めろん、病気じゃないもん
「ちぇんちぇい、めろん、ちょっとしんどい。先生の病気、移った。」
めろんちゃんの自宅で、清水先生と話している。
「こら、勝手に人を病気扱いするんじゃない。しんどいなら病院に一回行ったほうがいいんじゃないか?」
清水先生が言った。
「美容院?行ってみたい!!」
めろんちゃんがボケた。
「病院だ!!」
清水先生がつっこんだ。
「んじゃ、連れてって、病院。」
「(くそ、お金のっかるやつだ。)」
清水先生は、渋々めろんちゃんを内科に連れてった。
とある内科クリニックにて。
「とりあえず、血液検査して、何の病気か調べますね。」
看護師さんが言った。
「えー、血摂るの?!めろん、痛いのやだ。別の病院にしよー。」
「どこ行っても同じだ。一瞬だけだから我慢しろ。」
清水先生が叱った。
数十分後。
「はい、結果が出たので、先生に診てもらいましょうね。」
診療室にて。
「んー。そうですね。特に珍しい病気でもないんですが、近頃の子供に流行っている『中二病』ですね。」
病院の先生が真剣そうに言った。
「(え?中二病?え?病気なの?中二病って。違う、違う。めろん、普通に話してるだけだもん。)」
「あー、頭の中でそうやって自分のセリフを聞いているあたりが完全に中二病ですね。」
「(ぐさ。まさかのストレートパンチ。もうちょっといたわって。)」
「まー、年齢を重ねるごとに、脳も成長するので、自然と治ると思いますよ。特に心配いらないでしょう。」
「(く、そんなに痛い目で見ないで。)わ、わかりました。ありがとうございました。」
めろんちゃんが精神的にショックを受けた様子で言った。
帰宅途中。
「お前、中二病だったのか。良かったな。大きな病気じゃなくて。」
「いや、中二病じゃねーわ。てか、なんだよ、中二病って。そんな病名ねーわ。」
めろんちゃんが大声で言った。
「先生、ちゃんと見守ってやるからな。心配すんな。」
「うっせえわ。」
不機嫌なめろんちゃんをなだめる清水先生なのであった。