表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私は聖女になる気はありません。  作者: アーエル
第二章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

33/43

第33話


このオルスタ村が『時の流れ』が遅くなるのは、外部からの訪問者が現れなくなってから。


「気付いたのは、エブリスタ姫が従者だったサルファと結婚をし、始めての子(メイシェル)を産んだ頃でした」


両陛下へ手紙を送るとすぐに返事が届いた。


『三年ぶりにお会い出来るのが楽しみですわ』


最後に書かれていた一文。

前回、両陛下が村を訪れたのはエブリスタ姫が結婚された2年前。この時は1年のずれで、『ただの勘違い』と思い特に気にならなかった。



しかし、メイシェルの誕生で『ただの勘違い』では済まないことが判明した。


メイシェルの成長を見れば(おの)ずと分かってくる。

村の中では変わらない日々。しかし、両陛下がメイシェル誕生の翌年に村を訪れた時、村はまだ半年しか(とき)は流れていなかった。


「そのため、両陛下はこのオルスタ村を表舞台から隠したのです」


「王を継ぐ者には、口伝で伝えられています。『双子の王子と王女』のこと。『オルスタ村は触れてはならぬ聖域である』こと。私の曾祖父(そうそふ)が好奇心から50年前に禁忌を破り、歴史に埋もれたオルスタ村を表舞台に引き摺り出してしまったのですね」


「おい、ナシード」


「3年もかけない。引き継ぎをしてくるだけだ」


ナシードの心がシュリに流れてくる。


ナシードはオルスタ村の記録を消してくるつもりだ。そして、他所へ向かう途中で事故か襲撃で『表舞台から消えてくる』つもりなのだ。


「良いのだな」


「ああ。私には後継者もいない。『私の代でオルスタ村の口伝を歴史の中に(うず)める』のもいいだろう」


「ですが、陛下。この村の存在は・・・」


「それに関して何だが・・・。私がこの村に来る回数を減らしたため、この村はすでに『人々の記憶から薄れている』んだ。もうすぐ、精霊たちが入り口を塞ぐだろう。それまでに必ず戻る」


「・・・分かった。お前はすでに『この村の住人』だ」


「ああ。分かっている」



ナシードが城からオルスタ村の記録をすべてオルスタ村へと移し、自分の側近たちとオルガの育ての親と呼べる神官長を連れて移住してきたのは村の時間ではきっちり1年後。

村の外では2年後のことだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ