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サンタくんと一緒!  作者: 梅津 咲火
サンタくんとバレンタイン!
3/16

そのさん!   『……カツアゲ?』

 短めです。次回は、倍くらいの長さになります。





 次の日。14日の放課後。

 図書室になかなか来ないサンタくんを探して、あたしは校舎内を歩き回ってた。


 それにしても、めずらしい。サンタくんって、絶対あたしよりさきにいるのに。

 体調が悪くて休んでるのかと思ったら、保健室にはいなかった。

 まさか、休みってことはないよね。チョコ持ってこいってあんなに脅して……じゃなくて、要求してきたんだから。それだけはない、はず。


 うーん……どこにいるのかな?

 キョロキョロと周りを見て、サンタくんを探す。


 サンタくんのクラスはもう行ったし、他の行きそうな場所は回った。だからあと残ってるのは、空き教室になってる3年のクラスぐらいなんだけど。でも、こんなところにいるかな?

 だけど、他はここくらいしかないよね。すれ違いになった可能性もあるから、一度見てから、図書室に戻ろっと。


 ……っと。あ、いたいた!


「サン……っ!」


 声をかけようとしたけど、教室にサンタくん以外にもう一人いたことに気づいて、やめた。


 な、なんか、物々しいというか、緊迫感が……。


 なんとなく姿を見せにくくて、あたしは扉の影に隠れた。顔を出しすぎないようにしなきゃ。

 サンタくんと女の子が、二人っきりで向かい合ってた。ここからは横顔しか見えないけど、サンタくんは眉間にしわを寄せてる。……もしかして、機嫌悪い?


 うーん……どうしよ。もう放課後だから、今渡せないと困っちゃう。明日渡すのも、サンタくんに文句言われそう。

 しょうがない。ちょっとここで待ってみようかな?


「で、用はなんだ?」

「う、うん……あ、あのね」


 強ばった表情で女の子は、後ろ手で持ってた包みを、サンタくんの前に出した。


「こ、これ! 受け取ってもらえる……かな?」


 ……カツアゲ?

 ま、まさかね! ……ごめん、サンタくん。一瞬、ちょっと本気で疑っちゃった。


 そういえば、バレンタインだった! じゃああれは……チョコ?

 あのラッピングだから、中身は多分手作り、かな?


「そ、それとね。三田みた君、あの……わ、私、三田君が、好きです。だから、その……付き合って、くれませんか」


 ……えっ!?

 こ、これって、告白?


 女の子は、緊張してる様子で、サンタくんをじっと見てる。


「悪いけど、俺は――」


 これ以上はあたしが聞いちゃいけない。

 だから、固まってた足を動かして、あたしは慌ててその場から離れた。



 ***



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