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サンタくんと一緒!  作者: 梅津 咲火
サンタくんとバレンタイン!
2/16

そのに!    『悪霊変態サンタ、退散!』

 !? はぅあっ!? お、お気に入り登録……、だと……!?

 あ、あああああありがとうございます!


 そしてそして、完結済みの「1月2日のサンタ」を評価してくださった方も、本当に、本当にありがとうございます!

 この場をお借りして、土下座します! 読者の皆様も、毎回読んで下さり、本当にありがとうございます(;A;)

 

 今回は伊月ちゃんの内情です。

 では、どうぞ!


 サンタくんにチョコを要求されてから、あたしは悩んでた。


 14日は月曜日だから、土日の間に十分に準備ができるはずだった。……はず、なんだけど。

 サンタくんにあげるにしても、買ったものなのか、手作りなのか。その時点でも、悩んだ。


 あたしはお菓子作りはあんまりしない。ううん、全くしないって言ったほうが近い、かも。一年に二回するかどうかってところだから。料理は時々するんだけど、ね。

 でも、サンタくんのことだ。買ったものをあげても、あの様子だと、何か文句を言ってきそうな予感がした。


 というか、遠まわしに圧力をかけられた。


『献上品は、この礼だよな。なら、心を込めたものを用意しろ』


 なんて、言われた。うん、明らかに釘を刺してるよ。

 だから、結局あたしは何か作ってみることにした。レシピ通りにすれば、食べられるものにはなるはず。


 なんだかんだで、サンタくんにはお世話になってるし。嫌いなものを克服できたり、勘違いではあったけど、合コンで涙が止まらなかったときは心配してくれたり怒ってくれたりもした。

 そのかわり、からかわれたり、皮肉も言われたりもするけど。でも、ちょっとは優しくされてることも知ってる。ほんっとーに、ちょっぴりだけど!


 そもそも、どうしてわざわざチョコが報酬なのかな?

 バイト三昧のサンタくんのことだから、お金に困ってないから? ……確かに、サンタくんに、何か奢れって言われるの、想像がつかないかも。逆に、『伊月の施しを受けるほど、俺は貧しくない』とか、言われそう。


 そっか、あたしに気を遣ってくれたのかも? ……サンタくんの性格に、かなり似合わないけど。


「よいしょ……っと」


 台所のシンクの上に、チョコの材料が入ったビニール袋を置く。あー重かった。ラッピングとか意外とかさばるんだ。

 土曜日は何を作るのか考えてるうちに一日が終わった。日曜日の今日は、買い出しとチョコ制作だ。


 レシピ決めに予想外に時間がかかっちゃって、ぶっつけ本番になっちゃったけど、これはしょうがないよね。

 作るのは、ビターチョコのトリュフ。混ぜて丸めるだけだから初心者でもできるって、そのレシピが載ってる本のページには書いてあった。


 ビニール袋から板チョコ、水飴、生クリーム、無塩バター、純ココアといった材料を並べて、買い忘れがないかの確認。作ってる最中に足りないのに気づいたら大変だからね!

 ……うん、買い忘れはないかな。


 棚にしまってるボウルとか泡立て器を取り出してから、さっそくレシピのページを見開いた料理本を近くに置く。まずは、食べれるのを作ることを目標にしよっと!


 そういえば、これって、何チョコなのかな?


 ……ぎ、義理だよね! な、何考えてるんだろ、あたし。

 …………。


 ……そもそも、あたしとサンタくんの関係って何なのかな?

 一ヶ月くらい前は、あえて言えば恩人? とは思ってた。けど……じゃあ、今は?


 ……わかんない。そもそも、サンタくんは、あたしのこと、どう思ってるのかな?

 おもちゃ? ガキ? チビ? ……う、自分で考えててムカムカしてきた。


 でも、サンタくん、最近はあたしのこと、チビとかガキって呼ばないんだよね。ちゃんと名前で呼んでくれる。呼び方が変わったのは……あ、そっか、あの合コンのときから、かも?


 ……う、うわぁあああああああああ!?


 釣られてつい、あの時のこと思い出しちゃった!


 気づいたら、まつげの本数が数えられるくらいの距離までサンタくんに引っ張られて寄せられて。

 それと、あたしの耳にかかってくすぐったかった、サンタくんの少し低めの声も。


『お前は、俺のものだ』


 サンタくんの幻聴まで聞こえたぁあ!?

 うわぁああああん、悪霊変態サンタ、退散!


 ううううう、一ヶ月も前のことなのに。あのせいで顔が熱いよぅ。


 ……そういえば、あれから、気のせいかもしれないけど、同じくらいサンタくんが触ってきたり、妙に顔を近づける回数も増えた、ような。なんでかな?

 あ、わかった、人肌が恋しいんだ! 最近、寒いもんね。先週も、雪降って積もったもん。体温で暖を取るなんて、なんだかサンタくん、ウサギさんみたい。すっごく、似合わないけどね!


 でも、いくら他の人とくっついていたいからって、何もあたしじゃなくていいのに。急に肩に手おかれたり、顔上げると眼鏡とぶつかりかけたりするのは、ちょっとびっくりしちゃう。心臓に悪いよ。

 毎回やめてって言ってるのに、サンタくんはニヤニヤ笑って聞いてくれないんだよね。


 ……ハッ! ま、まさかあれって、新しいからかい方の一種!?


 ますます反応したくない、かも。……だけどきっと、驚いちゃうんだろうな、あたし。だって、サンタくん自然とそういうことするんだもん。おまけに気配ないし。


 うー……いつか、いつか、絶対、ぜぇったい! 見返してやるんだから!

 それにはまず、このチョコを完成させないとね!


「よーし! 頑張らなきゃ!」


 気合を入れて、レッツ・クッキング、だよ!



 ***



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