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第百九十一章 菊子、隕石から住宅を守る

菊子と陽介は、何事もなく平和な日々を送っていましたが、ある日、巨大隕石が太平洋に落下するとニュースがテレビから流れて来ました。

菊子なら食い止める事は可能ですが、宇宙人だとばれると、ここにいられなくなるのでは?と恐怖から暫く大人しくしていました。

陽子達も宇宙人が出て行くと厄介な事になる為に、コスモスとも相談して黙っていました。

そんな中、フジコから、「女神ちゃん、先日地球で隕石が太平洋に落下すると報道されていましたが、何でそんなに落ち着いているのよ。まさか、その報道を信じているのではないでしょうね?何事も絵に描いた餅のように上手く行きませんよ。ヴィツール号で調べてみなさい。太平洋になんか落下しないわよ。でも女神ちゃんの頭で何処に落下するのか解るかしら?その他、何か解らない事があれば教えてあげるので連絡頂戴ね。」とアヤメに連絡が入りました。

アヤメは、“それは解っていたが、まだ時間はあるので博士が何か言って来るまで待っていたのよ。ここは菊枝に花を持たしてやるか。”と菊枝とヴィツール号まで調べに行きました。

アヤメは、「これはどう考えても、太平洋に落下するじゃないか!博士の奴、私をからかったな!」と怒っていました。

菊枝が、「地球人も気付いてなく、今も不明なのは、調査した範囲が狭かったのではないですか?もっと遠い所から早いスピードで別の隕石が地球に向かって来ていませんか?それと、その隕石は地球に落下するとは限りませんよ。地球の近くを通り、今太平洋に落下すると思われている隕石に引力が働くか、あるいは、衝突するかして、方向を変えて、太平洋ではない別の場所に落下する可能性があるのではないですか?」と助言しました。

アヤメは、「矢張り菊枝は頭が良いわね。その方向で再調査すると、博士の助言が理解できました。」と菊枝に伝えました。

隕石が落下するのは、菊子の住んでいる住宅街だった為に、菊子に対処させようとして連絡しました。

「菊子、何落ち着いているのよ!隕石が地球に向かって来ている事を知らないの?ニュースぐらい見ろよ。」と確認しました。

菊子は、「それは知っているけれども、その隕石は太平洋上に落下するので、ここには殆ど影響がないと思います。それとも、ここまで津波が来るとでも言うの?」と返答しました。

アヤメは、「何を言っているのよ!それって地球人が調べた事でしょう!菊子は自分で調べたの?もう一つ別の隕石が別方向から飛んで来ていて、まだ地球よりかなり遠く小さいので地球人は気付いてないと思うけれども、この隕石は相当早く、その隕石と火星の軌道上で衝突して、方向を変えて菊子の住んでいる住宅の近くに落下するわよ!私は先日も言ったように、今、地球にいるので、助けてあげようか?」と助言しました。

菊子は、「調べてから連絡します。」と返答して、“大型多目的艦をサクラ小母さんに返したのは失敗だったわ。戦闘艦で解るかしら?”と思いつつ、戦闘艦まで行き、住宅街に落下する隕石の速度、大きさ、質量等を調べると、小型UFO一機で対応は難しいが、二機で対応すると大きな被害が出ない事が判明しました。

陽介が以前一家心中しようとした時と同じように、小型UFOを陽介の庭先に着陸させて、プレハブで覆い、現在自治会で使用しているUFOと二機で対応する事にしました。

菊子はアヤメに依頼すれば、やくざが来るかもしれないし、恩師を呼ぶ会では酷い目に遭ったので、アヤメからの依頼に菊子は、「大丈夫。宇宙人が何人も出て来たら、ややこしいので、隕石はこっちでなんとかします。」と断りました。

アヤメは、退屈しのぎができると思い、菊子に“手伝ってやろうか“と助言しましたが、断られたので、”手伝ってやるから心配するな“と助言すべきだったと後悔していました。

そんなアヤメに気付いたコスモスが、「残念だったわね。退屈しのぎができなくて。」と笑っていました。

アヤメは、「退屈なのはコスモスも同じだろう。」と反論しました。

コスモスは、「残念ながら、陽子さんは菊枝さんと違い、やくざから医学部の教授や看護師まで幅広く活動し、学会にも行くし、人身売買にも行くので、退屈しないわよ。偶にマリさんをからかう事もあるしね。テレジア星人の血筋で殆ど横になって寝る事はないようですけどね。」と返答しました。

アヤメが、「コスモス、陽子さんは、やくざや、人身売買など危険な事もしているので護衛を交替してあげようか。」と助言しました。

コスモスは、「私は、陽子さんのスケジュールや何が危険なのか等を把握している為に、今の方が安全よ。私は菊枝さんの事は、何も把握してないのでね。」とかわしました。

アヤメは、「何でも良いから護衛を替われ。」と怒っていました。

コスモスは、「やだ。そんなに退屈だったら海坊主の正体を調べてマリさんにヒントを与えればどうなの?海坊主が壊滅すれば護衛の必要もなくなるのでしょう?」と返答しました。

日曜日で、住民が住宅街にいる時に火星の軌道上で隕石同士が接触して、菊子達が住んでいる住宅街の方へと向かって来ました。

緊急ニュースの放送がありましたが、もう逃げる間もなく、住宅街はパニックになりました。

菊子は陽介に、「自治会で使用している建物はUFOなので、皆を自治会の建物に誘導して!」と指示して、菊子は隕石対応の準備をしました。

陽介は、「自治会で使用している建物は、普通の住宅より頑丈にできている為に、自治会で使用している建物に避難して!」と住民を誘導して、菊子はプレハブの中のUFOに乗り込み、住民全員がUFOに乗った事を確認すると、バリアを張りました。隕石が住宅に近付いた時に、プレハブの天井が開き、一筋の光が隕石に照射され、同時に意思波を使用して自治会で使用しているUFOと同時に攻撃して、隕石は破壊されました。

火星の軌道上で他の隕石と接触して複数に割れて、いくつか飛んで来た隕石を次々と細かく破壊していきましたが、間に合わなくなり、止むを得ず、UFOを安全の確認をして二機とも発進させて、攻撃が間に合わない隕石にUFOを衝突させて、住宅を守りました。

林や住宅などに燃え移った火はすぐにUFOで消しとめました。

住宅の被害は、細かく粉砕された隕石で窓ガラスが割れたり、屋根に穴が空いたりした程度でしたので、修復可能でした。

住民はUFOに避難していた為に、怪我人や死人は出ませんでした。

菊子はUFOを二機とも住宅街に着陸させて、皆が驚いている所に行き、「今まで嘘を吐いていて御免なさい。私は宇宙人と地球人とのハーフです。明日にはここを出て行くので、陽介さん一家を許してあげて下さい。」と住宅の皆に頼みました。

住民は驚きのあまり、何と言ったら良いのか解らず、暫く黙っていました。

鶴岡さんが、「皆、それで良いの?菊子さんは確かに半分宇宙人かもしれませんが、今まで、この住宅街にどれだけの事をしてくれましたか?そして今後宇宙人である事を隠さなくても良くなれば、その科学力で色んな手助けをしてくれると思いますよ。現に今だって政府にはどうする事もできなかった隕石から私達の住宅を守ってくれたでしょう!自分の正体がばれて、ここを出て行かなければならないかもしれないのに!私は菊子さんにこの住宅に住んでいて欲しい!そして、今後も私達の事を色々と助けて欲しい!皆どうなの!」と問い掛けました。

住民は、「突然、宇宙人だと言われても、良く解りません。その宇宙人が何故地球に住んでいるのかなど、もう少し詳しい説明を聞かないと何とも言えません。」と慎重に考えていました。

菊子達はもう一度、自治会の建物に入り、菊子が今迄の経緯を説明して、住民で話し合いましたが、宇宙人と遭遇した事のない地球人は簡単に受け入れる事ができず、なかなか結論が出なかった為に、取り敢えず住宅の修復を先に行う事になりました。

一人の住民が、「宇宙人の科学力で簡単に修復できないのですか?」と確認しました。

菊子は、「タイムマシンを使用すれば、数秒で修復可能です。」と説明した為に菊子に修復を任せました。

住民は再度、自治会で菊子の事を話し合う事になり鶴岡さんが、「それ見なさい。矢張り菊子さんがいて良かったでしょう。菊子さんがいなければ、暫くホテルに泊まらなければならない人もいたのではないですか?宿泊費や修復費も馬鹿にならないし。」と菊子が必要だと強調しました。

住民は、「隕石なんて、そう何度も落ちてきませんよ。」と今後菊子の力が必要かどうか疑問を持っていました。

鶴岡さんは、「隕石や地震などの天災の他に、最近、暴走族なども近くを走るようになりましたが、そのような人災でも銀行強盗の時のように対応してくれるわよ。要は先の事は何も解らないのよ。だからみんなも保険に入っているのでしょう?菊子さんは、この住宅街の保険だと言えば失礼かもしれませんが、いざという時には、宇宙人の科学力で今のように何とかしてくれるわよ。」と菊子の必要性を訴えました。

結局、鶴岡さんに押し切られて、菊子はこの住宅に住む事になり、住民達も納得しました。


次回投稿予定日は、5月30日です。

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