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私は聖女になる気はありません。  作者: アーエル
第二章

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第25話


久しぶりに寝台で休めた一行は、早朝に神殿を後にした。(はや)る心が馬を走らせようとするが、自分たちの愛馬でも騎馬用として調教された馬でもない。勝手に借りた馬で、もちろん返却しなくてはいけないのだ。


そんな彼らが王都に近付くにつれて違和感を覚えていった。


城門は閉ざされているが、城壁上にいる兵士たちに殺気だったものはない。通常の警備と同じ配置だ。かれらの一人が騎士たち一行に気付いた。

先頭の騎士が彼らに分かるよう、胸元から出した長さ15センチほどの五角形の胸章(きょうしょう)を高く掲げる。


「我らは、オーラル王子。スターリン王子の護衛騎士です。どうか開門をお願い致します」


「あい分かった。開門(かいもーん)!」


重々しく金属の鎖が鳴り響き、人間の高さより四倍はあると思われる両開きの門扉がゆっくり開かれていく。一行は下馬し、手綱を引いて馬を落ち着かせる。王都より離れた地で生活する馬は、門扉が開閉する音に慣れていないのだ。

3メートル近い幅まで開いて門扉は止まると、一行は馬を引いて城門を(くぐ)り城下町へと入っていった。






「モーラス!お前たちも無事だったか。王子たちは如何(いかが)された」


「騎士団長。そのことで話が御座います。まず先に、魔物の襲撃はどうなったのかお教え頂けますでしょうか?私どもは、運良く魔物が入り込めない場所に逃げ込むことができました。そのため、急に魔物の唸り声が消えたこと以上の事は分かりません。途中で立ち寄った町でも『急に魔物がいなくなった』としか分かっていませんでした。そして、我々は此処に着くまで魔物と一度も遭遇しておりません」


騎士団長は部下の言葉を聞きながら頷いていたが、部下の話が終わると「これは信じられない事だが」と前置きをして話し出した。


城壁を取り囲んでいた魔物と睨み合うこと数日。大型や飛行タイプの魔物が現れ始めたことで、兵士たちは撃って出ることを口にし出した。彼らは生命を捨てるつもりはなかった。ただ、この城下町には大切な家族がいる。そのため『攻撃こそ最大の防御』と訴えたのだ。

王都を覆う結界が魔物からの攻撃を防いでいたが、数百もいる魔物の一斉攻撃を繰り返し受け続ければ結界が壊れてしまう可能性もあった。


そして撃って出る日の朝・・・。地表から光が溢れ出すとともに、城壁を取り囲んでいた魔物たちは光とともに消滅していった。


それは、やはり『王子の手に水晶が吸い込まれた日』だった。



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