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夢精少年M  作者: 穴沢暇
12/13

夢精12

「神山仙人…、誰…?」

「知らないのか!」

 田中が怒鳴る。

「あのお方は浅間山に住んでいる、浅間といえば神の宿るといわれる霊山…。神の山に住んでいるから神山仙人。本当の名は誰も知らん」

「へぇ~」

 変わったお人もいるもんだなぁ。

「神山仙人はそれこそ神のごとき術を操ると言われる…」

「ほ~、そこの若いの。わしのことを随分知っておるの~」

「当たり前です!私は…、私はずっと貴方にお会いしたかった。何度も何度も山へ足を運んだ。なのに!一度も会えなかった…」

「それはの、わしとお前さんに縁が無かったんじゃの」

 神山仙人はあっさり言ってのけた。

「それよりの、わしが用があるのはお前さんの方じゃ」

「僕ですか…?」

 神山仙人は僕の方へ向き直り、僕の頭へ手を置いた。その途端、僕の体の奥底からみるみる力が溢れてきた!

「なんだ…、これ…?」

「今お前さんの奥底に眠っていた力を引き出した」

 その様子を見ていた田中はたまらず怒鳴った。

「なぜだ、仙人!その小僧は、恐ろしい男になるかも知れんのだぞ!」

「じゃがのう…、わしにはそのような未来は見えん。むしろ…」

 神山仙人は改めて僕の方を向いた。

「君、道を違えるんじゃあないぞ。ではな、さらばじゃ~。ははは!」

 そう言ったきり仙人の姿は見えなくなった。

「なぜ…なぜお前ばかり…!」

 金縛りの解けた田中が怒りに体を震わせてこちらへ突進してきた。僕もたまらず応戦する。先程とはうってかわって田中を軽々と吹き飛ばしてしまった。

「すごい…」

「糞、糞糞糞!」

 田中が再度突進してくる。しかしもうこちらのものだ。

「とどめだ!」

 僕はありったけの力を火球にして放つ。火球は田中に直撃した。

「ぐあああ!…糞が!これで勝ったと思うなよ。今群馬県警最強の陰陽師斎藤さんがこっちへ向かってる!お前は斎藤さんに殺されるんだ!はははは!」

 断末魔と共に田中の姿は消えた。気が付くと周りの景色は普段の高崎駅へ戻っていた。

「終わった…。いこうかみっちゃん」

 僕はみっちゃんの手を取って電車に飛び乗った。

 

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