俺と確認とふざけたスキル名
「……お?」
「アリオさん気がついたんですね!」
目が覚めると、星が沢山光る空が目に入る。
すぐにこちらに気付いたスーリアは、何を思ったのか体をペタペタと触りだす。
「痛いところとかないですか?変なところとか…」
「大丈夫大丈夫!むしろ死んだ後ってなんかすごく調子いいし」
なるほど、怪我がないかのチェックだったか。
心配するスーリアにそう返しつつ、寝ていたことで変に固まった体をほぐし始める。
回した肩はバキバキと鳴って、これでダメージが入らないか心配だ。
「なんかすごい音してませんか!?」
「大丈夫だって!多分寝過ぎただけだし!」
「無理は駄目ですよ。危うく落馬しかけたんですから」
「ユキト!そうだ、ユキトの方こそ怪我はない?」
火の番をしていたユキトからコップを渡される。
中を覗くとスープが入っていて、温かい湯気と共に良い匂いがしてお腹が鳴る。
「二人のおかげで怪我一つありませんよ」
「なら良かった!あ、スーリアから諸々色んなことは聞いた?」
「はい。アリオくんにスーリアさん、そしてゴーダさんにはお礼をしてもしきれないです…」
「ゴーダさん?」
記憶を掘り返してみるが該当する人はいない。そんなチーズみたいな人いただろうか。
頭に大きなクエスチョンマークが浮かんでいる俺に気付いたのか、酒場の店主だとスーリアが教えてくれる。
「お礼も言えないままで心苦しいです」
「挨拶もままならない状況でしたからね…」
「あーそれなら大丈夫だよ」
「アリオさん、それはどういうことですか?」
「俺出てくる時に少しだけどお金を置いてきたんだよ。って言っても出所はスーリア達のお金なんだけどさ」
そう。荷物は全てストレージにしまった。
でも俺はストレージの中から、二人から預かった資金の一部を取り出して部屋に置いてきた。
手紙とかは付けられなかったけど、あの店主だったら意図を組んでくれそうな感じがするし大丈夫だろう。
「と言うわけで気にしなくて大丈夫」
「全然気付かなかったです…」
「いやー二人とも勝手にお金使っちゃってごめんね」
せめてスーリアには一言聞けば良かったなと今になって思うが、二人は気にするどころか俺の行動を凄いと褒めてくれた。
「アリオさんは細かな気遣いが魅力的ですよね!」
「いやいやそんな…当たり前のことをしただけだし」
「その当たり前はなかなか出来ないものですよ。馬乗っている時にも、俺たちのことをずっと支えてくれてましたし」
「二人とも褒めすぎだよー!俺調子乗っちゃうからそれぐらいで勘弁して…!」
照れ隠しにスープを一口飲むと、ホッとする温かさが身体中に広がる。
その温かさを感じつつ、これからどこへ向かおうかなーとぼんやり思考を巡らせる。
そういえばと視線を彷徨わせると、成り行きで連れてきてしまった馬がもぐもぐと美味しそうに草を食んでいる姿が目に入る。
二人がこうして休憩をとっているから、恐らくカヌゥからは相当離れた筈。
問題はこの後どこへ向かうかだ。
「それにしても…アリオくんが意識を失った時には流石に肝が冷えました」
「私も思い出すとまだドキドキします…!」
「あははー…俺もあのタイミングで自分の負の称号が働くと思わなかったな……」
どのタイミングで来るか分からない死は、やっぱり対応が難しい。
その点今回のは二人が揃っているタイミングで良かったとは思う。でもいきなりああいった死に方をするのにはまだ慣れない。
というか慣れたくないね!
「目が覚めてホッとしました。人の死とは恐ろしいものですね……」
「生き返ると言われても、怖いものは怖いですよね……」
生き返るまで待っていた時間を思い出したのか、二人は半泣き状態だ。
わりと時間がかかるし、死んでるから反応はない。それはとてつもない不安を呼び起こすだろう。
二人の頭を撫でつつそう考えていると、そういえばまだ夜が明けていないことを思い出す。
気を失ったのは時間にして零時回ったところだろう。
確か最後に不死者を確認した時には、蘇生にかかる時間は半日だった。
…あれ?俺もしかしてあれから不死者の効果確認してなくない?
というか王子訪問やらストレージショックやらで、そもそものステータス確認を忘れていた気がする。
「うわぁ…」
「アリオさん?」
「どうかしましたか?」
「なんでもない!なんでもないです!」
慌ててステータスを開いた俺は、増えた文字列とその異常さに思わず変な声を出す。
首を傾げた二人をなんとか誤魔化すが、スーリア達は尚更不安そうな視線をこちらに寄越す。
やめてよー…そういう表情に俺弱いんだよー……
なんか二人が待てと言われた仔犬のようで、罪悪感に苛まれる。
でも違うんです。大したことじゃ…いや大したことなんですけど違うんです。
***
NEW
・ファイアーアロー
・ファイアーウォール
・多重詠唱
・大喰らい
・痛いの痛いの飛んでいけ☆
・ここは俺に任せて先に行け!
を習得。
▶︎『不死者』の効果が一部書き変わりました。
不死者:決して朽ちることのない肉体を持つ。
体力が尽きた際、自動で体力を最大まで回復。身体機能も修復する。
肉体の修復に二時間を必要とする。
永続発動。
***
どこから突っ込んでいいか分からない文字列。
でもこれだけは言わせてほしい。
なぁ神よ…スキル名もっとなんとかしろよ…
〜神きらの料理事情〜
アリオ→前世で一人暮らしをしていたので作れるが、男飯。
スーリア→おばあちゃんと料理していたのでできる。火の扱いが少し怖い。
ユキト→食べるのが好きなので人並みには料理ができる。量が多い。
カリス→綺麗なダークマター作成者。
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