こばなし! ホワイトデー編のおまけ
ネタが浮かべば追加しますが、とりあえずこれで二人の物語はおしまい。
活動報告であとがきを書きましたので、そちらもよろしければ。
それでは、最後までよろしくお願いします!
「そういえば、結局サンタくん、お返しくれなかったよね」
「なんだ? 伊月は不服だったのか? そうならそうと言え」
!? なんでニヤッて笑うの!?
背筋がゾクゾクゾクってするよ!?
「そ、そうじゃないけど!」
「……ふぅん? ならいいが。あと、そう言う伊月も、人のことは言えないだろ」
「そう、かもだけど……」
う……確かに。あたしのはあげたって言ってもいいのか、わかんないかも。
チョコの代わりに、なにか大事なものを失ったような気もするけど!
納得できなくって、微妙な表情になっちゃう。
「……仕方ない。俺は優しいからな、甘い食い物でもおごってやる」
「え……本当!?」
「ああ」
うわぁ、うわぁどうしよう。前考えてたシュークリームはもう食べちゃったからな~。
「じゃあじゃあ、あたしモーモー印ミルクソフトアイスがいいな! 期間限定ホワイトショコラ味が食べたい!」
「駅前の店が出してるやつか?」
「そうそう!」
トッピングにホワイトチョコソースをた~っぷり使ってるんだよね!
「わかった。次の日曜、俺の貴重な時間を割いてやるから、感涙しながら首洗って待ってろ」
「泣かないよっ? それに首洗ってって、おかしいよね!?」
表現変だよ! あと相変わらず自分大好きだね、サンタくん!
ん? あれ、なんかサンタくん、渋い顔になってる?
「……感想は、それだけか?」
「え? うん」
なに? もっと喜べってこと?
サンタくん、どうしてそんな眉間にしわ寄せてるの?
「……全然わかってないな、こいつ」
「? なにが?」
「はぁ」
特大なため息をこれ見よがしに吐かれても、全然わかんないよ。理由ぐらい言ってくれないと。
しかも、バカにしてる感じじゃなくて、呆れてるっぽいのがすごく嫌だよ。
「…………えばいいか」
「? サンタくん、何か言った?」
「いや、何でもない」
??? そう? でも確かになにか言った気がしたんだけどなぁ。
あとなんで機嫌元に戻ってるどころか、すごく良い笑顔になってるの?
あの時、ボソッとサンタくんが一言不穏な言葉を呟いてるのを、あたしは幸いにも耳に入らなかった。
「……まぁ、調教しがいがあると思えばいいか」
日曜日に、手をつながれたりアーンされたりでサンタくんに振り回されて、ようやくそれがデートだったってことがわかるのは、別のお話。
これで一端、伊月とサンタくんの物語は完結となります。
当初、「1月2日のサンタ」のみの短編として構成を練っていました。
それが、気がつけばここまできてしまいました。
きっと伊月とサンタくんは、これからもこんな調子で過ごしていくのでしょう。
ときに周りを巻き込み、騒がしく、けれど明るく。そんなふうに。
それでは、読者の皆様と別の作品でまた会えることを願って。
読んでくださったあなたに、最大限の感謝を!