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浪人生、ダンジョンと歩む  作者: 荒木空
第2部~駅近ダンジョン~
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猿渡の仲間達


 お久し振りです。覚えておられる方はいらっしゃるでしょうか?

 先日この作品に寄せられた感想に対する返答を活動報告にて行いました。ソチラの返答をしていて続きを書く意欲が湧いた為の更新です。


 感想への返答について気になる方は、活動報告の記事の上部分をしっかり読んでからお読みください。


 今話の完成度は更新していた当時より幾段か落ちてるかと思いますが、ソコはブランクという事でご容赦いただけると嬉しいです。


 今後ともよろしくお願いいたします。




 「改めてサンキュー猿渡。にしても、なんでコイツが無くなった程度であんな騒いでんだよアイツ等」


 相棒で肩を叩きながら言う。


 「気にすんな。ソレについては、まぁ、さっきはあぁ言ったが、実際お前のバットは探索者の願掛けとしては非常に優秀だからな」


 「はぁ?たかが金属バットだぞ?」


 「お前のバットが普通の金属バットな訳ないだろ!なんだよその重さ!何トンって重さを運べる重機すら持ち上げる事が出来ない金属バットなんて聞いた事ねぇよ!しかもそれを軽々と振り回せるお前も普通じゃねぇよ!」


 「あー、傷付いたー。遠回しにまた化け物って言われたー。猿渡君は加藤君の事、また化け物って遠回しに言ったー。これは加藤君も泣かずにはいられないわー」


 「棒読みじゃねぇか!!てかあんだけ気にしてたのに自分からそのネタ振るとか、どんなメンタルしてんだよ…」


 「落ち込んだ後にお前がケアしてくれたじゃねぇか。だからアレはもう笑い話だよ。


 まぁ?どっかの誰かさんは?泣くほど思い詰めてるみたいだけどなぁ?」


 「だからソレはもう良いって!


 ……てか、まだ半月だろ…?その、お前はもう良いのかよ?」


 「今のが答えだが?」


 言って左拳を猿渡に向け突き出す。

 猿渡は驚いた表情(カオ)をした後、また泣きそうな表情(カオ)しながら、「悪い、俺はもうちょい掛かりそうだ」と言った。


 別に無理させる気は無い。俺には俺のペースが有るように猿渡にも猿渡のペースが有るんだ。俺がたまたま早かっただけだ。焦る必要は無い。

 だから「あ、そ。じゃあいつでも待ってるから、整理がついたらまた居酒屋に連れてけ」とだけ言ってこの話を終えた。


 終えたところで「ところで、」なんて在り来たりな言葉で話題転換を示して猿渡の仲間を見る。


 「紹介してもらえるか?たぶん、物凄く気になってるだろうから」


 俺の指摘で猿渡も仲間達を放置してたことを思い出したのかハッとした表情(カオ)をした後、1人1人紹介してくれた。


 俺と同じぐらいの身長の男で武器らしい武器を持ってない奴が工藤悟(くどう さとる)

 俺みたいに金属バットを背負ってる女子が赤里美友里(あかさと みゆり)

 力士みたいな体格の男で大きな取手の付いた鉄板(てついた)を持ってる花菱力也(はなびし りきや)


 皆、猿渡の大学での友人で、猿渡と一緒にダンジョンに潜ってる仲間らしい。

 ただ、猿渡が俺の事をどう彼等に話してるのかは知らないが、何故か俺の事を猿渡が紹介したら「あぁ、猿渡の恋人か」なんて言葉が返ってきた。


 当然猿渡を睨んだし、その頬をバットでグリグリしてやった。テメー、普段何話してんだよ馬鹿野郎って感じで。

 当の本人は吹けもしない口笛吹くような口をして、明後日の方向を見ながら必死に誤魔化そうとしてた。だからバットを離して股間に1発入れてやった。


 股間に1発入れられた猿渡?当然股間抱えてその場に倒れたよ。

 なんで俺がお前の恋人なんだよ。恋人なら女子の恋人が欲しいわ。



 そんなやり取りをして、互いに自己紹介を終えたタイミングで赤里さんが言った。


 「ねぇ加藤君、良かったら私達と1回潜ってみない?噂の肉体チートを見てみたいな!」


 赤里さんは瑠璃のような所謂オタク文化に明るい人だった。チートという単語は、元はコンピューターゲームのゲーム外の何かを用いた不正行為、だったかな?

 肉体チート?意味的に俺の今の身体能力の事を指してるんだろうな…。


 ただ、彼女の申し出で俺と猿渡は固まった。当然だ。いくら過去の話として割り切れてはいても、まだまだトラウマレベルに本能的に恐怖されることを気にしてはいる。

 別にこれが、見ず知らずの赤の他人だったら無視するなり適当に断るなり、逆に一緒に潜ってどんなものか見せても問題はなかった。

 でも相手は猿渡の友達だ。俺と今後関わる可能性が有るかもしれない。そんな相手に恐怖を持たれるのは嫌だ。


 たぶん猿渡が固まったのは…、自分の事と俺の事を考えて、なんだろうな…。


 色々考えないと駄目だけど、それでもやっぱり、答えは決まってるな。


 「ごめん。俺、他の人と組むのは難しい、というか無理なんだ。興味本位とはいえ俺と組みたいと言ってくれたのはスッゴく嬉しいけど、色々有って組めない。ごめん」


 「えー、ソレってどういう理由なの?なんか猿渡と一緒のタイミングで固まってたけど、ソレが関係してたりする?」


 鋭い。というか、話し方事態は柔らかいけど、何がなんでも組みたいみたいな何かを感じる。

 女子ってたまに、こういうのが有るよな。


 「理由は想像に任せるけど、じゃあそういう事にしといて」


 明確に答えは言わず、惚けながら適当に『じゃあそれで良いんじゃない?』みたいなノリで戯けて言う。すると「えー怪しいー。ねぇ、そんなに人に言えないような理由なの?」なんて食い付いてきた。

 押しが強い人らしい。


 「別に組んでも良いんだけど…、


 なんか赤里さんに苦手意識出来ちゃったからやっぱり組みたくないなー」


 だから、わざとふざけた感じで悪いとは思いつつ赤里さんのせいにしてみた。


 俺の想像する通りの性格なら、たぶん引き下がってくれると思うから。


 そして俺の予想は的中して、見事に「そっかー、それは残念ー」なんて引き下がってくれた。まぁそのすぐ後に「じゃあ仲良くなったら一緒に潜ろうね!」なんて言って、たぶんコネクトのIDと思われる物が書かれた紙を渡された。

 手慣れた感じが有ったし、そんなすぐ出せるって事は、普段からやってそうだな……。


 内心『なんか、本当に赤里さん苦手だな』なんて思いつつ、貰った紙は後で捨てると決めて、取り敢えずジャージのズボンのポケットに仕舞った。




 話はそこで終わり、その後俺達は各々の活動に入る事にした。


 俺はまず一月前の戦利品の換金へ。猿渡達は3階層を余裕でクリア出来るようにと3階層へ。


 なんだか、主にデモと赤里の一件で凄く精神が疲れたけど、だからといって潜らない訳にもいかない。だから俺はまず換金をした。


 換金の際、まだ4階層に俺以外の人間が到達していないらしく、この間みたいに色々と前の受付に居た女みたいにしつこく聞かれたけど、「前に此処で受付担当した女性の方、俺との一件で市役所辞めてるそうですね。あ、俺、ダンジョン探索者部部長加藤史規の息子です。この事は父に伝えておこうかと思うんですが、どう思われますか?」なんて聞いたら黙ったよ。

 市役所の部長になるような父を持って鼻が高い。良いね、市役所の部長って権力。やっぱり持つべきものは頼りになる父親だな!


 ……帰ったら父さんに素直に話して謝ろう…。


 換金結果は、まだ現時点では出回ってない新素材や見たこともないサイズの石らしく、すぐには入金出来ないと言われた。だからいつまでに振り込んでもらえるかしっかりと言質を取って、後はダンジョン探索者部さん達に任せる事にした。


 そんな、色んないざこざがありつつ、俺はようやく1ヶ月以上振りに駅近ダンジョンに潜れるようになった。



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― 新着の感想 ―
[一言] ま、まさかもう更新しないとかないよな?お願いだまた更新再開してください!!
[気になる点] 更新まだぁぁ?
[一言] は、早く更新してくれ早く続きが読みたくて我慢出来ないんだ……
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