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オレンジ色の髪で…以下略

作者: 月白

突然だが私は転生した。

えーと、何だっけ?

始まりの太陽と月とか言う、今まで私が居たのとは違う世界の創造神の太陽の方になったらしい。

らしい、と言うのはぶっちゃけ興味ないからどーでもいいから。

大地ができたとか生物ができたとかそういった話にはノータッチ。

ああ、でも世界の均衡を保つ八竜とかいうのを創る時は協力したよ。ドラゴンとかかっこいいじゃん!


ちなみに、片割れの月がせっせと色んな物を創っている間私は何をしていたかと言うと、マンガ、ゲーム、ネット、出前やお取り寄せ、と物凄く自堕落な生活を送っていた。

いやだってさ、創造神とかいう大層な存在だけあって時空繋げられちゃったんだもの。力が大きすぎてバランス崩すから前居た世界には行けないけど、お取り寄せし放題!電波もお取り寄せ!素晴らしいじゃないか!!

あ、お金はちゃんと払ってます。貴金属を作り出してちょいとオークションに。

本物売ってるから断じて詐欺とかじゃない。



ここで私達の容姿を紹介しようと思う。

月は青みがかった長い銀の髪に同じ色の瞳、儚げ系イケメン。

私はオレンジ色の短髪に同じ色の瞳の元気なスポーツマンタイプのイケメン。

八竜は、水・金・火・木・土・天・海・冥、それぞれのイメージ的な色の髪と目をしたイケメン。


イケメンパラダイスだここ!!


まぁ、月も八竜も家族だから、だから何だ、て話だけど。

後は私の家?

ファンタジーとかでよくある白亜の城的な感じ?

私の部屋は和室にコタツ、マンガゲームテレビパソコン布団冷蔵庫風呂水洗トイレ完備だけどな!

格好もシャツにGパンだ。

ズルズル引きずりそうな布なんか着てられるか!


という訳で、駄目ニートまっしぐらな私だが家族は大切だ。

一緒にご飯食べたり一緒に散歩したりする。

私は基本的に家族には甘々だ、お取り寄せ高級菓子だってみんなの分お取り寄せするし。


が、逆に言えば家族以外にはべらぼうに厳しい。

特に自分のテリトリーに勝手入ってこられるのが大っっっ嫌いだ!


と、ここまでが前振り。

本番はここから。


暫く前に八竜が人間の女を一人拾ってきた。「乙女ゲーの悪役回避したのになんでこうなった!!」

とか叫んでたがそこは正直どうでもいい。

問題は私にとっての部外者が来た事だ。


家の中に住まわせるなんて論外だから、即行遠くに別な家を作って追い出した。


まぁ、八竜に用事があってここまで訪ねてくる事はまだいい。

家の中に入るのも、嫌で嫌で仕方ないが一兆歩くらい譲って我慢しよう。

でもさ、私の部屋に無断で入ろうとするのは我慢出来ない。


いや、一回は我慢したんだよ。

たまたま、偶然、迷う事もあるかもしれないんだから。

二度と近づくな、て言って追い返して月にも八竜にも嫌だから近づけさせるな、て頼んだ。

特に八竜には、次やったら人間を消す事も伝えた筈。


「なのにさぁ、何で勝手に部屋に入ろうとした?」

「ぅ…だ、だって…マンガとか読みたくて…それに太陽だったら快く貸してくれるかも、て思ったから…」


私が胸ぐらを掴み壁に押しつけてるせいで苦しげにしながら答える人間。

名前?興味ないから知らない。

つーか何その理由。


「はぁ?私だからとか、意味わからん」

「だっ、て!ゲームでの太陽の性格は…!」

人間が叫ぶように返すと同時にバタバタと聞こえる足音。

八竜か。


「×××!っ…なんて事を…」

「す、水竜、たすけ…」

「太陽、申し訳ありません…」

一番上の水竜の姿を見つけほっとしかけた人間だったが、水竜が私に頭を下げた事で顔を青くした。

説明を求めたいが聞くのは手間そうだ、この人間の「記録」を読む。


へぇ、テンプレ悪役お嬢様、わたくしは好きに生きますわタイプか。現代知識で内政TUEEE!して、王ですら助言を求める、と。

「何でわたくしに聞くのよ!」

てか。

逆ハーレムは標準装備、加えて自分への好意には鈍感、ねぇ…。



「読み物としては悪役転生は好きだし君みたいな主人公も好きだし、そもそも私にさえ関わらなければ好きにしてて良かったのに…。ね?月」

「まったく貴方は…少しは創造物に興味をもったらいかがですか」


私の怒りを感じて駆けつけてきた月に同意を求めると小言を頂戴してしまった。

そんな呆れた風に言われてもなぁ、八竜以外どーでもいいし。

月は片割れだから別格だ。


「つ、月…!太陽を止めて!」


今度は月に必死に助けを求める女。

確かに月は温厚で慈悲深いし男なのに母性溢れる神だけど…


「太陽の言葉も八竜との約束も、私の忠告すら無視した者にかける慈悲はありません」


冷たい目と声でぴしゃりと女の言葉をはねのける月。

普段怒らないやつが怒ると怖いよね。


「さて、と…腕も疲れてきたからそろそろ消すよ。そうだ、君の事は全部なかった事にしておくから安心してね」

「え…?」

「だから、全部なかった事にしておく。君が居たという事実…誰かの記憶や記録、やってきた事の全て…内政TUEEEした内容とか、とにかく世界に記憶されてる事全部なかった事にしておくよ」


ずっと私の手を振り解こうとしていた女だが、愕然とした表情をして手を落とした。

中々に頭の回転がいいから私の言った意味を理解したらしい。


「そん、な…わたくしが生きてきた意味は…?ちょっと、部屋に入ろうとしただけなのに…」

「君が自分で意味を消したんだろ。じゃあね」


茫然自失、といった風な相手に息を吐きさくっと存在を全て消した。

魂を消滅させたから、二度と会う事もない。


「あーあ、ったく、ベストエンディング一歩手前のいーとこだったのに無駄な時間過ごした。八竜、今度は私を巻き込まないように」


しょんぼりした八竜は月に任せ部屋に戻る。

ちなみに、今までのやり取りは廊下でしていた。部屋に入れたくなかったからね。


それよりゲームゲーム!

続きしないと!

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