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なんちゃって三国志(旧)  作者: 北神悠
4章 時代の幕開け
70/80

第七十話 空飛ぶ船

何とか更新できました

戦いは一気に行きたいですからね

汜水関戦第三話目です

「かっ、かゆう将軍!」


「どうした? 後ろの敵に増援でも現れたか?」


「いっ、いえその、それが……全く逆で、太鼓の音と声だけで一向に攻めてくる気配がないんです」


「なんだと」


 かゆうが目を細めて、思考を巡らす

 

 なぜこの場面で攻めて来ないんだ

 あくまで、向こうはこちらの気をそらせるだけが目的なのか?

 いや、私なら予備兵力があるように見せつけながら、全部隊で汜水関の射程圏外ギリギリを包囲し、プレッシャーをかける

 それでは、敵はなんで出てこない

 はっ、そうか、しまった、なんで気づかなかったんだ


「後方の敵は偽物だ! くそっ、大事な戦力と時間を無駄にした! おい、すぐに伝令だ、下の守備兵2000を残して残りは前に呼び直せ!」


「し、しかし、我らが引いた瞬間に一気に押し寄せてくるやも……」


「その可能性はほとんどない。仮に攻めてきても城壁と守備隊で援護を贈るまでくらい耐えられるだろう、それよりも、今は目の前の敵と、側面からの……」


 ズゴゴゴゴ


 突然、地鳴りのような音が汜水関鳴り響いた


「何の音だ!」


「現在確認中ですが、どうやら右の斜面から聞こえてくるようです」


「右の斜面だと、っ! 手に余裕があるものはすぐに右側に兵力を集めろ!」


「かゆう様、いったい何が」


「説明はあとだ、右から敵の本当の奇襲が来る」


「なっ、くっ、右翼後列は右側の奇襲に備えよ」


 司令部からの突然の急報に城壁右翼は一気に混乱に陥った

 そして、地響きはどんどんと音を増し、右翼が迎え撃つ体制をとる間もなくその姿を現した


 それは、本来この場にあるはずがないものであった

 しかし、それは右の斜面から城壁に向けて降ってきた


 そんけんの旗をなびかせた、中型の船であった


 船は汜水関の城壁の上の敵兵を吹き飛ばしながら、ゆっくりと停止した

 そして、中から剣を携えた赤髪の女性が現れた


「さぁ、ここでの手柄はあたしたちのもんだよ。全員突撃!」


 彼女の号令の元、船の上から、壊れた船体の穴から、自ら開けた穴から赤を基調とした鎧をつけた兵士たちが溢れ出した


「「「うおぉぉぉぉぉぉおおおおお!!!」」」



 しかし、敵もただそれを眺めているわけではなかった

 いち早く現実に復帰したかゆうは、本陣を部下に任せ、近衛を連れて陣頭指揮に移り、各司令官はかゆうの激によりそんけん軍に対峙した


「敵は少数だ、落ち着いて対処しろ」


「おう!」



「ていふは200連れて残った側の弓兵を任せる」


「……はっ」


「かんとう、城門は任せたよ」


「御意」


「そぼう、あたしは大将首を狙いに行く、お前には後ろを任せたよ」


「了解しました、そんけん様、ご武運を」


「お前に心配されるまでもない」


 わずか数秒の指示で、そんけん軍の将たちは各々のすべき行動に迅速に移る

 これに対し、とうたく軍は後手にまわざるを得なかった


 特に、城門はなんとしても死守しなければならず、しかしだからといって、城壁からの弓を止めてしまえば、いくら精鋭に守らせているとは言え、外の連合軍本隊は多勢に無勢、いずれは城壁に取り付いてしまうだろう

 というように、とうたく軍は今まで、城壁向かって攻めてくる敵をただ攻撃していればよかったの状態から、一気に多面的な戦いが必要になった

 また、現在本来の弓兵ではなく、予備兵力も混じっているため連携力が低く、多くが近接戦闘を考慮していない弓兵や矢を運んだり城壁を修理するためにまともに武器を持たない兵士であったために、混乱はさらに広がった

 

 それに対して、そんけん軍はわずか700ではあるが全てが精鋭で、作戦も十分に伝えられていたため、一糸乱れぬ動きができたことも、敵の混乱を深める要因となった


 そして、これだけに状況にただ見物しているだけのはずがない男は、この状況に口角をあげていた



 

なるべく早く次を上げます

誤字脱字等はすみません

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