。定期検診が必要になります。」と説明しました。

菊子は、「地球の病院では治せないので、タイムマシンを使用しますが、どの病院で何と説明するのですか?」と今後の事を心配していました。

陽子は、「大丈夫ですよ。私が担当します。定期的に大学病院に通院して下さい。」と返答しました。

その後タイムマシンで、どの程度戻せば正常になるのかを陽子が中心になり、鶴岡さんとその家族とで一緒に確認して、その結果、五年程度戻せば大丈夫で、体全体を戻したので、肺の大きさは関係なくなりました。陽子の説明によると、顎にしたのは、顎の骨がずれても修復可能だからでした。

家族で喜んでいる間に、菊子は陽子に、「母のアヤメと、梅沢先生のような世界一の名医が、どういう関係なのですか?」と不思議そうでした。

陽子は、「あれっ?アヤメさんから何も聞いてせんか?私の母は東城菊枝です。旧姓は芹沢です。と言えば答えになりますか?」とこの話が出るかもしれないと思った陽子は、菊子が菊枝を捨て子した時に残したメモのコピーを準備していたので、そのコピーを見せながら、「私の陽子という名前の由来は、菊子さんの親友の芹沢陽子さんですよ。それに私は以前にも、あなたにお会いしましたが、気付きませんでしたか?」と返答しました。

菊子はメモを持っている陽子の手を握り、自分が書いたメモを見て一瞬動きが止まりました。

その後菊子は、「先日、銃で撃たれたのはあなたのお母さんですか?大丈夫でしたか?それとあなたと何処かでお会いしましたか?」と質問しました。

陽子は、「銃で撃たれたのは私です。困った事に、人間の中には禁止されている事を、お金の力でやってみたいと思っている人がいます。治安の悪い地域で拉致した人間を生体解剖や拷問などをする人がいて、私はそういう人を救う為に、競りに参加して人身売買をしています。私が買い取らなければ、彼女らは観客が歓声とともに拍手しながら見ている前で、苦しみながら死んで行きます。それで、人身売買グループを壊滅させようとした軍隊に自動小銃で撃たれました。私が名医なのは、あなたと同じように透視力があるからです。」と束ねている髪を解いて、サングラスを掛けて、「あなたと互角に取っ組み合いできるのもね。その時にあなたの事を、“菊子お婆ちゃん”と呼びましたけれども覚えていませんか?あなたが宇宙人とのハーフだと住民にばれたのでしたら、もう口裏を合わせなくても良いのかしら、菊夫さん。」と笑いながら確認しました。

菊子は、「その菊夫というの辞めてくれない?全くの作り話ですから。お願いですから、もう危険な事はしないで!あなたは、私の大事な孫ですから、もう詐欺などを働くやくざと縁を切って。」と説得しました。

陽子は、「そんな大事な人を捨て子したのですか?私の母が結婚したのは、やくざの跡取り息子で、今その人は丸東組の組長です。つまり、私は組長の娘で、そのやくざの幹部で、次期組長です。私が詐欺をやらせているのは、人身売買で彼らを買い取るのはお金が必要なのよ。でも、あの時も説明したように、犯罪絡みのお金を中心にしています。先日は一寸した手違いで陽介さんに、ご迷惑をお掛けしました。今後、重病人や、やくざに絡まれた時などは、相談に乗りますよ。」と説明しました。

鶴岡さんが菊子の所に来て、「有難う。心配している皆に早く報告したいので、地球へ戻りましょう。」と喜んでいました。

菊子はUFOを地球に向けて発進させました。

大喜びで地球に帰った鶴岡さんは、念の為に他の総合病院で検査を受けましたが、異常なしとの検診結果に、自治会の会合では大喜びで皆に報告しました。

そして、菊子は住民から、「今迄、企業秘密だと言っていた事は全て、その宇宙人の科学力なのですか?それと公園の監査の時に立合ってくれた技術者や鶴岡さんと一緒に火星まで行った人も宇宙人なのですか?」と確認されました。

菊子は、「企業秘密についてはその通りです。公園の監査の時に立合ってくれたのは、宇宙人です。鶴岡さんと一緒に火星まで行った人は地球人で、世界一の名医の梅沢陽子さんです。私達には科学力はあっても、鶴岡さんの体をどのように治せば良いのか解らなかった為に、お力をお借りしました。ただ再発する可能性は否定できないらしいので、定期的に大学病院に通院する必要があるそうです。世界一の名医が鶴岡さんの主治医になってくれるそうです。」と返答しました。

改めて、皆は菊子の科学力に驚いて、更に世界一の名医の梅沢陽子先生と知合いだと知り、障害のある人や悩みのある人が次々と菊子の所に相談に来て、パニック状態になりました。

鶴岡さんが交通整理をして、緊急度・重要度・公共性などを考慮して、順番に菊子に話をしました。しかし、障害など菊子にはどうにもならない事で医学的な事は、名医の陽子に相談しました。

陽子は、時間のある時は住宅街に来ていた為に、住宅街の住民は、その時に病気や怪我などの心配事を相談に来ました。その結果、この住宅街は、悩みのない明るい住宅街になりました。


次回投稿予定日は、6月4日です。

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