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なんちゃって三国志(旧)  作者: 北神悠
4章 時代の幕開け
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第七十八話 どうしておネエになったのか

 ちょうひさんの突然の豹変に、なんの心当たりもない俺はとりあえず一番事情を知ってるであろうりゅうびの下に向かった

 なんせ、りゅうびは護衛も兼ねて基本的にちょうひさんと行動を共にしていることが多い

 あの筋肉馬鹿のちょうひさんが、外で戦う時はりゅうびが起きるまで筋トレを我慢しているというのだから、忠誠心も含めこれ以上優れた護衛はいないだろう


 ひとつ例外を言えばかんうさんだが、そこはさすがに男女、しかもりゅうびは扱いが難しい年頃だからな

 かんうさん自身も自重している部分もあるだろう


 そう言った意味では、りゅうび軍は異様なほどまとまっていると言っていい

 兵士達もりゅうびがかかわらなければ、規律をしっかり守るし、仕事もきっちりこなす

 りゅうびに迷惑をかけたくないっていうことが理由であるにせよ、それを体現できるのは彼ら自身の努力に変わりない


 劉好団りゅうはおだんの連中も少しは見直してやんないとな


 

 ある意味、偶然とは本当にすごいものだ

 りゅうびの天幕に行く途中、かんうさんと劉好団の幹部連中に出くわした


 正直このタイミングで会いたくはなかった

 まぁ、やましいことがあるわけではないが、りゅうびに用事があるときに最も出くわしたく連中だった

 かんうさんを含め普段は不愛想ではあるが、真面目な彼らだが、りゅうびが絡むと本当に面倒くさい


 まず不必要に理由を詰問され

 真っ当な理由を言っても勘ぐられ

 いつの間にか悪意ある妄想によってろくな目に合わないのである


 まぁ、俺も学習して、道具ライブチケット話し合いたしざんひきざん交渉ちょううんなどを駆使して今では割とスムーズに通してもらっている



「おお、小僧、どこに行くんだ? 」


 相変わらず、かんうさんの睨みは強烈だ

 黙って笑っていれば好青年にも見えなくもないんだが、身内でそんな取り繕いなんかしているわけもなく平然とガンを飛ばしてくる(ように見える)

 

 俺は特に誤魔化しもせず、素直にりゅうびのとこだと答える

 ぶっちゃけ、嘘ついてバレたら俺の生命がヤバイからな

 この後、いつもどおり面倒くさい詮索に覚悟を決める


「そうか、引き止めてしまって悪かったな、仕事頑張れよ小僧」


 しかし、かんうさんから帰ってきた言葉は予想外のものだった

 俺は、思わず聞き返えしてしまいそうになったが、すんでのところで口をつぐんだ

 素直に通してくれるんだから、余計なことをしないほうがいいと判断したからだ


 俺は、口々に激励の言葉をかけてくれる劉好団の幹部の連中に適当に相槌をうち、そそくさとりゅうびの天幕へと逃げるように進んだ


 ありえないことが起きている

 絡まれないに越したことはないが、現在りゅうび軍で起きている事態に俺は焦りを覚えた


 ちょうひさんに続き、かんうさんも訳のわからないことを言い始めた

 いや、正常な人間ならさっきの応対は普通なんだが、発言者があのかんうさんである

 今から単身でりゅうびに会いに行きますっていている俺をただで行かせるなんてありえない

 劉好団の連中も同じだ


 昨日まで真面目一辺倒だったクラスのメガネ君が、次の日急に女装しておネエなってたくらい俺にとては信じられない急変ぶりであった


 俺はどんどん嫌な予感がこみ上げてきた

 うん、これが夢であることを願いたいが、夢オチなんてベタな展開で終わらせてくれないだろう、既につねりすぎて頬が痛い


 そして、りゅうびの天幕に着くと

 もうやっぱりなんていうか、想像通りに異常なことになっていた


「おお、こーめー」


 いつものようにだるそうに椅子に腰掛けているわけでもなく、だらしなく寝そべっているわけでもなく、薄手のシャツと半ズボンを履いて元気にスクワットをキメている主君りゅうびの姿があった


「お、おまえ、なにやってんだ」


「ん? 見てわかんないのか? 筋トレだよ筋トレ、あたしは筋肉をつけてるんだ」


「いったいなんで?」


 俺がそう疑問を口に浮かべると、りゅうびは突然顔を真っ赤に染めて

「別に、お前にかんけーないんだからな」

 とかなんとか、わけのわからないことを口走り始めた


 取り付く島もなく、既に前の二人で気力削り取られた俺は、無言で踵を返し、りゅうびの天幕を後にした


 突然のりゅうび達の変貌っぷりに気疲れした俺は、心を落ち着かせるために自分の天幕まで帰ってきた 

 中に入ると、そこには鎧を脱いだラフな格好のちょううんが、自分の体を見つめていた

 俺が帰ってきたことに気づいたちょううんは、自分の体を抱きながら心配そうな面持ちで尋ねてきた


「こーめー様、そのっ……わたしの躰には魅力がないですか?」


 本日4度目の爆弾は、この混沌としたりゅうび達の中で唯一の心のオアシスだと信じてやまなかった、ちょううんから落とされた


 りゅうびまでおかしかったから、別に不思議なことではなかったが

 俺はどこかでちょううんはいつも通りだって信じていた


 くそっ、それが、それがこんなことになっているなんて

 どーしてこうなった!!!!


「あの……やはり、わたしの躰では」


 ちょううん、そんな悲しそうに俺を見ないでくれ

 というか、誰だ、俺のかわいいちょううんにこんなおかしなことを言わせたのは


 俺が真相を絶対暴いてやる


「こーめー様……」


「とりあえず、ちょううん、お前は今のままで十分だから、少し落ち着いてくれ」


「はうっ、またわたしはこーめー様にご迷惑を……」


 こーめーが、ちょううんをなだめるのにそれから二時間ほどかかった

 すっかりあたりも暗くなる中、やっとこーめーは事件の調査に乗り出した

うーん、メガネ君には何があったのか

次回、第七十九話おネエ道とは



嘘です、すみません

ちょっと間を開けてしまったので、一気に解決編まで行きたいです

一応、発端編、進展編(今ここ)、調査編、解決編の4部構成の予定です

虎牢関も進めないといけませんし、あの武将やこの武将も設定だけが先走りしているので、早く暴れさせてやりたいです

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