表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/48

透視くんは使える子ですか?

麻婆豆腐っていい匂いがしてすきです。

「アリオー大丈夫か?」

「はっ!だ、大丈夫です兄さん!」


 いかんいかん。女神への憎悪を膨らませていたら思考がトリップしてしまった。

慌てて兄に返事をし、まだ見ていない透視というスキルをタップする。

こういう異世界転生の定番って言ったら鑑定スキルのはずなんだけど、透視ってなんなのだろうか。

正直前の称号達のインパクトが強いせいで、まともなスキルだとは思えない。

***

【透視】

対象のステータスを見透かすことが出来る。

対象の弱点を看破する。

選択した対象を透過して見ることが出来る。

使用MP0

***

「……へ?」


 ん?なんか急にチートみたいな詳細書いてあるけど、これは本当に合っているのか?

そ、そんな馬鹿な…!急に神が俺に優しくなるわけないだろ!


 ゴシゴシと目を擦りもう一度ステータス画面を見るが、透視の詳細は変わることなくステータス画面に記載されている。


……神…なんでここだけ優しくした……?

今までのステータスを見てると、俺はただの激弱ゴミ人間だったのに、急にここだけ使える子になったぞ?

ステータスの割合的には、飴が1に鞭が9だけど、感覚的には1の飴が10に感じる。

いや、盛ったな。せいぜい3がいい所だ。他のバステの存在が大きすぎる。


「なんか考え込んでるな…」

「あーはは…ちょっとね……」


 説明するのも難しい為言葉を濁すと、兄は「大丈夫か?」と笑った。

…本当に説明しづらいんだよな……

正直詳細だけ見ると、この透視のスキルがあるからといって、俺が戦えるわけではない。

完全に使えない俺から、数ミリ使える俺になるにはデバフ称号達をどうにかしないといけない。

まずは唯一完全に安全だと言える透視を試してみるしかない。


「ねぇ兄さん、ちょっとお願いがあるんだけど…」

「どうした?」

「嫌だったらやめるんだけど……兄さんのステータス見てもいい?」


 ちょうど目の前にいる兄に、失礼を承知して頼んでみる。

いくら家族といえど、ステータスを覗くのはプライバシーのどうたらこうたらに引っかかる…気がする。

別に堂々と宣言してスキルを使うものでもないのだが、最初に秘匿することの出来る祝福を打ち明けてくれた兄には、隠れてステータス見るなんてことはしたくない。

知られることはほぼないとは言え、兄も気分がいいものではないと思うしな。

もちろん兄が嫌がれば無理強いはしない。


「いいぞ」

「やっぱり駄目で…え?」


 断られるという予想とは裏腹に、カリスは即答する。


「え、あの、ステータスを見るんですよ?」

「あぁ、分かっているよ」


 迷わずそう返してきたカリスに俺は少し心配になる。


「何か勘違いしているようだけど、これはアリオにとって大切なことだぞ」

「え?」

「鑑定するのにいちいち聞いてたら、アリオは鑑定持ちだって周りに一気に知れ渡る。それはアリオも嫌だろ?」


 頷くと、カリスも同じように頷く。


「だからこれは、遠慮なく見ろっていう了承だ」

「!…あ、ありがとうございます!」

「ただし、あまり口外しないようにな」

「はい!」


元気に返事をすると、カリスは満足げに笑った。

なるほど、確かに自分の手の内がバレるのは避けたい。厳密に言えば鑑定ではないけど、それに準ずるものは狙われてもおかしくない。

俺のステータスは言わずもがなゴミな為、狙われたら終わる。

終われないのに終わりが確定してしまう。


「じゃあいきますね」

「あぁ、それも次から言わなくて大丈夫だからな」


 兄の忠告を聞きながら、スキルを使用してみる。初めて使う為、どう使えばいいのか分からなかったが、不思議とそれは意識をするだけで発動した。


***

カリス・シーディア 種族:ヒト族

[祝福]

預言者

[称号]

・次期領主

・孝行者

・努力家

***

見れたものはこれぐらいで、どうやらHPやスキルは見れないらしい。

まぁ本で読んだ限りだが、鑑定はスキルなども見ることが出来るらしいから、これが鑑定とは違う所なんだと思う。劣化版と言われればそうとしか言えないが、パッと相手との相性を見るにはいいかもしれない。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

面白いと感じたらいいねしてくれると嬉しいです!

感想等も受け付けております。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ