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月下美人
平凡な時間ばかり通り過ぎていた私
初めて私の時計のビックベルがなったときに
あなたが目の前に立っていた
灰色の空から鉛の雨が降り続く毎日が
いやでたまらなかった梅雨のある日
学校の帰りにふと立ち寄った本屋の隅のほうに
背中を丸めて濡れ鼠のように参考書を探していたあなた
まだ降り続く雨の中に二人して相合傘で
家路に向かうとき空から降る雨粒が
まるでカラフルなキャンディーに思えてきた
夏祭りへ一緒にいく約束をした私は
浴衣を選びながら鏡に向かって祈った
「一夜限りでもいいからどうぞあの月下美人のように輝いて咲くことが出来ますように」
あなたと二人で歩く神社の空には真ん丸い月が輝いていた




