第25話 - 協力
目が覚めた。
儀式魔法の効果切れで意識を失う直前、一太刀入れたのは覚えている。
どうやら生きているようだ。
見逃されたのか?
ここはどこだ?
ずいぶんと豪奢な寝台に寝かされていたようだ。
しばらくぼーっとしていると、部屋の扉が開いた。
皇帝っ!?
……そうか、あの後私を拾って逃げたのか。
神?そうか、アイツがゲルマニアの各地で暴れまわっているのか。
アイツは神などではない、悪魔だ。
私がこの世に……この世界に生を受ける原因となった話を聞かせよう。
……というわけだ。
結果的に、ガリアとゲルマニアの戦争で多くの命が失われ、ヤツの復活に繋がってしまった。
私とお前が存在することも復活を早めた原因だろう。
そして、今も魂を集めるため、多くの命を奪っている。
ゲルマニアを襲っているのも人口が多いからなのだろう。
これは希望的な考えだが……悪魔の肉体は滅ぼせる。
肉体がなくなれば、私を転生させた時の状態になるのではないか。
存在自体を消去できるかどうかはわからんが、破壊をやめさせることはできよう。
これからどうするつもりだ?
本調子ではないとはいえ、私の力ではヤツを止めることはできなかったが……。
……そんな奥の手があったのか。
どんなものでも取り込めるのか?
私も奥の手を使っていたからな。
儀式魔法で全能力を一時的に高めていたのだ。
効果時間がきれると意識を失うという欠点があるがな。
協力するのは構わん。必要なことだ。
だが、覚えておけ、私はお前を許さん。
私の愛する者を殺したのはお前だ。