来校編2
「えっと……一つ聞いていいかな?」
「な、なんでしょう……」
無事町に着き、助けた少女ームアの家まで送る途中ユーミスは頭に浮かんだ疑問をムアに尋ねた。
「なんでムアは町の外にいたの?」
ユーミスの質問は普通ならばおかしな質問だった。
「それは…その……〝外〟にいるおばあちゃんの容態が良くないと聞きまして………」
だがムアはおかしいとは思わず普通に答えた。何故ならこの町は〝外〟に出るのが、ましてや学生が出るのが有り得ないからだ。
この町の名前は〝王都ミーティア〟
町の周りには天を見上げるほどの城壁が築かれており町に出入りするには東西南北にある門からしかできず、更には通る時に許可証がいるという厳重警備なのだ。
「なるほど…それでそのおばあちゃんに会いに町から出てたんだね」
ユーミスは納得が言ったと言った。
「アルバンさんは何故町の外に…?」
今度はムアの方が質問をして来た。
「ユーミスでいいよ、僕もムアって呼んでるんだし………えっと僕が町から出てた理由はクエストをやってたからだよ」
ユーミスはムアに自分が町を出てた理由を話した。
「クエストって…ユ、ユーミスはもしかしてギルドの所属なんですか?!」
「うん、そうだよ」
「私と同い歳くらいなのにす、凄いです!!」
「そうなのかな……?」
ムアが興奮気味でユーミスの話に食いついて来てユーミスは苦笑いで応えた。
「そうえば結構歩いてるけどムアの家って……まだ先?」
ユーミスがムアに家まであとどれくらいか聞くと
「あ…も、もう見えてますね………あそこです…」
そういってムアはユーミス達の前にある建物を指した。
「あれって……学校?」
ユーミス達の前にあった建物は町の城壁よりも大きいんじゃないかと思うほど高く、近くの村より確実に広く、とにかく馬鹿でかい学園だった。
「えっ…、ここに住んでるの……?」
「正確にはここの寮に住んでます……」
「マジですか……」
「えっと……………マジです……」
ユーミスが想像出来ないと言いたそうな言い方でムアに聞き、ムアもユーミスの心情を察したのかユーミスと同じ言い方で応えた。
「じゃ、じゃあ…僕はもう大丈夫そうだし…」
毎日の生活が大変なユーミスはここから先は自分みたいな平民が行ってはいけないと思い、引き返そうとするが
「ま、待って……わ、私も自分の部屋と教室以外この学園苦手なんです……お願い…ついてきて…お願い……」
ムアに腕をしっかりと掴まれ引き返せなくなってた。それでもユーミスは抵抗して
「いや…僕、部外者だし…勝手に入ったらいけないし…」
と言うが
「大丈夫です!私のパスがあるので入れますし何か言われたらちゃんと説明します!!」
ムアはちゃんと考えておりユーミスは何も言えなくなりムアに腕を引っ張られ学園の中に入っていくのであった……
どうも斉田です。いや〜今回は量が少なくてすみません。マジですいません。
この作品のタイトルに学園戦争「ラグナレク」って書いてあるのにやっと学園の中に入ったばっかりですね(笑)
なるべく早く書いていくつもりですのでゆっくり待っていただけるとありがたいです。
ではまた3話で!!