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サンタくんと一緒!  作者: 梅津 咲火
ホワイトデーもサンタくんと一緒!
7/16

そのに!    「なんでそう思うの!?」

 伊月とサンタくんのボケとツッコミがほとんどです。

ラブは次回。



 サンタくんに連れて行かれたのは、公園だった。


 そういえば、ここって、前にも一度サンタくんと一緒に来たところ?

 あのときは確か、あたしが目に入ったオレンジのせいで、涙が止まんなんくなってた。やっぱり、ここって人気ない。サンタくんとあたし以外に人がいないってどういうこと? それとも、平日の昼だから?


 こんなところまで連れてきて、一体どうしたのかな?

 ハッ! や、やっぱり、締め――


「べつに俺は締めるわけでも、カツアゲをするわけでもない」

「そ、そっか! そうだよね!」


 思ってからすぐにサンタくんに言われたけど、そんなにあたし、顔に出てたのかな?

 あたしを見下ろすサンタくんは、渋い表情。青汁を一気飲みした後みたいだよ。


「ロクなこと考えてないよな、お前」

「サンタくんにだけは言われたくないよ!」


 むぅう! ロクなこと言ったり考えるのは、サンタくんの得意なことなのに!

 あんまり怒っててもしょうがないし、ここはあたしが折れなくちゃ、だよね。このままサンタくんの暴言にいちいち怒ってたら、いつまで経っても変わんないもん。


「それで結局、どうしたの?」

「今日が何の日か、知ってるだろ?」

「え、終業式だよね?」

「……毎回思うが、伊月のそれは、わざとか?」

「???」


 わざとって……なにが?


 サンタくんが言いたいことがわかんなくって、あたしは首を傾げた。

 それを見て、サンタくんは特大の息を吐いた。毎回思うけど、サンタくんのその仕草、失礼だしすっごくムカムカするよ!


「一ヶ月前、何があった?」

「試験? あとは、節分とか……バレンタイン――」


 あ、ま、まさかっ!

 頭の中で日にちを確認。そして今日は間違いなく、3月の14日。

 となれば、サンタくんの用事って……!


「待たせたな。受け取れ」


 サンタくんがニヤッっと笑う。うう、ろくなことがないときの顔してるぅ!


「待ってないもん! それに、いらないよ!」


 慌てて首をブンブン振るけど、サンタくんはニヤニヤ笑ったまま。


「遠慮するな。俺との仲だろ?」

「いらない、いらない、いらないってば!」


 ジリッっと距離を詰めないでぇ!

 ほ、本当に、嫌な予感しかしないんだけど。こんなに妙にグイグイ押してくるなんて、絶対なにか企んでるよ!


「そんなに警戒するな」

「け、警戒なんてしてないもん!」


 精一杯強がってるのに、サンタくんにはそれがわかってるみたい。すっごく楽しそうだし。

 ううう、この変態ドエスサンタ! 悪趣味だよ!


「特殊なチョコだったからな。なにをホワイトデーにすべきか、俺は悩んだ」

「特殊って! あ、あれは、サンタくんが勝手にしたことだよね!?」


 あ、あああんなことするなんて、非常識だよ! 元々常識ないの、わかってたけど!


 うう、感触思い出しちゃった。

 つられてほっぺ熱くなってきちゃう。サンタくんのセクハラのせいで!


 バレンタインの日。あたしは色々あって、サンタくんにチョコを渡さなかったの。

 そのときに、サンタくんにかわりにって、ほっぺ……それも、唇にすっごく近いところを、な、舐められたんだよね。

 こう、ベロッと。犬とかじゃないんだから、そんなことしなくてもよかったのに!


 普通は、そんなことしないよね!? そんなことするから、サンタくんは変態眼鏡サンタなんだよ!

 あのせいで、あたし、数日間サンタくんの顔、まともに見れなくなったんだからね!?


 それなのに、サンタくんは全然気にしないで、いつも通り暴言吐いてくるし! ……気まずくなるのヤだったから、ちょっとは助かったけど。


「俺は事前に要求しておいただろ。その結果が、あのチョコだと思っただけだ」

「なんで!? なんでそう思うの!?」


 どう考えても、その発想はないよ!

 堂々とそんなこと言えちゃうなんて、サンタくんに恥って単語はないのっ?

 そんな、わざわざ顔にチョコつけてプレゼントする人なんて、いないよ!




 今回も読んでくださって、ありがとうございました。

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