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第百九十八章 菊子、暴走族を撃退する

菊子の住んでいる住宅街に、ある夜、暴走族がやって来ました。

バイクの騒音に堪りかねた住民らは菊子に、「寝ている子供が起きるので、宇宙人の力でなんとかなりませんか?」とか、「子供が熱を出していて、早く寝かしたい。」とか、色々と連絡があり、直ぐに何とかして欲しいと依頼されました。

菊子が外に出ると、約十台の大型バイクが住宅街をサーキット代わりに走っていました。

菊子がバイクの前に飛び出して、両手を広げ、「止まりなさい!」と制止しました。

バイクが菊子の周りに集まり、「可愛い姉ちゃん、俺達と付き合ってくれたら言う事を聞いても良いぜ!」とニヤニヤしていました。

皆が心配する中、菊子は、「私は皆が知っているように、普通の人とは違うので大丈夫です。暫く待っていて下さい。」と暴走族のバイクに乗り、人気のない山奥へ連れて行かれました。

暴走族のメンバーは菊子に、「先程言っていた、“普通の人と違うので大丈夫です。”とは、どういう意味だ?普通の人と違うのは、不妊症なのか?大丈夫だとは、妊娠しないのか?」と確認しました。

菊子は、「あなた方は、本当に自分の都合の良いようにしか考えないのね。バイクで転倒して、頭を打ってオツムクルクルパーになったの?」と笑っていました。

暴走族達は、「何だと!ぶっ殺してやる!その前に、一寸遊ばしてもらおうか!野郎ども、この女を素っ裸にさせろ。」と菊子の服を脱がそうとしましたが、菊子には全く歯が立ちませんでした。

菊子は、「あなた方は、ひょっとしたら私の事を、いいカモだと思っていますか?だとすればそれは反対よ!」と忠告した瞬間に全員の体が宙に浮いて、上空で待機させていた戦闘艦に吸い込まれました。

そこには、肉食ペットがいて、「艦長、何かご用ですか?」と菊子が何の用なのか確認しました。

暴走族達は驚いて菊子に、「艦長?どういう事だ。お前らは宇宙人か!侵略者か!何処から来た!これは、宇宙戦艦か!」と焦っていました。

菊子は、「それは、SF漫画の見過ぎね、別に侵略者ではないけれども、このUFOは私が艦長を勤める戦闘艦です。私のペットじゃなかった、戦闘艦の乗組員は全員、気が荒い肉食よ。先程、私はあなた方の事を良いカモだと言ったでしょう!それはあなた方が乗組員の餌だという事です。チョッカイを出そうとした相手が悪かったと諦めて、大人しく食べられなさい。抵抗するよりかは楽に死ねるわよ。」と睨みました。

肉食のペットに、「食べても良いわよ。」と指示しました。

肉食ペット達は一斉に暴走族達に襲い掛かりました。

暴走族達は何とか逃げようとしましたが、戦闘艦は既に火星に着陸していました。

逃げられないと悟った暴走族達は戦うしかなく、大型バイクやナイフや鎖などで肉食ペットに挑みましたが全く歯が立たず、三人ほど食べられました。

暴走族のリーダーは、「そうだ!艦長を狙え!さっきは油断したが、全員本気で掛かれば何とかなるかもしれない!」と全員で同時に菊子に襲い掛かりました。

菊子は体を大きくして、「これが、私の本当の大きさよ!」と暴走族達を踏み潰しました。

肉食のペットは、「艦長!踏み潰すと、食べられなくなります。」とペットは空腹の様子でした。

暴走族達は最後に話し合いをしようとしました。

菊子は、「あなた方から話し合いという言葉が出てくるとは思わなかったわ。話し合いもせずに暴走行為は繰り返す、女性をレイプしようとする。自分の身が危なくなった時だけ話し合いだなんて応じられる訳がないでしょう!実は私も肉食です。」と鋭い牙を生やして、暴走族の一人に噛み付きました。

残りの暴走族達も次々と食べられて、ついに全員食べられてしまいました。

食べカスやバイクは太陽に投げ込み、菊子は住宅街に戻って翌日全員に、「昨日の暴走族達は少し驚かしておきました。二度と来ませんので、安心して下さい。」と安心させました。

住民達は、「さすが菊子さん頼りになります。有難うございました。」とお礼しました。

まさかテレジア星の肉食ペットに食べられたとは思わず、菊子が人間一人を食べてしまったとは夢にも思っていませんでした。

鶴岡さんは、自治会の会合で暴走族の話題を出して、以前も銀行強盗が来た事があり、警備を厳重にする事を提案しました。

具体策を尋ねられると、「菊子さんは戦闘艦の艦長ですので、その乗組員を地球にこさせればどうですか?」と提案しました。

菊子は、「私の戦闘艦の乗組員は肉食で気が荒いですが、それでも良いですか?例えばライオンやトラなんかでも簡単に食べてしまいますよ。」と説明しました。

それを聞いた鶴岡さんは提案を取り下げました。

菊子は、「周りに柵を作りましょう。朝になれば消えて、夜になれば出現する柵を準備します。時間設定は、朝の七時に消えて、夜の七時に現れるようにセットします。柵が締まっている時間に出入りする方の為に、音声認識と指紋照合のどちらでも開くようにセットしますので、子供も含めて、全員音声と指紋を登録させて下さい。そうすれば鍵を持ち歩く必要もないですし、鍵の偽造や盗難による不法侵入もありません。」と提案しました。

住民達は、「自動的に出現したり消えたりする柵があるのでしたら、是非その方法で行きましょう。時間設定はいつでも、何回でも変更可能ですよね。取り敢えず菊子さんの提案した時間で設定して、不都合があれば変更しましょう。例えば昼間は、主人や子供達は不在で、奥さんだけになるので、無用心だという意見があれば、昼間も柵を出しましょう。」と住民は賛成し、直ぐに決まりました。

ある住人が、「昼間も柵を出せば、郵便や宅急便やその他来客はどうするのですか?事前に解っていれば、柵の所へ行き開ける事も可能ですが、郵便などは事前に連絡がないでしょう?」と疑問点を質問しました。

菊子は、「マンションのオートロックのようなスイッチが柵と同時に現れますので大丈夫です。」と返答しました。

住民は、「それでは配線工事が必要なのですか?」と簡単に実現可能か確認しました。

菊子は、「登録音声に反応する無線の携帯機を皆さんに渡しますので、外出時も携帯機を所持していれば来客があったかどうか解ります。」と返答しました。

その日の夜に菊子が住宅全てを回って、住民全員の指紋と音声認識用の声を登録して、携帯機を渡しました。

小学生以下の子どもは登録せずに、小学生になれば登録する事にしました。

その日の夜から柵は何処からともなく出現して、テレジア星の科学力に驚かされました。

制御は、隕石対策の為に、庭に着陸させていたUFOを、そのままにしていた為に、そこから制御しました。

子供達は面白くスパイ映画の主役気分で、柵の音声認識や指紋照合で遊んでいました。

そんな中、次の自治会で、柵の現れる時間と消える時間について、意見がありました。

住民が、「先日柵を作る時に、誰かが質問したように、昼間は無用心ですし、子供達が柵で遊ぶので、夜になり遊びに出て行きます。柵の出現する時間を早められませんか?」と質問しました。

別の住人が「朝の出勤時は皆さん殆ど同じ時間に出て行かれますが、帰りの時間はバラバラです。朝は七時ではなく、六時に柵が消えて、朝の九時に柵が出現するようにすればどうですか?つまり、朝の六時から九時までの三時間だけ柵が消えている事になります。」と提案しました。

ある住人が、「歩きや二輪車は問題ないですが、車はいちいち降りなければならないので面倒ですが、安全の為ですので、急いでいる朝に柵がないのでしたら、それでも良いですよ。」と妥協しました。

菊子は、「最初に説明したように、指紋以外に音声認識でも開きます。車から降りなくても、窓を開けて、“開けゴマ”といえば開きますよ。」と助言しました。

その住人は、「それは解っていますが、大の大人がそんな事を大きな声で言うのは恥ずかしく、もし、この住宅以外の人で事情を知らない人に聞かれると、“あの人の頭は可笑しいのではないですか?”と思われそうで、もし上司を家に招待していれば、“君に大事なお客様を任せられない。”と指摘されて、即左遷ですよ。」と非常識だと思われる事が怖い様子でした。

菊子は、「なるほど、そういう問題がありましたか。そこまでは気付きませんでした。暫くは、この状態で我慢して下さい。車から降りるかどうかは、個人の判断に任せます。しかし、会社の上司などには事前に説明しておけば、理解して頂けないのですか?柔軟性のない上司ですね。」と様子観察する事にしました。

システム自体に問題がありましたが、大きな問題ではなく、時間については、特に反対意見もなかった為に、菊子がそのように設定変更しました。

その後、自治会でシステムの変更について、話し合いが行われましたが、車から降りなくても良いように、指紋の認識範囲を広げれば、近くを通っただけで柵が開いて無用心なので、指紋については、所定の場所に手を挿入する方法は変更にならず、音声認識の文言を変える意見もありましたが、子供達にも親しみやすく覚えやすい事を考慮すれば、矢張り“開けゴマ“が一番で、それ以外の文言にすれば、子供がその文言を忘れてしまい、柵の中に入れない事があるかもしれない。との事で、システムは現在の状態が最良の方法だという事になり、車から降りるかどうかは、個人の判断に任される事になりました。


次回投稿予定日は、7月1日です。

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