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夢精少年M  作者: 穴沢暇
10/13

夢精10

「せんぱ~い、素人に負けたんですって?」

 彼、木本はニヤニヤ顔で大怪我で寝ている新井をからかう。

「先輩安心してくださいよぉ~、仇は取ってきますってぇ」

「おい、分かっちゃいると思うが、一般人に危害を加えんじゃねえぞ!」

「分かってますってぇ、ひひ…」

 そう言い残すと木本の姿は跡形も無く消えてしまった。

「くそ…」


「お前が新井先輩をやったんだって?なかなか旨そうじゃあん」

「…そうだ!僕は泰声師匠の弟子、陰陽師松本夢声だ!」

「じゃあ早速始めよっかぁ」

 言うが早いか木本はいくつもの火球を飛ばしてきた。

「!…結界も張らず、一般人を巻き込むぞ」

「一般人?そんなの関係ねえなぁ」

 くそ、なんて奴。これでも警察か!

 僕は慌てて結界を辺りに張った。以前見た新井の術だ。

「ご苦労さん」

 構わず火球を撃ってくる。

「これなら周りには…、しまった!」

 結界を張るときに誤って迷い混ませてしまったようだ。小さな女の子が泣きながらふらふらと歩いくる。

「ラッキー!」

 木本はあろうことか女の子を狙った。

「なんて事を…!」

 僕は慌てて女の子を庇い、背中に直撃をうけた。

「やっと当たったなぁ、ひひ…」

 この男…。

「くらえ!」

 僕の方も火球を放って応酬した。しかし全く当たらない。

「遅い遅い。ほれ、また当てちゃうよ~」

 木本は今度も女の子を狙った。僕は庇う。

「はは!てめえ馬鹿か!」

 こいつ…二度も…。

 怒りに震えながら僕は最大火力で火球を放った。

「当たるか…、何!さっきまでとスピードが段違い!ぎゃあああ!」

 木本は火だるまになって転がった。

「お前にはそれがお似合いだ!」


 木本を撃破した僕はミケを連れて前橋駅から故郷へ向かった。地元でのんびり暮らすんだ。邪魔する奴は返り討ちだ!

 次はー高崎ー、高崎ー!

「高崎か…」

「あれ、おかしいよ、ひいくん。全然発車しない…」

 ミケの言葉にはっとして電車を出た。これがいけなかった。

 そこには誰もいない、後ろを振り返ると電車などどこにもなかった。

「これって…」

「ああ、結界だ!僕たちははめられたんだ!」

 するとホームの向こうから壮年の男が歩いてきた。

「ようこそ、高崎へ…」

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