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「なんでこんなことになっちまったんだか・・・」

睨み合うそれぞれのギルドの長たちを見て、それに唯一参加していないレオンは頭を抱える。レオンは頭をかかえる。

事の発端は相手が魔物を使ってきたことだった。


「おいおい、人間相手じゃなかったのかよ!」

モンスターがズラリと並ぶ様を見て、妖怪たちが不平を漏らす。

今回の戦は大きいとかで、国を守る義務がある国のすべての人間と意思疎通できる生き物、そして尚且つ戦える者たちが集められた。もちろんギルドの者たちもだ。その際、ラグーン率いる黒の師団はドラゴン討伐に向かっており、不在だった。

そしてこのモンスター軍団である。国中で唯一モンスターを屈服させ味方とすることのできるラグーン(ヒアリングディビジョン以外の者は知らない、ラグーンが面倒ごとを嫌ったため)は不在、そして人間相手の戦と見て準備をしてきていたため、手立てが思い浮かばない。

「誰だよ人間相手だから必要ないとか言い出したやつ!」

「だってモンスター軍団が来るとか思わないだろ!」

と、あちこちで幼稚な喧嘩が起き出し、この睨み合いへと発展した。


「あーっとだな、とりあえずミズナ、お前は落ち着け」

「うるせぇ黙れ」

「父さんにそれ言うか!?」

「お前はギルド長だろう、なんとか言ってやれ」

「ストカルお前まで・・・・」

はぁぁぁ、と頭を抱えたその時。

『ふん、人間なんぞつまらんものだがお前たちはまだマシかと思っていたぞ。失望したわ』

女性の声が二重になったような声がした。

その声の主は、ドガァァァン、と大きな音を立て舞降りてきた。

「ツクヨミ!?お前なんでここに!」

『主人に行ってくるよう言われた。それとお前との会話が成り立つように伝言がある』

「へいへい、そこまで読まれてるのな」

ツクヨミ、と呼ばれた巨大な黒龍に事も無げに答えるレオン。他のギルドからすれば呆然である。

「え・・・お前のとここんなのいるの」

妖怪たちからも言われたところを見ると、妖怪たちにとっても驚きだったようだ。

「この際だから言うが黒の師団長と補佐がめちゃめちゃ強くてな。こういったモンスターを屈服させては仲間に連れ込むんだよ」

「何それそんなやつこの国にいたわけ!?」

「面倒臭いから言わなくてよくない?って本人言ってたわよ」

「・・・・・」

レオンとミズナが適当に説明する。

『伝えるぞ。』

「はいよ」

レオンが答え、ツクヨミが伝言を伝える。

『どーせあんたらの事だから人間相手の作戦考えてたらモンスター軍団でしたーわーどうしよーとかなってるんでしょー?』

「仰る通りだよそこまでわかってやがったかコノヤロー!」

『・・・・・続けるぞ。そこで、少し帰りが遅くなりそうなんでツクヨミ送ってあげたから。・・・ああ、その必要もないな。主人が到着したようだぞ』

クラーク鳥がバサバサと音を立て地に足をつける。

「やーやーこんにちは!ってかバッカじゃないの?そんなことしてる前にモンスター軍団倒す努力でもしたらぁ?くっひひひひ!」

「まったく、てめぇはいちいち馬鹿にしなきゃ生きてけねぇのか他のギルドもいるんだ一旦落ち着け」

にやにやと笑うラグーンをロストが宥める。

「それでぇ?これ片付ければいいのぉ?」

相変わらずの小馬鹿にしたような口調で言うラグーンに、

「一人で片付けられるわけないだろ」

「お前が馬鹿か」

などと野次が飛ぶが、当のラグーンはこともなさげに、

「ツクヨミ」

『クァァァァァッ!』

美しく澄んだ声で咆哮する。

それを聞いた瞬間、大半の魔物が回れ右して逃げ出した。

「よーしよしよくやったー!いいこいいこー!」

そう言いながら大鎌を両手に持って担ぎ、残ったモンスターの方に駆け出すラグーンにため息をつきながらロストも駆け出した。


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