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第7話

「最低。信じらんない」


「ごめん」


「謝るくらいなら最初からやんないでよ」


「本当にさっきは魔が差したっていうか…」


現在私はベッドの前で仁王立ちをしている。ベッドの上で正座してるのは昴だ。

なんで怒っているのかって?さっき私を催眠術みたいなのを使って眠らせたから!

もう本当に信じらんない!


「だいたい私は学校の課題があるんだからね。勝手に眠らされたらまずいの、わかる?」


「うん……」


「じゃあもうやんないでよ。もし次そんなことしたら私が昴を天界に送り返してやるから」


「わかった」


ふう。とりあえず怒るのはここまで。課題やんないといけないし。

私は一息つくと通学用のバッグから課題と筆箱を取り出して机に向かった。


「課題って何?」


「漢文と古文」


「苦手?」


「あんま好きじゃない。現代文は簡単だから好きなんだけど」


私の斜め後ろから昴が覗きこんできた。ふむふむとか言いながら課題の問題集見てるけど…え、何?わかんの?


「なんだ。馨が難しいって言うからどれほど難しいのかと思ったら…大したことないよ。私が教えてあげるからさっさと終わらせよう」


「あ、うん」


それから一時間。

結果から言うとめちゃくちゃわかりやすかった。ぶっちゃけ学校の先生よりわかりやすかった。


「ありがとう昴。いつもならこれ終わらせるのに三時間はかかってたんだ」


「なんだ。そういうことならこれから毎日教えてあげるよ」


「いいの?」


「その代わり…」


「ん?」


喋りながら昴は私の頭をぐしゃぐしゃ撫でた。いや、何故このタイミングで?


「毎日添い寝してよ」


「だが断る」


「お願い!!」


「だーめーでーすー」


両手を合わせてお願いされるも私は見向きもせずに鞄に勉強道具をしまう。


「ね、だめ?」


「だから何度言われても…あ!昴、条件つきならいいよ」


「ほんとに?」


これうちの神社に来てる人が見たらどう思うのかな……ってくらい良い笑顔です昴さん。

なんかもう耳が見えてきそう。さすがは狐、イヌ科なだけあって喜び方が犬みたい。なんかかわいい


「ごほん。まずひとつ、人間に変化しないこと!」


「ええー…」


「嫌なら学校で勉強するから家に居る時間も短くなっちゃうよ?」


「…仕方ないなあ」


頬を膨らませる昴を尻目に私はソファ代わりのベッドに座った。


「もうひとつは、毎日添い寝はだめ!毎日は私が無理!後で昴用にソファ用意してあげるから」


そこまで言うと昴はちょっと考えてから、それじゃあ起きてる間ずっとこうしてるとか言いながらくっついてきた。


「え、ちょっと…」


「もう課題無いんでしょ?」


「無いけどさ…」


どもる私に昴は本気で意味分かんねえって顔してる。理由なんて簡単だよ。私の心臓が持たないの!!恥ずかしくて!!

第一今まで男っ気全く無かった私がこんな過度なスキンシップ堪えられるか!しかも相手人外とは言えども昴の顔、私の好みど真ん中なんだよ!!


「ああ、そういうこと」


「はっ?」


「全部声に出てたよ」



昴が笑顔でさらっと重大なこと言いました。


「冗談?」


「本気と書いて…」


「マジですかあああ!!」


「嬉しいこと言ってくれるね、馨。私も馨の全てが好みだよ」


「私そこまで言ってないから!」


もう恥ずかしいからほんとに!くっつかないで!やめて!

2019/10/21 転載及び加筆修正

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